久方ぶりの更新になってしまいましたー!!
8月に入っちゃいましたよ…納涼歌舞伎が始まってしまう…

物知らずも7月分以来更新していないまま、ついには10月の芸術祭の情報まで出てしまったわけですが、めげずに歌舞伎ではない記事を更新します。笑 

はい、行ってきました。
「日本の素朴絵」展!

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素朴なゆるいタッチの立体作品・絵画作品を集めた、目の付け所の楽しい企画です。

▶︎三井記念美術館のサイトはこちら
▶︎展覧会公式サイトはこちら

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会場のそこここから笑いが漏れ聞こえてくる、温かみのある展示。
私は金夜に行ったのですが、平日に疲れた心をじんわり溶かしてくれるような内容で、ちょっと癒されました。笑

金曜日のみ、17:00から18:30までの入館が1,000円と、通常より300円お安くなっています 

印象に残っているものをいくつか。
画像は載せられないので、どこまでお伝えできるか分かりませんが。。


*小さい仏像

白鳳時代から平安時代のものが主でしょうか。

名前のついた有名な仏像じゃなくて、手のひらに乗りそうなくらいのサイズの仏像が割と好きです。
どこに置かれていたのか分かりませんが、誰かの信仰は得ていたはずの小さな仏さまたち。
どれもとてもいいお顔をしているのです。

確かに表現としては素朴で、拙いところもあるのかもしれませんが、だから劣っているとは思えず。
むしろそういう姿だからこそ、身近な拠り所となり得た部分もあるんじゃないかと思います。 


*つきしま絵巻

もうこれはすごい。すごいとしか言いようがない。
独特なふんわりタッチの人物たちが、これでもかと登場します。

絵のレベルで言えば、何と言いますか、授業中の落書きと言いますか…
その割に、着物の柄なんかにはこだわりも見られて。結構凝っている。

あの画力で見事に描き切ってしまう、その力技が圧巻です。  

冷静な解説の文章も秀逸でした。笑

ちなみに、当然この物語自体は文字で書き残されていて、絵はあくまで挿絵なわけなのですが、字の方は書き慣れた読みやすい(たぶん)字でした。
字を書くのと絵を描くのは、やっぱり全然違うことなんですね。
 

*勝絵/海幸山幸の絵
 
両方とも題名を忘れてしまったのですが、この二つの絵巻はもう、やられます
 
うわぁこの絵にこんなにスペース使っちゃって!という感じでのびのびと描かれた絵。
内容はさることながら、堂々たるものです。 

想うままに描かれた風情で、巧まれていない分、破壊力があります
衝撃が走りました。
 

*くたへ(=件)
 
内田百間の小説で有名な、想像上の動物「件(くだん)」。
牛の胴体に人間の顔がついていて、人々に何らかの予言をもたらした後、数日後に死んでしまうという不気味な生き物です。

これが、何と展示にあったのですよ。

ぬらっとしてぶっきらぼうに描かれた黒い胴体に、のぺっとした女性の顔がついてるんですよ。

何かこう、リアルに描かれるよりかえって怖い
夢に出そうです。。


*なかきよ

「長き世の 遠のねぶりの みな目ざめ 波乗り舟の 音の良きかな」という、上から読んでも下から読んでも同じになる歌があります。
新年は、この歌が書かれた宝船の絵を枕の下に入れて寝るという、吉夢を見るおまじないがあったようですね。
長唄「宝船」も、この歌に始まってこの歌で終わります。

で、この歌の書かれた絵(16世紀だったか)があったのですが、これがなぜ印象に残っているかというと、歌が知っているものと違ったんです。

「とおのねぶりの」が「とこの(床の?)ねぶりの」になっていて、
当然「おとのよきかな」は「ことのよきかな」に。

まぁそれでも何となく意味は通じるかなぁとは思うのですが、いろんな伝承があったんですかね…?

絵自体よりも、歌の異同が気になってしまった作品でした。 


*雲水托鉢図

展示の後半は、本来であればちゃんとした絵が描ける人たちの、あえての素朴絵。
南天棒の「雲水托鉢図」も、その中にありました。
 
托鉢をするお坊さんたちが、ゆるやかなカーブを描いて並んでいます。
その表情が何とも愛嬌たっぷり!
これはもう、どんなグッズにしても絶対にいい感じになる作品だと思います。 

思わず、

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買っちゃいました。やっぱり。

裏はこんな感じ。

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何も入れていないと裏が透けるの、かわいいですよね。
ちなみにこのファイルはA5です。チラシを半分に折って持ち帰るのにちょうどいいサイズ。 

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ここに書かなかったものも、いろいろ印象に残っています。
顔がないのに表情豊かな付喪神、守備力のなさそうな狛犬、どことなくシュールな地獄絵図。。 

後半の展示以外は特に後世に残った絵師ではないはずですが、こんなに印象に残る絵を描けるのは、それはもう立派な絵師であると言って良いのではないでしょうか。
むしろ「素朴絵師」という新しい職種名を名乗っていい気がします。

「美術館」というとどうしても「理解しなきゃ!」「良さを分からなきゃ!」という気持ちが生まれてしまうのですが(本来全くいらない力みではありますが)、
この企画に関して言えば、やわらかな心ひとつあれば十分に楽しめるかと思います。

素朴絵、いい企画でした!


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余談ですが…

三井記念美術館は、東京駅や神田駅、日本橋駅、三越前駅などから歩ける、東京のど真ん中のような場所にあります。
周りの建物も立派で趣があるところばかりで、街歩きも楽しい!
アンティーク着物なんかがとても似合いそうです。

展示室に上がるのはこんなエレベーター。

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素敵ー!!!!

こっくりとした木の壁の展示室も重厚感があります。
建物だけで、私は十分にテンションを上げることができました。笑