★2018.12.09追記★
ごめんなさい、間違えておりました!
「鎌倉三代記」と「伊達娘恋緋鹿子」は、昼の部・夜の部ではなく一回の公演でどちらも観られます!誤った部分の文章を訂正いたしました。
大変申し訳ございませんでした。以後、情報の吟味を一層徹底してまいります。 


歌舞伎では3回ほど「物知らずシリーズ」を更新してみているのですが、
このほど文楽版も作ってみました。

国立劇場の公式サイトには
すでに12月文楽公演のあらすじ(PDF)も出ているので、
このブログではとにかく
文楽歴約1年の初心者が
どの程度の知識で文楽を観にいっているのか

というところに焦点を当てて書いていくつもりです。

「文楽に興味があるけどなかなか踏み出せない」という方の背中を、
無知を以って一押しするお手伝いができれば、
と僭越ながら存じております。

***

さて、歌舞伎と文楽のどれを選ぶか
迷いに迷っていた12月ですが、
私、決めました。

12月は文楽に行きます。

歌舞伎は、歌舞伎座の幕見を厳選して一幕か二幕だけ。

この決定に至らしめた心の内と、
いつも通り薄っぺらな知識を、
ここにさらけ出したいと思います。





■国立劇場 12月文楽公演の演目は?


12月の文楽公演。
演目は以下の通りです。

鎌倉三代記(かまくらさんだいき)
 局使者の段
 米洗いの段
 三浦之助母別れの段
 高綱物語の段

伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)
 八百屋内の段
 火の見櫓の段


いずれも無理なく読める題名ではありますが、
「恋緋鹿子」を「こいひがのこ」と読むのに
ちょっとした努力がいりますよね。。 


■各演目について、現時点での知識


どちらの演目も
「題名は聞いたことがある、ような気がする」
という感じです。

が、

あらすじを見てみると、
どちらにも何となく知っているワードが出てきました! 
 

◇鎌倉三代記


「時姫」という登場人物は知っています。

歌舞伎で「三姫」といって、
お姫様役の難役三つのうちの一つが
この「時姫」
なのです。

歌舞伎公式総合サイト「歌舞伎美人」(かぶきびと)にも
「赤姫」という項目で「三姫」の説明が載っています。

「鎌倉三代記」は観たことがないのですが、
登場人物の名前を一人でも知っていると
安心感はあります
よね。


◇伊達娘恋緋鹿子


「お七」「八百屋」「火の見櫓」というワードから
もしかしてあの話…?!
というのが頭に浮かんでおります。

恋する男のために娘が放火する話。

どういう経緯でそうなったのかは忘れましたが、
この話は大学時代に授業で聞いて(井原西鶴の『好色五人女』)、
あまりのとんでもなさに衝撃を受けました。

あとは「櫓のお七」という日本舞踊の演目
踊りを始めたばかりの頃に見た記憶があります。

もちろん人間が踊るのですが、
「人形振り」といって、あえて人形のように踊るのです。
後ろにはちゃんと、人形遣いの役の方がついていました。

最後にお七が、ずり落ちながらも必死に火の見櫓に上り、
太鼓を叩くシーン
がとても印象に残っています。


ただ、あらすじを読む限り 放火の話は出てこないので、
文楽だと設定が変わっているんですかね…?


■観てみたい演目は?


これはですね…
どちらも譲れない理由があるのですよ…

まず「鎌倉三代記」

時姫を見たいんです。

日舞のお稽古場にて、他の方が赤姫の役をお稽古していて、
それがとても難しそうだったんです。
性格は強い部分がある役だと思うのですが、
あくまで姫なので動き過ぎてもいけない

「赤姫って結局どういうものなの?」
というのが分かりませんでした。

人形は、それをとてもよく表してくれるのではないかと思うのです。

女の人形は特に、時々ぞっとするほどきれいな形をするんです。
それは人形だからこそできる、理想の形なのだと思います。

そういうことができる人形浄瑠璃で、
ぜひとも時姫に触れたいのです。

そして「伊達娘恋緋鹿子」

そもそもがドラマチックな話なのは分かっているので、
文楽で見たら良いに違いない。

文楽の観劇経験3回で語るのはお恥ずかしいのですが、
緊迫した場面の文楽のスリルは、
もう凄いとしか言いようがない
んです。
手に汗握ります。自然と身を乗り出します。(※三発三中)

舞踊の「櫓のお七」を見たのはすでに結構遠い記憶なのですが、
それでも覚えている櫓に上るシーン、
あれを文楽で見たい。。 
 
*+α 幕開き三番叟*

昼の部の開演15分ほど前に、人形が「三番叟」を舞うという話を小耳に挟みました。
昼の部に行ったことがなく、あまり情報が多く集められていないのですが、今でも、そして国立劇場でもやるのでしょうか…?
もしもやっているならばぜひ見てみたい。
そのあたりも確かめてこようと思います!


■チケットは買う?買わない?


12月の文楽公演、観に行きますとも。

言い訳をするとですね、
文楽って東京では、年4回しか見られないんです。

国立劇場で文楽公演があるのは、
2・5・9・12月のみ。
(それぞれ昼夜あるので、8回と言えば8回ですが…)
毎月見られる歌舞伎と違って、機会が限られています。

だから見られるときに見ておきたい
特に興味が少しでも持てる演目ならば、尚のことです。

いいんです、このために働いているんです…


■まとめ


というわけで、「物知らずシリーズ」文楽編第一回でした。

おそらく、自分の初めての文楽のときは
時姫もお七も知らなかったのではないかと思います。

ちょこちょこ歌舞伎や日舞や文楽に触れることで、
少しずつ知っている名前や言葉が増えていくのが
ちょっとした喜びです。

ちなみにこの文楽公演の、国立劇場のチラシなのですが、
それぞれの演目のコピーが妙にかっこいいんです。

「起死回生の計略は姫にゆだねられた」(鎌倉三代記)
「雪も溶かす命懸けの娘の情念」(伊達娘恋緋鹿子)
 
女性陣強し!


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