ほんのり*和もの好き

歌舞伎や文楽、日本舞踊、着物のことなど、肩肘張らない「和もの」の楽しみを、初心者の視点で語ります。

物知らずが行く歌舞伎#7〜三月大歌舞伎(歌舞伎座)今の知識と演目選び

この企画は、知識が足りないゆえに
歌舞伎への第一歩を踏み出せずにいる方
の背中を押すべく、
歌舞伎歴1年の初心者が何を知っていて、何を目的に、
どのチケットを買うのか
をさらけ出す企画です。
こんなに物を知らなくても歌舞伎を楽しんでいますよ
というのをお伝えできればと思っています。

物知らずシリーズ第7弾!
じわじわ更新続いてますよ~

今回は3月の歌舞伎座公演です!

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■歌舞伎座 三月大歌舞伎の演目は?


3月の歌舞伎座。
演目は以下の通りです。

【昼の部】
一.女鳴神(おんななるかみ)
 龍王ヶ峰岩屋の場
二.傀儡師(かいらいし)
三.傾城反魂香(けいせいはんごんこう)
 元信又平 奇跡を起こす絵筆の勢い
 近江国高嶋館の場より土佐将監閑居の場まで

【夜の部】
一.近江源氏先陣館(おうみげんじせんじんやかた)
    盛綱陣屋(もりつなじんや)
二.雷船頭 (かみなりせんどう)
三.弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)
 浜松屋見世先より稲瀬川勢揃いまで


珍しく演目名が全部読めたぞ!


■各演目について、現時点での知識


*そもそも知っている演目はあったのか?


【昼の部】

「女鳴神」は、「鳴神」を名前だけ聞いたことがあるのですが、その女版でしょうか…?
「傀儡師」はよく舞踊公演でかかりますね。何度か観ています(が、いろいろ後述します笑)
「傾城反魂香」は、大学の授業や本で見て名前だけ知っています。通称「吃又(どもまた)」というやつですね!


【夜の部】

「盛綱陣屋」!これです!!歌舞伎を好きになる以前にテレビで観た、おぼろげな首実検の芝居の記憶は確かこれです!!!笑(⇒この記事
そしてあのときも盛綱片岡仁左衛門さんでした。
「雷船頭」は一度舞踊公演で観た程度。あまり記憶はないのですが、知ってはいます。
「弁天娘女男白浪」は昨年5月に團菊祭で観ました。尾上菊五郎さん弁天小僧と、市川左團次さん南郷力丸日本駄右衛門は、先日團十郎襲名が決まった市川海老蔵さんでした。素晴らしかった。


*現時点で知っていることは?


◇女鳴神


「『鳴神』はかなり大人な話でした」というのを、かわいい年下の女の子から報告されたことはありますが(笑)、あとは分かりません。
「鳴神」、1月に新橋でやってましたね。行きたかったです。。ちょっと1月は歌舞伎公演が多すぎた。。


◇傀儡師


舞踊公演でよくかかる演目です。
十代目坂東三津五郎さん『坂東三津五郎 踊りの愉しみ』 (岩波現代文庫、2015年)によれば、
傀儡師とは「子供相手に、首掛けの箱の上で人形を舞わせている仕事」(p.124)だそうです。

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傀儡師が歌詞に合わせていろいろな役柄を演じ分けていくのですが、
そのどれもが本物の真似になってはいけない、どれも「人形が踊っている振のつもりでやる」とは、こちらは七代目坂東三津五郎さんのお言葉。『七世三津五郎 舞踊芸話』(演劇出版社、昭和52年初版)p.73〜77より)

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「人形振り」というわけでは全くないのですが、人形のつもりで踊るようです。 

明るい曲で大好きなのですが、私、なぜか毎回寝落ちしてしまいます。。
先ほど「後述します」といったのはこのことで、どうしても途中で眠りに入ってしまうんですよね。
そういう演目、実は他にもいくつかあるのです

今回こそはちゃんと観たい!切実!!!笑


◇傾城反魂香


「吃又」という通称くらいしか知らないかも。。
(と言いつつ不安だったので調べたところ、「土佐将監閑居の場」の通称が「吃又」なのでだそうです。) 
確か主人公の又平が、絵の実力があるのにしゃべるのが苦手で、それを奥さんがかいがいしく支えている、という設定。
この絵の実力が認められて、ハッピーエンドになるのではなかったか…うろ覚えです…。  


◇盛綱陣屋


先述の通り、何年か前に観たテレビでやっていたのです。
どういう成り行きかは全く覚えていないのですが、盛綱が首実検(=討ち取った敵の首が本物かどうかを検分すること)をしている場面が印象に残っています。 
首実検につきものの、「本当は違う首なんだけど、大人の事情により正しい首だと言う」パターンだったはず。
その横で、死ななくて良かったはずの子供が切腹していた記憶があります。
全然歌舞伎を知らない頃でしたが、衝撃を受けたんでしょうね。
 
この首実検に際し、
「あれ、首が本物と違うぞ、どういうことだ?あ、あいつの計略だな。やってくれたわ。いや待てよ、そしたら横のこの子供は…」
みたいな盛綱の一連の考察と感情を、台詞なしで表情だけで表現するのです(=腹芸(はらげい)というらしい)
そのお話を仁左衛門さんがなさっていたのも何となく覚えています。 


◇雷船頭


ほとんど記憶がないのですが、一度舞踊公演で観ています。
雷が面白かった記憶はあります。。
同じ「一度観ている」でも、「盛綱陣屋」とのこの差は一体何なんでしょうね…。
やっぱり初見の分かりやすさは、セリフのある歌舞伎が強いのでしょうか。舞踊好きとしてはちょっぴり悲しい。 


◇白浪五人男(弁天小僧女男白浪)


言わずと知れた名作ですね!
歌舞伎を観始める前から、この芝居の存在や「知らざぁ言って聞かせやしょう」の台詞は何となく知っていたくらいです。

今回は浜松屋見世先から稲瀬川勢揃いまで。
女装した弁天小僧が南郷力丸とともに浜松屋で強請りをし、その策略がばれ、二人が正体を明かして帰っていく場面(この策略を見抜く侍、実は二人を含む一味の首領・日本駄右衛門なのです)
この二人が属する盗賊五人組がそれぞれ名台詞とともに名乗っていく場面です。

前回観て印象に残っているのは、弁天小僧が美しい娘の格好のまま、弁天小僧たる本性を現す変わり身(ここで例の名台詞が来るわけです)南郷力丸とのやりとりの、お互い勝手知ったる感じ
大好きでしたねぇ。

五人が花道にずらりと並び、「志ら浪」と書かれた傘を手にきまるので、できれば幕見でなく、花道の見える席を取りたいものです。


■観てみたい演目は?


いやもう、全部少しだけ知ってるから、全部観たいのが人の心というものですよね。笑

でも絶対はずしたくないのは、「盛綱陣屋」と「白浪五人男」、「傾城反魂香」でしょうか。

特に「盛綱陣屋」は、仁左衛門さんを拝見したいはもちろんのことですが、
中村勘太郎くん寺嶋眞秀くんと、応援したい子役さんお二人がご出演。勇姿を見届けたいですね…!

あとは、1月歌舞伎座「勢獅子」の獅子舞・後ろ足で話題をかっさらっていた中村鷹之資(たかのすけ)さんの踊りが観られる「雷船頭」偶数日。

3月はこの「雷船頭」と「白浪五人男」の配役が、奇数日・偶数日で替わります。
もうこの「日によって役者を変える戦法」、お金が持たないのでやめてください。。泣
いや、でもきっと芸を受け継ぐためには大事なことなのでしょう。やっぱりやめないでください。(メンタルぶれぶれ)


■どのチケットを買う?


夜の部は偶数か奇数か選びに選んで、チケットを死守する予定です!笑
あとは幕見で、買えなかった方の「雷船頭」を観に行きます。
 
昼は幕見で我慢。演目も厳選する…予定ですが、全部行ってしまうかもしれない自分が恐ろしい。。

誰も私の懐事情にご興味はないかと思いますが一応言い訳すると、ちょっと3月は旅行による出費が多くてですね。。


■まとめ


珍しく全演目に何かしらの知っていることがありました。
知っていることが増えると、観たいものがぐんと増えますね!
そして観てみたい演目や役者さんが増えると、嬉しさの反面辛さもありますね(経済面)

3月に国立の文楽公演がなかったのが唯一の救いです。
(にっぽん文楽はもちろん行きますよ!笑)

午前も午後も、純粋に物語として面白そうなものがあり、舞踊も気になるものがあり、と個人的には通いたくなってしまうプログラムでした。

太田記念美術館「かわいい浮世絵 おかしな浮世絵」展に行ってきました!

またもや最終日に足を運ぶという、何の参考にもならない感想で恐縮ですが…
原宿にある太田記念美術館の「かわいい浮世絵 おかしな浮世絵」展に行って参りました!

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浮世絵は全然詳しくないのですが、このポスターのかわいさと、Twitterで漏れ聞こえてくる内容の興味深さに惹かれて。

行ってみて大正解!
私でも楽しめるようなものばかりでしたよ!!

さすがに作品を撮って載せることはできないので、言葉での説明になってしまいますが、印象に残ったものを。 

***

まず歌川広重の扇絵。
団扇の形に絵が描かれていて、切って団扇に貼るのだそうです。
 
展示されていたのは、「月に兎」の図柄。
画面からはみ出る大きな満月の下に、二羽の兎が描かれます。
夜の色に、白い月と兎がおしゃれ!
こんな団扇を、渋い浴衣に白の帯を貝ノ口できりっと締めた背中に差して歩きたい。

***

それから歌川広景の、鳶と油揚げの絵。

鳶が桶ごと油揚げを盗んで飛んでいるのですが、空中で桶をひっくり返してしまいます。
その様子を見上げている男の人の顔面に、油揚げが見事に落ちる。笑
周りの人も笑っちゃっています。

この不運な男性、「見上げる」という不安定な体勢だった上に顔も油揚げに覆われてしまって、
バランスを崩した拍子に、草履の鼻緒が切れてしまっているんです。
もうオチがマンガのよう!!笑

鳶が油揚げを盗むのは、良くあったことのようですね。
日本舞踊「子守」も、油揚げを盗んだ鳶を追いかけてきてすっ転ぶところから踊りが始まります。

***

同じく広景の、髪結床の絵も印象的でした。

男のお客が髪を剃られているのですが、うっかり剃りすぎてしまったようで、もちろんお客はおかんむり。
しかし剃っている方の人は、自分の失態にもかかわらず、あろうことかへらへら笑っている…!
何よりひどいのが周りの客で、みんなお客を見て大爆笑。笑

何ともおおらかな時代を感じさせる一枚でした。

***

猫の絵が有名という印象の歌川国芳は、今回の展示ではほおずき人間が楽しかった!
なんと、ほおずきが擬人化されているのです。
実が顔で、オレンジ色の皮が広がって五体になっています。

私が気に入ったのは、とうもろこしの幽霊に驚くほおずき人間!
夜道に揺れるとうもろこし、確かに幽霊みたいに見えなくもないですね…

これを見たほおずき人間たちが、腰を抜かしているのが愛おしい!!
表情がないのに泡を食っているのがよく分かります。笑

ほおずき人間は着物の柄にもなっているみたいですね💡
以前リサイクルのお店で見かけました。

***

現代的な笑いを誘うという面では、鈴木春信の絵が良かった。

火鉢の前でついうとうとしている女性と、その後ろに忍び寄る女性二人。
この二人、何と寝ている女性の帯に糸をつなぎ、その糸を柱にくくりつけるといういたずらを…!
悪質だぞ!!笑

このいたずらしてる二人の表情がいいんですよ、
片方は静かに微笑んでいて、片方は口に手を当てて笑ってます。
無声音の「うふふ」が聞こえてきそうです。笑

***

他にも楽しい、かわいい作品がたくさんありました。
浮世絵ってのびのびしてますね!
人々の一コマを描いた絵からは笑い声や会話が聞こえてくるようだし、動物の絵は愛嬌たっぷりでした。

次回の展示は2月1日から、「小原小邨」展とのことです。

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何ともかわいらしいきつねですね!

JR原宿駅から徒歩約5分。
思った以上に足を運びやすかったので、また見に行こうと思います。




100均×着物!手ぬぐい篇


着物を着る際に100均アイテムが意外と役立つ、という話の第二弾。
第一弾からかなり空いてしまいました…
(第一弾はこちら⇒100均×着物!補整用バスタオル篇

今回は手ぬぐい半襟です。

これ、すでにやっている方がたくさんいるかと思うのですが、
なかなか魅力的な柄に出会えずにおりました。

しかし、昨年ついに出会ったのです! 

ダイソーにて発見、迷わず買ったのはこちら↓

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すでに半襟にしてしまった後ですみません、
そのままの状態で写真を撮り忘れました笑

これ、二枚の手ぬぐいではなくて、
2つの柄が半分ずつになっている一枚の手ぬぐいだったんです!
イメージはこんな感じでしょうか。

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この一枚で半襟が二枚もできるではないか!

日頃は判断の遅い私ですが、即決で買いました✨

この手ぬぐい半襟を付けてみたのがこちら↓

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ふっくらとした丸顔。

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上の着物と激似ですが違う着物ですよ。

どちらもいい感じに馴染む!

色が和風にできていて、何色か入っているのが使いやすいポイントかと思います。

100均手ぬぐい半襟のいいところは、安いことはもちろんですが
何より洗濯機で気軽にがんがん洗えるところ!!!

手持ちの半襟は、リサイクル着物屋さんで買ったお着物のハギレばかりなのですが、
絹素材のため 軽い気持ちで洗濯できないのです。。
(ハギレ自体は割とどこのリサイクル着物のお店でも手軽な価格で売っていることが多いです!ユザワヤなんかも意外と使える。)

しかし手ぬぐいは綿100%。
もともと使って洗うためのものなので、汗をかいたら洗濯機に放り込めば大丈夫

襟元は汗やらお化粧やらで汚れがちなので、気軽に洗えるのはとてもありがたいです! 

ただ、冒頭にも述べました通り
なかなかいい感じに使える手ぬぐいには出会えません(特に100均の場合)
「これ!」と思えるものを見つけたら、迷わず買って損はないと思います。

「やっぱり半襟には違うか…」と思っても、手ぬぐいならはんかち代わりに、ティッシュケース代わりに、とさまざまな用途で使えます💡

ぜひ100均に足をお運びの際は素敵な手ぬぐいを探してみてください!
 
プロフィール

わこ

◆東京都在住╱地味目のOL (平成生まれ)。
◆大学で日本舞踊に出会う
→社会に出てから歌舞伎と文楽にはまる
→観劇2年目、毎月何度か劇場に通う日々。
◆着物好きの友人の影響で、着物でのお出かけが増えてきた今日この頃。

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