実際に座ってみた歌舞伎座の座席を
場所ごとにレビューしてみよう!という企画です。

観劇は決して安いお金じゃないから、
なるたけ見やすく、楽しめる席がいい。

しかしどこがどんな様子か
さっぱり見当がつかない!

そんな気持ちから、なかば自分のために始めてみた企画です。笑

徐々に更新していく予定。
少しでもお役に立てれば幸いです。

*** 

第4回は、【3階席前方】
いわゆる「三等A席」という、6,000円のお席です。

やっぱりこの辺りが一番好きだなぁ、というのが現時点での印象。 
どうやら人気の席のようで、売り切れてしまっていることもしばしば…。

左側、右側どちらでも観劇してみたので、詳しく見ていきたいと思います! 





■歌舞伎座三階席前方からの見え方


左側からの見え方はこんな感じです↓

IMG_20190106_195527

花道は、七三がぎりぎり見える程度
でも幕見席より距離が近いこともあって、この位置で踊ったりきまったりするのは比較的よく見えました
何人も並ばれると後方の役者さんはほぼ見えませんが、前から二人くらいならば何をしているかちゃんと見えます。 

今度は右側からの見え方↓

IMG_20190209_103755

同じく七三がぎりぎり。
左側と同じような具合ですが、花道から遠い分、左側よりも花道が見にくいかもしれません。

どちらも、舞台は全体が見渡せる位置
大道具の感じによっては上の方が見えにくいこともありましたが、概ね問題ありません。
幕見席よりずっと舞台が近いです!
(幕見席編はこちら

傾斜は一階・二階よりもきつくなっています。
前の方の頭に遮られる部分もないわけではありませんが、丸かぶり、ということはないはずです(前傾姿勢で観られてしまうときついですが…)。 

そしてこれは三階に限った話ではありませんが、花道をよく見たい場合は各ブロックの花道寄りの座席を確保するのをおすすめします! 
みなさん花道を見ようとして結構身を乗り出すので、自分よりも花道寄りに人が少ない方が、視界を遮られることが少なく見やすく観劇できるかと思います。 

三階席前方も、オペラグラスをおすすめします!
視力が1.0くらいあれば、役者さんの表情まで見えることは見えますが、それでもやはり細かいところは遠い。小道具や衣装の様子を見たい、表情をよりはっきり拝みたい、という場合はオペラグラスが必要だと思います。
倍率は3倍程度でも十分ですが、6倍あるとより細かいところまで確認できます。 


■歌舞伎座三階席前方の音響


個人的に音響は、三階がベストです!

セリフも問題なく聞こえる、
すべての音が上の階の座席に遮られることなく響く、
そして大向こうのかけ声が近い。

劇場全体の音をサラウンドで聞くことができる、楽しい席です。

四階の音も好きなのですが、ほんの少しセリフが聞き取りづらいことがあります。
その点、三階前方は比較的舞台に近いのでありがたいです。 

 

■三階席の服装(洋服・着物)


日によるのかもしれませんが、私が行った日は洋服の方が多かった印象です。
お着物の方は、新春公演は小紋に二重太鼓の方をよく見かけましたが、普通の日はの方も。
でも紬って私は全然理解できていないので、もしかしてものすごく高級なものだったのかもしれません…!

男性のお着物の方もいらっしゃいました。粋ですね!素敵です。

注意したいのは、座席の前が狭めなこと。
前を人が通るときには、一度立ち上がる必要があります。
荷物は少なめ、立ち座りが簡単な服装が望ましいかと思います!
(ちなみに、ロッカーは劇場地下一階と三階にあります。) 


■三階席のいいところ


観やすさと音の良さは先述の通りで、これに加えて重要なおすすめポイントがあります。

三階席は、めでたい焼を買うのに最も適した席なのです。

週末は売り切れ続出のめでたい焼。
中に紅白の白玉が入った、ボリュームたっぷりの鯛焼です。
幕間に合わせて焼いているので、焼きたてのほやほや、サクサクの状態で購入することができます。
 
これ、三階でしか売っていないのです。

三階に降り立った瞬間、幕間に扉が開いた瞬間、鼻腔をくすぐるあの甘く温かく香ばしい香り。
あれを嗅いだらもう、買わずにはいられない。

三階席なら、すぐに売場にアクセスできます。買いたければ、幕間になったら速攻で並びましょう。
売り場は三階西側席(舞台向かって左側)の方向です。
数量限定ですが、5個以上なら予約もできるようです。 

この他にも三階廊下にはお土産やさんが並び、観劇以外のところでも大いに楽しめます
お菓子から雑貨まで、充実のラインナップです。 


■まとめ


現時点で私は三階席が一番好きです。
まだ「推し」がいないので(そしてあまり作る気もないので)、「○○さんを近くで観たい!」というよりも「舞台全体を楽しみたい」と思うからでしょうか。
そうは言ってもいざ一階二階に行ってみると、その近さに興奮するのですが。笑

音良し、見え方良し、幕間の楽しみ良し。

歌舞伎座の中では手頃な方に位置する席ですが、心からおすすめです。