この企画は、知識が足りないゆえに
歌舞伎への第一歩を踏み出せずにいる方
の背中を押すべく、
歌舞伎歴1年半の初心者が何を知っていて、何を目的に、
どのチケットを買うのか
をさらけ出す企画です。
初心者の無知っぷりと、この1年半でちょっと学んだことを、
背伸びせず、恥ずかしがらずにお伝えできればと思っています。


あぁもうだめだ、私はこのコーナー存続の意義を考えるべきときにあるのかもしれない。。
始まっちゃってますよ!秀山祭!!

もともとチケットを買う前に、歌舞伎に親しみがない方の背中を押すことができればと思って始めた企画だったのに。
始まっちゃってますよ!秀山祭!!(2回目)


気を取り直して。続けることに意味があると信じて。自己満足には目をつぶって。

9月です。秀山祭の季節です。
「秀山祭」とはなんぞや、というところについては、最後に改めて触れますね。

さて、今回は楽しみな演目、配役が揃いました!!

個人的にとても好きな吉右衛門さん、歌六さんに加え、歌昇さんのご子息・綜真くんの初お目見えがあり、梅玉さんと魁春さんに梅枝さんの加わる踊りがあり、仁左衛門さんの弁慶があり…

初めて歌舞伎を観る方でも、「歌舞伎を観たぞー!」という満足感が得られるに違いないボリューム
ではないかと思っています。 

全演目の見どころなどは、すでに公式サイトに掲載されていますのでそちらをご参照いただき、
「歌舞伎公式総合サイト 歌舞伎美人」秀山祭九月大歌舞伎の情報はこちら)(当方三度にわたり完全なる出遅れ)
ここでは「歌舞伎初心者、こんな感じの予備知識で観に行きますよ!」というのを晒します!

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■歌舞伎座 秀山祭九月大歌舞伎の演目は?


九月の歌舞伎座。
演目は以下の通りです。

【昼の部】
一.極付幡随長兵衛(きわめつきばんずいちょうべえ)
 「公平法問諍」
二.お祭り(おまつり)
三世中村歌六 百回忌追善狂言
伊賀越道中双六(いがごえどうちゅうすごろく)

三.沼津(ぬまづ)
【夜の部】
菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
一.寺子屋(てらこや)
二.歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)
三世中村歌六 百回忌追善狂言
三.秀山十種の内 松浦の太鼓(まつうらのたいこ)



演目の名前としては、歌舞伎によくある「そんなの読めるわけなかろう」というのは今回はありませんね。

ただ「極付幡随長兵衛」「伊賀越道中双六」と漢字が並ぶと、それだけでちょっと難しく見えてしまうので悲しいところ…。

文字面がアレでも、観に行ってしまえば問題なく伝わるはずなので、どうかこの漢字の壁に跳ね返されないでほしい!
正直、題名はそんなに意識せずとも楽しめます


■各演目について、現時点での知識


*そもそも知っている演目はあったのか?


【昼の部】

「お祭り」は、これは私の知っているもので合っているのでしょうか…。
それだとしたら、この記事でも触れた踊りです。
ちょこちょこ舞踊会でかかりますが、観るたびに演出が違うような…?
 
「沼津」は、全く記憶がありませんが観ているはずなんですよね、国立劇場で『伊賀越道中双六』の通し、観ているはず…。

と思って調べたら、このときは「沼津」は割愛したようでした。笑 良かったーあっけなく忘れちゃったのかと思いました。


あとは演目としては知らないのです。。

【夜の部】

「寺子屋」は、歌舞伎でも文楽でも観ているはずです。
三大浄瑠璃の一つである『菅原伝授手習鑑』の中でも、一番有名な場面だと思います。

「勧進帳」もよく上演されますね…と言って実はまだ生では一度も観ていないのですが。笑
流れは何となく分かります。

あとは初めましての演目でした。


*現時点で知っていることは?


◇極付幡随長兵衛


すみません、演目としては全く知らないのですが、
幡随長兵衛ってあの「鈴ヶ森」(この記事)の…?

というだけです。
よくこれだけで「知っていること」にしたな、というレベルの薄さですが、本当にちょっとでも耳馴染みがあるだけで、初心者は安心感が全然違うんですよ!笑

◇お祭り

先述の通り、私の知っている演目か甚だ自信がないのですが…

今まで観ているのは、鳶の者を中心として、周りが絡んで華やかに、粋に踊るもの
(主役が芸者のものもあります。そうすると絡みも変わるので、何度か観ているはずですが正しい形が分からない…

楽しい踊りであることには違いないかと!
大向うとの掛け合いもある、はず。笑

◇寺子屋

「忠義のために我が子の命を犠牲にする」という、浄瑠璃に非常によく見られるお話の流れです。

ものすごくざっくり書きますと、

舞台は藤原時平(しへい)vs菅丞相(かんしょうじょう)という時代にあります。
時平側は菅丞相の息子・菅秀才(かんしゅうさい)の命を狙っており、これを避けるために菅秀才は田舎の寺子屋に匿われています。(※この辺りの設定は、特に芝居の中では触れられないはず。)

しかし実はこの居場所がすでにバレており、寺子屋を営む武部源蔵(たけべげんぞう)夫婦は、菅秀才の首を差し出すように命令されているのです。

何としても菅秀才の命は守らねばならない源蔵。

折しも今日、この寺子屋に新たに入門してきた男の子がいました。
ちょっとこの辺りでは見ないような、品のある顔立ちをしています。

そうです。
「菅秀才」と偽ってもおかしくないような雰囲気をたたえているわけです。
 
源蔵夫婦、苦渋の決断でこの子を身代わりにして、首を差し出すのです。

首実検にやってきたのは、時平に仕える松王丸。
差し出された首を見て(この「首実検」が見せ場!!)、子細ありげな様子を見せながらも「相違ない」と、この首が菅秀才の首であることを認めます。

しかし、歌舞伎において首が本物であることなんてほぼなく。笑

さてこの首の正体とは、松王丸の隠している真実とは、というところに大きなドラマがあります。

最後の「いろは送り」と呼ばれる部分が名文なので、ぜひ浄瑠璃にも耳を傾けてみてください。
文楽公演でここの床本(台本)を手に入れたときは、本当に嬉しかった。 

◇勧進帳

この記事に書いてあることくらいから知識は特に増えておりません。笑


■観てみたい演目は?


「沼津」と「寺子屋」は絶対に外したくない!と思っています。

吉右衛門さん歌六さん、そして菅秀才には5月に襲名したばかりの丑之助くん、「沼津」では綜真くんの初お目見え…他にも好きな役者さんが並ぶという嬉しさに加え、竹本(語り)は先日人間国宝になられた竹本葵太夫さん
目も耳もどっぷり味わえる一幕になるに違いありません。

それから「お祭り」、これは年始に観た「勢獅子」(この記事)で、梅玉さんの鳶頭の佇まいがとてもかっこよかったので、また観たいのです。

「勧進帳」は仁左衛門さんの弁慶が外せない。きっと思慮深くて抜群にかっこいい弁慶なのだろうなぁと想像しております。

最近いろんなお芝居で「いいなぁ」と思っている歌六さんが主演の「松浦の太鼓」も、ぜひ観ておきたいところです。


■どのチケットを買う?


今月、できることなら昼夜どちらも買いたかった!3階でいいので…

ですが、スケジュールと金銭面の都合で、今回も幕見席からの観劇になりそうです。

「勧進帳」「松浦の太鼓」あたりは会社帰りに行けるかしら?と踏んでおります。


■まとめ


さて、最初に触れなかった「秀山祭」についてですが、
「秀山」というのは、今の吉右衛門さんのおじいさまに当たる、初代吉右衛門さんの俳名です。

この初代吉右衛門さんの生誕120年を記念して、2006年9月に最初の「秀山祭」が催されたそうです。
以降、9月の興行にはこの名前がついている模様。

私も詳しくは知らなかったし、最初は特に意識しなくてもいいと思います。
言われたところで「はぁ」という感じではないかと。

でも、これから一年のうちに何度か歌舞伎を観に行くつもりであれば、知っていると楽しみが増えると思います。
去年初めて「秀山祭」という言葉を知った私ですが、早くも今年は「吉右衛門さんの月が来るぞー!」というわくわくでいっぱいでした!

***

思えば去年の秀山祭は、今よりももっと何も知らなかったんだなぁとしみじみ。
当時の苦悩がブログにしたためられています。笑

いや、今でも分からないことだらけで、悩みに悩むんですけどね!

振り返って嬉しいのは、好きな役者さんが増えたこと。
「この役者さんを観に行きたい!」という楽しみが増えたこと。

それを別名「沼」とも呼ぶのでしょうが。笑

何はともあれ、大好きな役者さんがたくさんご出演の9月、今からわくわくしております。


【関連記事】
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「沼津」初心者はこう楽しんだ!〜秀山祭九月大歌舞伎(歌舞伎座) 昼の部感想