ほんのり*和もの好き

歌舞伎や文楽、日本舞踊、着物のことなど、肩肘張らない「和もの」の楽しみを、初心者の視点で語ります。

イベント

弥生・竹久夢二美術館「アンティーク着物万華鏡」展に行ってきました!


「アンティーク着物万華鏡 大正~昭和の乙女に学ぶ着こなしー」という展示に行ってまいりました!
 
▶︎弥生美術館公式サイトはこちら
▶︎Fashion Pressの記事も分かりやすいです!

これが着物を着たい欲の高まる、着物好き垂涎の展示だったので、ご紹介します!!




*開催概要


【場所】
弥生美術館・竹久夢二美術館

※隣接する2つの美術館で同時開催しています。
建物の1・2階が廊下で繋がっているので、一度入ればどちらも見ることができます。

※根津駅、東大前駅からそれぞれ徒歩7分。春日駅や上野からも、少々時間がかかりますが歩けます。


【会期・開催時間】
2019年7月5日(金)~9月29日(日)
10時から17時まで(入館は16時30分まで)

【入館料】
大人900円

*所要時間


こぢんまりとした展示室が、全部で5部屋。
私は一人でさくさく見てしまったので、1時間ほどで回りきりました。

撮影できるところや本の展示もあるので、着物好きや文学好きのお友達同士で行ったら、もうちょっとかかるかと思います。

ミュージアムショップや、併設のカフェ「港や」も素敵な雰囲気でしたが、私は時間がなくて立ち寄れませんでした。。お時間に余裕があればぜひ。


*感想・見どころ


着物って自由だな、着物って楽しいな!という喜びに満ちた展示でした!

戦前の雑誌の表紙や、文学作品の挿絵などに描かれた着物姿は、思った以上に大胆な柄や色遣い
実際に再現されたものがトルソーに展示してあるのですが、そのかわいさ華やかさたるや!

いろんな柄や色の布を半襟にしてみたり、帯で遊んでみたり…着物はわくわく楽しめるポイントが多いんですよね!
というのがとてもよく伝わってきました。

***

着物もさることながら、印象に残っているのは羽織と洋服のコーディネート。

吉屋信子の小説『家庭日記』の、嶺田弘による挿絵を再現したものなのですが、
真っ赤なタートルネックのセーターに、チェックのスカートを履き、その上にカーディガンのように大ぶりの花柄の羽織を合わせているのです。

これが抜群にかわいい!!
タートルの赤がはっきりしているからか、羽織が全く浮かずに馴染んでいました。
服装もシンプルだったので、羽織の花柄がかわいらしく見えます。

以前 東京メトロの広告で石原さとみさんが洋服×羽織ミックスをなさっていたのもかわいらしかった。
洋服に羽織を合わせるの、ありですよね!!

***

夢二の美人画は、解説にも書いてあったのですが、帯締めの結び方がかっこいい。
結び目が真ん中に来るでもなく、一思いにきりっと結んでいる感じ。
手慣れた雰囲気が出ていて素敵です。

夢二にまつわる写真を見ていると、女性たちは補整なしで着物を着ているようで、その具合がかっこいいんです。

ぴしっと締まった着方も素敵だけど、いかにも着慣れて自分の心地よいところに全てが収まっているような、そんな着方ができるようになったらいいな。

雨のときに、着物を何枚か重ねて、一番上には古着を雨コートのように着る、というのも印象に残っています。
古着の使い方、そういう手もあったのか。
何でも使うんですよね。この展示ではありませんが、腰紐もハギレを合わせて作ったりもしますし。

腰紐といえば、夢二の弟子であり恋人でもあった女性(お名前を失念)の描いた美人画に、帯の下から腰紐をのぞかせているのがあったんです。

そうか、腰紐もおしゃれの対象なのか、と。
見えないおしゃれというのでしょうか。
見えてしまったとしても、自信を持てるような、そんな気概で腰紐も締めていたのかもしれませんね。


幸田文さんの文章に、こんな箇所があります。

「すすぼけた黒っぽい着物というのを、女の子は好かない。(中略)
そんなのを着せられると、反動的に、どこかへ強い色をつけたくなる。赤とか青とかいう若い色がほしくなる。それがたすきとか腰紐とかいう形の、いともささやかなおしゃれになった。
緋とブルー、紫と黄など、小ぎれをはぎ合わせた紐が、色あせた地味な着物へ、やっと少しばかりの若さを添えるのだが、ひとには哀れにしみったれて見えようと、当人の私には、ひどく新鮮でうれしかったものである。」(「沈丁花に匂うこころ」p.80〜81、『幸田文 きもの帖』2009年、平凡社)

こんな文章を読むと、腰紐を見せている絵の中の女性の気持ちも少し見えてくる気がします。

***

さて、見えないおしゃれと言えば長襦袢です。

今回、美術館3階で「長襦袢の魅力 ~着物の下の遊び心、女心~」という展示を同時開催しています。
これがまた素敵なんですよ!そして何が嬉しいって、ここは撮影可能なんです。

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こんな色鮮やかな襦袢、もはや見せなきゃもったいないですよね!
この階に展示してある絵も、わざと襦袢を見せているものがたくさんあります。

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オリンピックシーズンに最適な、世界の名物襦袢。

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花火でしょうか。こんなのがちらりと見えたら、何て鮮やかなんでしょう。

極め付きはこれ↓

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お分かりでしょうか。
半襟・袖・胴・裾、全て違う柄です。

つまり、襟に見えるものと、袖や振りからのぞくもの、膝をついたときや走ったときに裾から見えるもの、肌ぬぎしたときに出てくるものが、全て違う色柄というわけなんです。
めちゃめちゃおしゃれ。すごい。

こんなのはもう、見せないことにはやってられないですよ!!笑

私は踊りのときに着ることが多いので、上下セパレートになっているタイプの襦袢で、下は踊り用の、タックのついた裾除けを着ていることが多いのですが、
遊びにいくときに自分の好きな襦袢を着る、なんていう日がいつか来たら楽しいなぁと思いました。

***

全体として、とにかくコーディネートがどれも斬新でかわいい。
「斬新」と書きましたが、これらが描かれたのは戦前であって、決して新しくはないはずなのです。

ルールに縛られずに、自由に着ていいんだな、と。

好きなものを、好きなように着る楽しみ。
意外な柄や色を合わせて生まれるおしゃれ。

着物の喜びはそこにあるなぁと。


着物好きはもちろんのこと、着物を着てみたいけれど、どんな着方がおしゃれなのか不安、という方にこそ、全力でおすすめしたい展示です!!!
 

郡上おどりに行ってみた!2019年夏~感想編


前回のこの記事↓の感想編です!



まず何と言っても、生演奏で踊れるのが楽しい!!

地元の盆踊りって、みんな音源がテープ(CD)だったと思います。
しかし郡上おどりは、真ん中の櫓で、その場で三味線と太鼓と歌とが演奏されているのです。

郡上やぐら

この音に合わせて、時に掛け声をかけたり一緒に歌ったり囃したりしながら、ライブ感満載で踊ります!

やっぱり生音はいい!生音は正義!!(初めて聞いた正義)

***

櫓を囲む輪の大きさにも驚愕。
交差点を中心に四方に広がるのですが、各方向に結構な長さで輪が伸びていました。
それが二重三重!たくさんの方が楽しみにしているんですね!!

前回の記事にも書きましたが、最初の一周はみなさん踊り慣れていなくて進みが遅かったこともあり、一周回るのに2時間かかりました。笑

*** 

踊れなくても全然大丈夫
 
今回はほぼ予習なし、何も踊れる曲がない状態で行きましたが、他にも初めて踊る方がたくさんいたようで、新しい曲が始まると一度輪が止まっていました。笑

輪の中や、内側のみんなから見える位置で、踊れる方がうまいこと先導してくださいます。
その様子を見つつ、見よう見まねでやってみつつしているうちに、だんだんと輪が回り始めます。

基本的には単純な動きの繰り返しなので、曲の最後の方になると何とか踊れるように。
一曲がかなり長く、同じ振りを何度も繰り返すことになるため、否応なく覚えます。
そしてだんだんトランスのようになり、最終的に何をどう踊っているか分からなくなってきます。笑 

見学だけでもあの興奮は感じられると思いますが、思い切って輪に入った方が絶対楽しいですよ!!!

***

振りで感じたのが、足の動きの多さでした。

自分が知っている盆踊りは(全然詳しくはないのですが)、手の振りが多いイメージだったのです。
しかし郡上おどりは、下駄を鳴らしたり、跳ねたり、足が結構複雑だなぁと思いました。

後から調べたら、この動きは農耕だったり馬の様子だったり、一つ一つの振りに意味があるのですね! 

ちなみに手も手でまた複雑で、特に「猫の子」という曲は、猫っぽい動きをするのがいまいち最後までつかめませんでした。笑

***

今回は20時頃から0時頃までの参加だったのですが、7曲ほど踊ることができました。
7曲をそれぞれ、ランダムにくり返し踊ります。
(全部で10曲ほどあるようです。「松阪」は最後と決まっているようですね

何せ楽しかったのは「春駒」
曲も勢いがあって好きだったし、振りは単純でありつつも思い切り体を動かせる雰囲気で、一緒になって「はるこまはるこま!」と歌いながらノリノリで踊りました。笑

曲目や振りは、こちらのサイトがとても詳しいです!
郡上八幡観光協会公式ウェブサイト

そして下駄ですよ!!
下駄の音が最高に心地よい!!

洋服の方も、下駄だけは履いている方が多く、とにかく会場全体に響く下駄の音がいい。
音フェチとしては耳だけでも大満足です!!

ちなみに、私は以前ご紹介した丸屋さんの下駄を履いていきました(この記事の下駄とはまた別のもの)。 



3時間半ほぼ踊りっぱなし、休憩を挟んでからまた踊りましたが、奇跡の靴擦れゼロです!! 
やっぱりすげてもらうと全然違います!!!

***

そんなこんなで、4時間大いに楽しんだ郡上おどり。
腕やら腰やらバキバキですが、それを遥かに上回る楽しみがありました!

次回はもう少しペース配分を考えて、適度に休憩を挟みつつ、徹夜おどり完遂を目指したいなと思っています。
観光ももっとしたい!!!

一晩しか踊っていない上に、まだ帰ってきたばかりにもかかわらず、早くも郡上おどりロスです。
すでに来年が楽しみです。笑

 

郡上おどりに行ってみた!2019年夏~予備知識編


石畳を下駄で鳴らしながら、徹夜で踊り続ける郡上の盆踊り。
400年以上の歴史を持つ、日本三大盆踊りの一つです。 

慣れぬ土地への旅の計画を立てるのは苦手なのですが、能うことならぶっ倒れるまで踊り続けてみたいという欲望を持つ者として、郡上おどりは是非とも行ってみたいものでした。

その憧れの地に、ついに!
ついに2019年!足を踏み入れることができたのですっ!!!

来年の自分への覚え書きとするためにも、ここに記録を残しておこうと思います!
(すでに来年も行く気満々) 

まずは予備知識編をば。
感想編はこちらです↓
 





*宿は取れるのか?


腰の重い私が動き始めたのは、今年4月の終わりごろ。
郡上八幡近くのホテルを、このサイトを参考に探し始めました。


ところが、すでにこの時点でホテルは全滅
空いていたとしてもものすごく高くて、幕見席にしか行けないような人間には到底手が出ず

そんなわけで、今年の敢行を諦めかけていた5月某日。

こんなサイトを見つけたのです。

ダメ元でいいから、片っ端からお電話してみよう。
一緒に行く友人と、思い切って電話作戦に出てみたところ、何とかかんとか無事に宿が確保できたのでした!ありがたい~。

聞いたところによると、郡上おどりのクライマックスである「徹夜おどり」(2019年は8月13日から16日)の日は、1年前から宿が埋まり始めるのだそうです。
(詳細は分かりませんが、開催年の春先から予約を開始するところもあるようです)

みなさん長期計画なんですねぇ。

確実に行きたければ、地道にいろいろなところにお電話してみるしかないかと思います。


*東京から郡上八幡へのアクセス


私たちはこんな感じで乗り継ぎました↓

【行き】

東京
 
↓(JR東海道新幹線)

名古屋

↓(特急ワイドビューひだ)

美濃太田

↓(長良川鉄道)

郡上八幡

【帰り】

郡上八幡

↓(長良川鉄道)

美濃太田

↓(JR高山本線)

岐阜

↓(JR東海道本線)

名古屋

↓(JR東海道新幹線)

東京

時間帯や日にもよりますが、4時間半から5時間ほどかかります。

「特急ワイドビューひだ」は、途中で窓から見えるお城や川の説明のアナウンスが流れます
旅気分が高まるのはもちろん、この説明の日本語が美しいのでぜひ耳を傾けてみてください。

長良川鉄道景色が広々としていて、のんびりと過ごせます
1時間半ほど乗りますが、車窓を楽しみましょう!

ちなみに今回は台風を避けるため、帰りは朝早く長良川鉄道に乗ったのですが、朝日を浴びた森の美しさたるや!
頑張って早起きした甲斐がありました!感動。


*おどり会場近隣の観光スポット


今回は観光に時間を割けず、限られた場所しか回れなかったのですが、感じたのは郡上の水の美しさ、街並みの趣き。

今回訪れたスポットをご紹介します。 

※郡上八幡城は明らかにベストオブ観光名所なのですが、今回まさかのパス。来年こそ!! 

・やなか水のこみち
 
市街地を町の中心部方面に向けて歩く途中、右に入るとあります。
写真を撮り忘れましたが、水がとにかくきれい!
足をつけられるので、暑い夏はとても気持ちがいいです!!
裸足で行くのをおすすめします

・いがわこみち
 
水路沿いの細い道。
元は江戸・寛文年間にできた用水だったそうです。
 
こんな素敵な道です!

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木漏れ日がいい感じ。木陰なので比較的涼しかった気がします。
涼しげな浴衣に下駄で佇んだりなんかしたら非常に風情がありますね!!
 
美しく丸々太った錦鯉がたくさんいました。餌も買えます。

・古い町並み
 
城下町プラザ(後述)を挟むように、昔ながらの建物が並びます。

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郡上八幡城の城下町で、「国選定重要伝統的建造物群保存地区」に選定されているようです。

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趣があって素敵! こういう風景に目がないのです。

・城下町プラザ
 
お土産物がたくさん並ぶお店です。
表に野菜が冷やしてあったりして、かき氷もあって、とても魅力的でした!

今回の旅のお土産は全部ここで購入。何だかお土産を買う先が多くてですね…

ちなみにここにはバスの発着所や大きな駐車場もあって、町の中心という感じでした。

※郡上の市街地にはコミュニティーバス「まめバス」(運賃100円)が走っています。 
お盆期間中は時刻表が変更になっていることもあるようなので、バス停の時刻表で確認を!

▶︎まめバスの地図と時刻表はこちら


*踊る服装は?


さて、踊りは夜20時頃から始まります。
いざ!となったときの服装に迷う方も、少なくないのではないでしょうか。

結論として、洋服の方もたくさんいらっしゃいますが、やっぱり浴衣に下駄だと俄然雰囲気が出ます!

なぜならば、郡上おどりには下駄を鳴らす振りがとても多いのです。
大勢の下駄の音がチャッと揃うと、なかなか快感なのです。
その音を自分も鳴らしたくなるに違いない!笑

洋服参加でも、下駄はあると良いと思います。で、下駄を履くと浴衣を着たくなるという。笑 

下駄屋さんは踊り会場付近にもちょこちょこあるようなので、ぜひその場ですげてもらいましょう~!
市販の下駄をそのまま履くのでももちろんいいと思いますが、下駄屋さんにすげていただくと靴擦れしにくいですよ! 

そして!

鞄はショルダーやポシェットを持ち歩くのをおすすめします!!

貴重品と水分、これは持ち運ぶのが賢明です。
ショルダータイプなら踊りを邪魔せずに荷物を持ち運べます。


*荷物はどうするの?


貴重品や水分など、持ち歩きたい荷物は上記のようにショルダーバッグにまとめていたのですが、
加えて私たちは、小さな椅子(アウトドア用のものなど)を会場近くに置き、ショルダーに入らなかった飲み物やら、靴擦れ(下駄の鼻緒で)のときに履き替えるサンダルなどを置いておきました

ただ水分に関しては、絶対に持ち歩く方がいいです!!
盆踊りの輪が大きすぎて、元いた場所に戻ってくるまでに最初は2時間ほどかかったので、なかなか取りに行けない可能性があります。(もちろん輪を抜けて戻ることは可能です!)

 

*踊り疲れたらどうすればいいの?


上記のように持参の椅子で休む手もありますし、この時期は踊り会場近くのお店が結構開いています!

私たちは一度カフェでひと休みしましたが、他にもかき氷やジェラートなど、いろいろ魅力的なお店がありました

少し離れると出店もたくさん出ているので、いろいろ回ってみるのもいいですね!

他にも休憩所が開放されているようなのですが、すみません、ここはノーマークでした。。 


***

さて、長くなってしまうので肝心の感想編は記事を分けます!
大興奮の郡上おどり、満喫いたしましたよ!

▶︎感想編はこちら


「日本の素朴絵」展@三井記念美術館に行ってきました!


久方ぶりの更新になってしまいましたー!!
8月に入っちゃいましたよ…納涼歌舞伎が始まってしまう…

物知らずも7月分以来更新していないまま、ついには10月の芸術祭の情報まで出てしまったわけですが、めげずに歌舞伎ではない記事を更新します。笑 

はい、行ってきました。
「日本の素朴絵」展!

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素朴なゆるいタッチの立体作品・絵画作品を集めた、目の付け所の楽しい企画です。

▶︎三井記念美術館のサイトはこちら
▶︎展覧会公式サイトはこちら

*** 

会場のそこここから笑いが漏れ聞こえてくる、温かみのある展示。
私は金夜に行ったのですが、平日に疲れた心をじんわり溶かしてくれるような内容で、ちょっと癒されました。笑

金曜日のみ、17:00から18:30までの入館が1,000円と、通常より300円お安くなっています 

印象に残っているものをいくつか。
画像は載せられないので、どこまでお伝えできるか分かりませんが。。


*小さい仏像

白鳳時代から平安時代のものが主でしょうか。

名前のついた有名な仏像じゃなくて、手のひらに乗りそうなくらいのサイズの仏像が割と好きです。
どこに置かれていたのか分かりませんが、誰かの信仰は得ていたはずの小さな仏さまたち。
どれもとてもいいお顔をしているのです。

確かに表現としては素朴で、拙いところもあるのかもしれませんが、だから劣っているとは思えず。
むしろそういう姿だからこそ、身近な拠り所となり得た部分もあるんじゃないかと思います。 


*つきしま絵巻

もうこれはすごい。すごいとしか言いようがない。
独特なふんわりタッチの人物たちが、これでもかと登場します。

絵のレベルで言えば、何と言いますか、授業中の落書きと言いますか…
その割に、着物の柄なんかにはこだわりも見られて。結構凝っている。

あの画力で見事に描き切ってしまう、その力技が圧巻です。  

冷静な解説の文章も秀逸でした。笑

ちなみに、当然この物語自体は文字で書き残されていて、絵はあくまで挿絵なわけなのですが、字の方は書き慣れた読みやすい(たぶん)字でした。
字を書くのと絵を描くのは、やっぱり全然違うことなんですね。
 

*勝絵/海幸山幸の絵
 
両方とも題名を忘れてしまったのですが、この二つの絵巻はもう、やられます
 
うわぁこの絵にこんなにスペース使っちゃって!という感じでのびのびと描かれた絵。
内容はさることながら、堂々たるものです。 

想うままに描かれた風情で、巧まれていない分、破壊力があります
衝撃が走りました。
 

*くたへ(=件)
 
内田百間の小説で有名な、想像上の動物「件(くだん)」。
牛の胴体に人間の顔がついていて、人々に何らかの予言をもたらした後、数日後に死んでしまうという不気味な生き物です。

これが、何と展示にあったのですよ。

ぬらっとしてぶっきらぼうに描かれた黒い胴体に、のぺっとした女性の顔がついてるんですよ。

何かこう、リアルに描かれるよりかえって怖い
夢に出そうです。。


*なかきよ

「長き世の 遠のねぶりの みな目ざめ 波乗り舟の 音の良きかな」という、上から読んでも下から読んでも同じになる歌があります。
新年は、この歌が書かれた宝船の絵を枕の下に入れて寝るという、吉夢を見るおまじないがあったようですね。
長唄「宝船」も、この歌に始まってこの歌で終わります。

で、この歌の書かれた絵(16世紀だったか)があったのですが、これがなぜ印象に残っているかというと、歌が知っているものと違ったんです。

「とおのねぶりの」が「とこの(床の?)ねぶりの」になっていて、
当然「おとのよきかな」は「ことのよきかな」に。

まぁそれでも何となく意味は通じるかなぁとは思うのですが、いろんな伝承があったんですかね…?

絵自体よりも、歌の異同が気になってしまった作品でした。 


*雲水托鉢図

展示の後半は、本来であればちゃんとした絵が描ける人たちの、あえての素朴絵。
南天棒の「雲水托鉢図」も、その中にありました。
 
托鉢をするお坊さんたちが、ゆるやかなカーブを描いて並んでいます。
その表情が何とも愛嬌たっぷり!
これはもう、どんなグッズにしても絶対にいい感じになる作品だと思います。 

思わず、

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買っちゃいました。やっぱり。

裏はこんな感じ。

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何も入れていないと裏が透けるの、かわいいですよね。
ちなみにこのファイルはA5です。チラシを半分に折って持ち帰るのにちょうどいいサイズ。 

***

ここに書かなかったものも、いろいろ印象に残っています。
顔がないのに表情豊かな付喪神、守備力のなさそうな狛犬、どことなくシュールな地獄絵図。。 

後半の展示以外は特に後世に残った絵師ではないはずですが、こんなに印象に残る絵を描けるのは、それはもう立派な絵師であると言って良いのではないでしょうか。
むしろ「素朴絵師」という新しい職種名を名乗っていい気がします。

「美術館」というとどうしても「理解しなきゃ!」「良さを分からなきゃ!」という気持ちが生まれてしまうのですが(本来全くいらない力みではありますが)、
この企画に関して言えば、やわらかな心ひとつあれば十分に楽しめるかと思います。

素朴絵、いい企画でした!


***

余談ですが…

三井記念美術館は、東京駅や神田駅、日本橋駅、三越前駅などから歩ける、東京のど真ん中のような場所にあります。
周りの建物も立派で趣があるところばかりで、街歩きも楽しい!
アンティーク着物なんかがとても似合いそうです。

展示室に上がるのはこんなエレベーター。

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素敵ー!!!!

こっくりとした木の壁の展示室も重厚感があります。
建物だけで、私は十分にテンションを上げることができました。笑
 


「浅草今昔きもの大市」に行ってまいりました!


ずっと行きたい行きたいと思いつつ、なかなかタイミングが合わなかった「今昔きもの大市」。

今回は幸いにも連休をいただいていることもあり、かつ浅草という行き慣れた場所だったので、やっと参加することができました!うれしい〜!

想像以上にとても楽しいイベントだったので、早速レポートします!




■開催概要


★詳しくは「台東館」のイベント情報もしくは公式サイトへ!

日程:5月3日(金)〜5月5日(日)
時間:10:00〜17:00 ※最終日は16:00まで
会場:東京都立産業貿易センター 台東館 4階南側

※入場無料です。

仲見世通りから雷門向かって一本右の「観音通り」を直進すると、左手に浅草寺の「二天門」が現れます。
そこを右折して通りを渡ると、真正面が「東京都立産業貿易センター 台東館」です。

もしくは、神谷バーの角を回り込んだ「馬道通り」沿いに歩くのも(むしろこっちの方が)分かりやすいかと。「台東館」はこの大通り沿いにあります。


■会場の様子


*何を売っている?


着物にまつわる様々なものを売っていました!

これからの季節にぴったりの夏物や夏用の襦袢、浴衣、単衣はもちろんのこと、
袷のお着物もたくさんありましたし、振袖なんかも結構見かけました。

帯も袋帯から名古屋帯(夏物もたくさん)、半幅帯まで品揃え豊富。

帯締め、帯揚げ、羽織紐にアクセサリーと、小物も充実!

羽織もありましたが、夏用は少なかったように思います。

*価格帯は?


まちまちです。

500円前後の小物や、1,000円着物・帯のコーナーを設けているところもあれば、本当に良いものを扱っているところもあり。

普段いただきものかリサイクルでやりくりしている私としては、手の届きやすい価格帯のものがかなり多く、悪魔の囁きが何度も聞こえました。

*試着はできる?


もちろんできます!

お店の方に断るのはもちろん必須だと思いますが、会場内に何箇所も茣蓙のようなものが敷いてあり、そこで実際に羽織ってみることができます

着物も洋服もそうですが、実際に着てみないと分からないことって結構あると思うのです。
サイズ感、色味、顔映り、リサイクルのものだと目立つ位置にシミがないか、などなど。。

多くの方が入れ替わり立ち替わり試着をしていたので、臆せずに着てみた方が良いですね!

と、過去の自分への自戒を込めて。笑

*何店舗くらいあるの?


今回は22店舗のようです。
写真を撮るのを完全に失念してしまいましたが、会場ぐるりが着物だらけで眼福ですよ…!!

*所要時間はどのくらい?


私の場合を申し上げますと、二人で参加したのですが、
全店舗回り、あれこれ迷い、好きなお店の大量の帯を全て見て…と楽しんだ結果、

2時間半はあっという間に経っておりました。
もうちょっといられた。

目当てのお店がある、一人でさくっと見て帰る、などであれば如何様にも短縮できると思いますが、楽しもうと思えばいくらでも楽しめる場所です。笑


■本日の戦利品


ちゃっかり買ってしまいましたよ。
そりゃあ無理ですよ、あんなにかわいいものに囲まれた空間で。。

まずは「開好堂」さんにて、夏用の博多!

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手持ちの夏着物と浴衣に合わせやすい色かなぁと思いまして。
会場にある着物で、手持ちのものに近い色のものにあれこれ合わせてみて決めました。

購入前、シミがあったので、会場の試着スペースで軽く試させていただくことに。
(撮影者の写真の腕の問題で色味が全然違いますが、上の写真が正しいです。。)

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このシミがどうしても正面に来てしまい、うーんやっぱり諦めようか…と思っていたのですが、
ふとこの部分を裏返してみると、

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シミがない。

もしかして、

関西巻きなら使えるのでは?!

「関西巻き」は、帯を時計回りに巻いていく締め方で、私はいつも反時計回りで締めているので逆巻きにはなるのです。
でも、リサイクルで出てくる名古屋帯だとこの「関西巻き」の折り目がついているものもあったりする。
いずれどっち回りにも巻けた方が便利に違いないので、関西巻きを習得する良い機会にもなるなぁと

そんなわけで1,000円にてお家に来てもらうこととなりました。これからよろしくね。

***

それから同じく「開好堂」さんにて、紬の単衣。3,000円。

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かわいい〜さわやか〜!!

裄も身幅も十分だったので、お稽古でも着られるなぁと思いつつ、
汗まみれにしてしまうのももったいないので、まずはお出かけで気軽に着ようかなと思います。

さっきの帯とも相性抜群。

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単衣は何だか時期が難しいんですよね。。
でもこの記事に書いた半衿付きのスリップも今年は強力な味方となってくれるはずなので、
単衣の時期もガンガン着られたら嬉しいなぁと思います。

***

最後は「まる福」さんの、絽の半衿!500円!

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やわらかいお花柄。
見えるのはほんのちょっぴりですが、浴衣にしろ夏着物にしろ、あの繊細な生地からちょこん、とこの色が覗くと思うと、何やらわくわくしてしまいます。

絽の半衿、他にもたくさんあって迷いに迷いました。。
迷う時間もまた幸せ。笑

■感想


今回出店されていたお店は、普段行ったことがないところばかりで、何だかどこも雰囲気が目新しくてテンションが上がってしまいました!

会場にいらしている方の着こなしもおしゃれで、すれ違う方のお着物を見ては「今の方のかわいい!」「素敵な着方…!」 と感動しておりました。笑

このような着物イベントに初めて足を運んだのですが、何かしら目的を持っていかないと危険ですね。
「うっかり買ってしまう」という最も避けたい事態が容易に起きる、充実の着物空間でした。

またお財布の紐をゆるめられそうな時期が来たら、是非とも参加したいイベントです


 
プロフィール

わこ

◆首都圏在住╱平成生まれOL。
◆大学で日本舞踊に出会う
→社会に出てから歌舞伎と文楽にはまる
→観劇2年目、毎月何度か劇場に通う日々。
◆着物好きの友人の影響で、着物でのお出かけが増えてきた今日この頃。

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