【New】2018.11.21 内容に一部修正を加えました。


こんばんは、わこです。

物知らずシリーズに続き、こんなシリーズを作ってみました。

ざっくりシリーズ。

せっかく歌舞伎に行こうと思って
演目のことを調べてみたはいいのですが、
何やら登場人物の名前も難しい
敵味方・家族の関係も複雑

よくわかんない…やめよう。

となる方、少なくないのではないでしょうか。

長い文章を読むのに抵抗がなくても、
慣れない文字面を追って頭の中で整理していくのは
結構疲れる作業だと思うのです。

そこで!

この企画では、
極力登場人物を絞ってシンプルに
これさえ分かっておけば何とかなる!
というざっくりとした説明を試みます。

というか、

私がこのレベルの理解です。という方が正しい。笑

自分で観てからでないと、どこを削っていいのか分からないため、
更新は非常にマイペースになるかと思いますが、
少しずつ自分自身の知識を蓄えていければと。

***

記念すべき第一回は、
奇しくもシネマ歌舞伎で来月の予習ができてしまった
隅田川続俤 法界坊(すみだがわごにちのおもかげ ほうかいぼう)」。

ちなみに筋書も何もない状態で、
何の予習もなしに観にいったシネマ歌舞伎でしたが、
特に不自由もなく楽しめました。


現代語で、面白おかしく演出してくださったからでしょうか。

来月の歌舞伎座はまた違う雰囲気になるとは思うのですが、
大筋は変わらないはずです。

シネマ歌舞伎の内容をもとに、
今回と過去の歌舞伎座公演の「見どころ」を参考にしつつ
だいぶざっくりとまとめてみました。


★要は「家宝」と「恋」



この話の主なテーマは2つあって、
一つは吉田家の重宝「鯉魚の一軸(りぎょのいちじく)」が誰の手に渡るのか

もう一つは要助・おくみというカップルの
男女それぞれに関わる恋愛のごたごたです。

以下に関係性をまとめてみました。

【吉田家家宝「鯉魚の一軸」をめぐって】


永楽屋手代・要助=吉田家嫡男・松若丸
道具屋・甚三(実は吉田家の家臣)
(永楽屋娘・おくみ

VS

法界坊
(永楽屋番頭)

紛失してしまった吉田家の家宝「鯉魚の一軸」を取り戻したい
吉田家の面々(要助と甚三が中心) と、

その家宝にかかる大金を目当てにした
法界坊&彼と手を組んだ番頭さん、という対立構図。

ここに何人か絡んできますが、
吉田家派奪う派かのどちらかには属しているので、

金に関しては、これが分かれば概ね話が理解できる、はず。

【恋愛をめぐって】


要助(松若丸) おくみ =(婚約)=源右衛門
 ↑       ↑
野分姫  ←法界坊 

という構図。

野分姫は、松若丸の許嫁。
一途に松若丸を追ってきたのですが、
松若丸は永楽屋の手代に姿を変えて家宝を探している間に
ちゃっかり店の娘・おくみといい仲に

そりゃ野分姫も恨みますよ… 

そのおくみは、要助(松若丸)と恋仲であるのですが、
「鯉魚の一軸」を手に入れるため
一軸を持つという大阪屋源右衛門と(いやいやながら)婚約することに。

法界坊はおくみに夢中で、
要助からおくみを奪うためにいろいろ悪さをします。

そしてどさくさに紛れて、野分姫をも口説く。

金と色恋が大好きな生臭坊主なのです。

登場人物が多くて人間関係が分かりにくくなりそうですが、
とりあえず
おくみちゃんがいろんな男に言い寄られ、
要助は野分姫という許嫁がいながらおくみといい仲、

というところが分かれば問題ないかと。 

***

ここまでが分かれば、
あとはこの「鯉魚の一軸」と恋愛関係をめぐる
ドタバタ喜劇
です。

法界坊の茶目っ気と自由さ
殺しの場面での凄みを気楽に味わいつつ、

後半の舞踊「双面(ふたおもて)」では
野分姫と法界坊が合体した霊が見せる
それぞれの執念
を楽しめば良いと思います!

***

…簡単にするのって難しいですね。

こちらの理解度が如実に出ます。。

とりあえず、第一回目はこんな感じ。
来月の「法界坊」を観てみて、間違っていたらすぐに修正いたします!