ほんのり*和もの好き

歌舞伎や文楽、日本舞踊、着物のことなど、肩肘張らない「和もの」の楽しみを、初心者の視点で語ります。

日舞あるある

日舞あるある④お扇子のいろいろ

日本舞踊の漫画、くらの先生による『さんさん桜』という作品に、お扇子にまつわる小ネタがちょこちょこ出て来たのですが、
それが「あるあるー!」と共感することこの上なかったので、触発されてこんな記事を書かせていただきました。

※『さんさん桜』に出てくるネタは極力除いています。

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1.お扇子が開けられない


これ、まさかという話なのですが、
始めたばかりのころはどんなにゆるいお扇子(※)でもなぜか開かないんですよ。

先輩方は何でもないように開けるのに、自分は持つ位置を変えてみたり押す場所を変えてみたりしながら悪戦苦闘。

多分角度と握り方の問題で、すんなり開けられる人もいるのですが、私は相当危なっかしかった

片手で開けられるようになるまでには少々かかった気がします。
初めてすんなり片手で開けられたときは嬉しくて、何度も開け閉め開け閉めしてしまいました。笑

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片手で開けたよの図。

(※)ゆるいお扇子
買ったばかりのお扇子は、要(かなめ:お扇子の全ての骨を止めている小さな釘)がしっかり締まっているので開けるのがやや固いのですが、使っていくうちにだんだんゆるんできて、そのまま放っておくと踊りながらお扇子が閉じてきてしまうほどに…。
購入したお店に持って行けば、職人さんが要をきっちり締め直してくださいます。使い心地は新品のように快適になります


2.「ざらり」でやらかすあれこれ


「ざらり」というのは、お扇子を開けるときの音。
片手で「ざらっ!」とお扇子を勢いよく開く、よく見る華やかなアレです。

この「ざらり」、初めてのときには当然ながらどうにもお扇子が開ききらず(今でも最後まで開かないことはしょっちゅうあるのですが笑)、
先輩を掴まえてはアドバイスをいただきながら、何度も練習しました。

これ、先に述べた「要がゆるむ」要因の最右翼なんじゃないかと。笑

そしてこの「ざらり」で、上手くお扇子が開ききらないままお扇子を投げると最悪です。

お扇子が開ききっていないということは、お扇子全体の重みのバランスが悪いということ。
その状況で投げたらどうなるか、想像に難くないでしょう。

はい、変なところに無様な落ち方をします

一度本番でこの失敗をやらかし、今でも悔いています…

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「ざらり」で開ききらなかったよの図。
紙が重なっているこちら側が重くなってしまうので、
この状態で投げるとお扇子が一気にバランスを崩します。。



3.「変な折りグセ」という絶望


買ったばかりのころから丁寧に開け閉めしていたはずなんですよ。
なのにですね、

突然変な折りグセが出現するんです。何が悪かったのだろうか…

お扇子を閉じるときの最後の一枚が、なぜだか逆にたたまれてしまうのです。

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この最後の一枚が、なぜか逆の方向に蛇腹折りに…

踊りの最中に開け閉めすることが多いため、一度このクセがついてしまうとどんどんその折り目が強化されていってしまうという悪循環。

お稽古中にこうなってしまった人を見ると、稽古場一同「あぁっ!」と絶望的な声を出します。笑

最後の一枚は、よくよく心して閉じないといけませんね。。


4.落としたり飛ばしたり


「お扇子を投げる」という振りが入ると、大概の人は落とします
何人かで一緒に踊っているときに一斉に落としたりすると、見ている側も踊っている側もつい笑ってしまう
お稽古を見ている方も「落とすだろうな」と分かっているので尚更おもしろいのです。笑

「落とすだろうな」と思う、ということは自らにも覚えがあるからで、
投げたあとに落とすのはもちろんのこと、予想外のタイミングでうっかり落としたり
くるくると回している間にふっとばしてしまったりということが何度もあるわけです。

その辺がお互いに分かっているので、お稽古でうっかり落としたり飛ばしたりしてしまったときは、お互い気兼ねなく笑っています^^


5.まとめ


日本舞踊に欠かせないお扇子。
よく使うからこそ、あるあるネタは山ほど出てきます。
特に初心者はまだお扇子と仲良くなれていないので、お扇子にまつわる失敗がものすごく多いのです

日々精進あるのみですね!引き続き頑張ってまいります。

日舞あるある③誤解を招く会話


サークル時代も、今のお稽古場でも、
お稽古前後にときどき
こんな会話が交わされます。

「私、初めての男なんでとまどってるんです…」
「分かる!私も男の経験少ないから不安!」
「私は久しぶりの男だから…」

はい、聞き捨てならないですね。

この会話、別に恋愛の話じゃないんですよ。

男の踊りの話なんですよ。笑

日舞を習い始めるとき、
(少なくとも私の知っている流れでは)まずは女の踊りを習って、
何曲か女を踊ってから男の踊りに挑戦するのですが、

足を開いて踊るなんて初めてで、
戸惑った覚えがあります。

そして、男の踊りを何曲か習ったら
今度はまたしばらく女だったりする。

そうすると男踊りの体の使い方をすっぽり忘れます。

久々に男の踊りを教えていただくと、
またゼロからやり直すような、
手探りな状態でふたたび男と向き合うことになるのです。。

「久しぶりの男」というのはこれです。

そんなわけで、
特に踊りを始めてからそれほど年数が経っていない仲間内では、
この「男」というワードが頻出する会話で盛り上がるのです。

そして大体
「誤解されるからこの話は外ではできないね!」
という結論で終わります。笑 

なかば、その誤解を招く表現のおもしろさに
あえて男おとこ言っている部分もありますけどね!

お稽古場には日々笑いが絶えません☀


日舞あるある②走れない

体育は苦手で、
運動音痴的な意味で 走るのは嫌いでしたが、

まさか日舞で走るのに苦労すると思わなかった…

結構「走る振り」ってあるんです。
何気ない瞬間、見ている方はおそらく意識もしない場面なのですが、

走って出入りすること、多いですよね。

あれに度々泣かされてます……
 

例えば、役による走り方の違い。

女の子が走るのか、大人の女性なのか、
はたまた丁稚奉公の男の子なのか。

丁稚走りはとにかく苦労したし、
今でも実はよく分かりません。

幼い役だから足を上げて、軽やかに走ってくるんですが、
地面から両足が離れる瞬間は一度もない

腰を落として、上下動しないように、
なおかつ軽やかに。

…その二つって共存するんだろうか。(泣)


それから履き物。

草履はまだ履いたことがなく、
裸足でも踊ったことがないのですが
(基本足袋でしか踊ってない)

下駄ととにかく仲良くなれなかった。

もともと足首が固く、
うまく腰を落とせないところを
無理に重心を下げていたので、

私の姿勢はバランスが非常に悪かったのです。

下駄がその汚点を拾う拾う。

下駄って全面が地面についているわけではないので、
ちょっとでも重心が狂うと
前後にカタンカタン傾いてしまう
んです。

でも、下駄のおかげで
以前より少し、重心の位置が定まった気がします。
なかば荒療治というかなんというか…

 

一見なんてことはなさそうな「走る振り」、
実は非常に奥深く、苦心するのでした。


日舞あるある①「私いまどっち向いてますか…?」現象

始めたばっかりの頃から
7年目に入った今でも、
お稽古でしょっちゅう陥るワナがあります。

それが、

「私いまどっち向いてますか…?」現象

首を振ったり曲げたりすることがとても多い日本舞踊、
「首振り三年」というくらい首の振り方や向きは大事なのですが、
 

自分の体でありながら、
 
どっちに首が曲がってるのか分からない。
 
いやいやそんなわけ…と思うかもしれませんが、
これ、稽古場だと全員うなづきます。


踊りの稽古は鏡を使いません。

先生が隣や前で踊ってくださるのを、
見よう見まねで一緒に踊って振りを覚えていきます。
(前で踊るときは、先生は鏡、つまり左右反転で踊ってくださいます。すごい…)

必死で先生を見ながら踊っているうちに、

自分がどっちに首を曲げているか分からなくなるんです。


先生に「お首は右よー!」と言われて
「はいっ!」と元気に答えたあと、

どんどん反対に曲げていく人のなんと多いことか。

かくいう私もその一人です。

いつか分かるときが来るのかしら。。

***

余談ですが、先日のお稽古で
「やっと少し首が振れるようになってきたね」と言われました。
頑張ろう7年目。 
プロフィール

わこ

◆首都圏在住╱平成生まれOL。
◆大学で日本舞踊に出会う
→社会に出てから歌舞伎と文楽にはまる
→観劇2年目、毎月何度か劇場に通う日々。
◆着物好きの友人の影響で、着物でのお出かけが増えてきた今日この頃。

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