ほんのり*和もの好き

歌舞伎や文楽、日本舞踊、着物のことなど、肩肘張らない「和もの」の楽しみを、初心者の視点で語ります。

文楽

「団子売」「菅原伝授手習鑑」(文楽鑑賞教室@国立劇場)観てきました!


今月一番楽しみにしていた予定かもしれない。笑

国立劇場の「文楽鑑賞教室」に行ってきました!

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プログラム表紙は「菅原伝授手習鑑」の松王丸です。 松のお着物。
 
とってもとっても楽しくて素晴らしい時間だったので、
順を追って感想を語ります!!
 
その前に…

◆文楽鑑賞教室とは◆


太夫・三味線・人形それぞれの魅力を実演を交えて紹介する「解説 文楽の魅力」と、文楽を代表する名作を合わせて観ることができる企画です。
基本は初心者向けですが、文楽好きの方も結構いらしているようでした。
以下、ちょっとした情報をまとめておきます。

■公演プログラム
無料でいただけます!そして内容も十分充実しています!!
あらすじと配役はもちろんのこと、使う首(かしら、人形の顔の部分)、床本(台本)まで記載。さらに太夫・三味線・人形の解説も載っています!

■イヤホンガイド
450円+保証金1,000円で利用できます。(この1,000円は利用後に返金)

■字幕
舞台上方中央に一箇所、字幕が出ます。観劇の助けになります。

■服装
洋服の方もたくさんいらっしゃいましたし、着物の方は紬や小紋、アンティーク調の方まで比較的自由だった印象です。
 






1.団子売


私はとにかくこの曲が好きなんですー!
もう幕が開く前から一人でテンションが上がってしまって、
曲が始まるとまたつい体が動きそうになってしまって。笑

楽しく始まり、伸びやかな部分を挟んで、華やかに楽しく終わる、舞踊中心の演目です。

その名の通り、町中で団子を搗きながら売り歩く夫婦・杵造お臼(名前も面白い)が、おめでたい歌詞に合わせて踊ります。 

太夫四人、三味線四人という編成。
太棹三味線のあの独特な音がこれだけの厚みをもって届くと、体まで響いてわくわくしますね!

最初は夫婦が二人で餅つきの様子を見せ、
男(杵造)の一人踊り、女(お臼)の一人踊り、と続いて、
最後は二人で一緒に引っ込んで幕です。

この一人踊りがそれぞれ良いんですよ!

まず杵造の方は、ゆったりとした音楽。
途中でひょうきんな格好で止まったりして楽しい

ここの太夫さんは基本一人で歌う(でいいのでしょうか?これもやはり「語る」?)のですが、合いの手(「とこせ、とこせ」というところ)は全員です。
良い声が四人揃うと圧巻です。

そしてお臼の一人踊り、ここから曲調ががらりと変わります。
囃子が入り、歌も三味線も全員参加で、テンポも上がって、本当に華やか!
私がこの曲で一番好きなところです✨ 観ている方もつい音楽に乗ってしまいます。

そして、この楽しい気分のまま二人が引っ込み、幕となります。

この曲を生で聴ける嬉しさに、数日前からうきうきしておりました。笑


2.文楽の魅力(解説)


冒頭にまとめましたが、ここでは<太夫><三味線><人形>の方が、それぞれ実演を交えながら解説してくださいます。
Bプロのご担当は、豊竹靖太夫さん(太夫)、鶴澤友之助さん(三味線)、吉田玉翔さん(人形)。

どこをとっても非常に興味深いお話だったのですが、特に印象に残っていることを二つ。

まず、三味線の役柄による弾き分けのお話。

女性の登場によく使われる旋律があるのですが、その女性が娘なのか姫なのかによって、弾き方を変えるそうです。
娘なら、小走りに待ち合わせに向かうような感じ。
姫だと着物を引きずっているのでそうもいかず、自然と弾き方もゆっくり、高貴な感じになります。
知ってから文楽を観ると、一層楽しめそうです。

それから、人形を遣うときのサインのお話。

一体の人形を三人で遣うのですが、動きを合わせるのに声で合図を出すわけにはいきません。
そのため、主遣い(かしらと右手を遣う人)が、人形の首と肩、それからご自身の腰で、左遣い・足遣いにサインを出すのだそうです。

実際、その場で玉翔さんがやったどの動きにも、お二方が完璧に合わせていらして感激でした!

その他の場面においても、とにかく人形さんたちの息ぴったり具合がさすがの一言。笑

全体を通してみなさまとてもお話上手で、笑いどころがたくさんでした!
貴重なお話をこんな気軽な雰囲気で聴けるのは、何ともありがたいことですね😁


3.菅原伝授手習鑑(寺入り・寺子屋の段)


文楽といえば!というくらい有名な演目。文楽三大名作のひとつです(他二つは「仮名手本忠臣蔵」「義経千本桜」)
テレビで観る機会も比較的多いのではないかと思います。

忠義と親心との間で思いを語る松王丸・千代夫婦にぼろ泣きでした…

ものすごくざっくりと筋をたどりながら感想を。
松王丸については思いが強すぎるので、別枠で語りますね。笑

***

※途中 現代語にしてある台詞は、筆者の意訳です。 

武部源蔵夫妻が営む寺子屋に、小太郎という男の子が入門してくるところから始まります。

この場面、手習子(寺子屋の生徒)たちがいたずら盛りでじっとしている瞬間がほぼなく(笑)、微笑ましいです。

さてこの小太郎、母親・千代に連れられてやってきます。
自分をひとり、寺子屋に残して出掛けようとする千代に、小太郎はすがる。
そして千代がそれを叱りつけるという、現代でも幼稚園なんかでよく見る光景なのですが、

後から考えるとここだけで泣けるくらい辛い場面なんですよね。。

この家に匿われている菅秀才菅丞相の息子)が敵方である藤原時平に追われているため、
菅秀才の身代わりとして、この小太郎の首が差し出されるのです。

そのことを心に決めた源蔵夫婦の元に、時平方の春藤玄蕃松王丸がやってきます。
菅秀才の首を出せ、というのです。 

この玄蕃登場時、三味線の迫力に「ついに玄蕃が来てしまった…!」とこちらまで冷や汗。笑 

まずは寺子たちの中に菅秀才が混ざっていないか、手習子たちが一人ひとり顔を確認されます。
このシーン、手習子たちの見せ場ですね~!
一人ひとりとても愛くるしい。一人だけ年長者の「よだれくり」も楽しいです。笑

手習子全員の確認が終わると、いよいよ菅秀才の首を差し出さなければならない場面。

実際に殺されるのは菅秀才ではなく、先ほど入門したばかりの小太郎です。

この場面は、とにかく音が凄い。緊迫感が凄い。
語りと三味線が怒涛の勢いで、思わず体に力が入ってしまいます。舞台上の緊張が伝染します。

そして松王丸の前に差し出される、小太郎の首。
菅秀才の顔を見知っている松王丸のこと、身代わりで違う首を出したとばれたら、源蔵夫婦は一巻の終わりです。

一か八かの源蔵夫婦。

しかしどうしたことか、松王丸は「菅秀才の首に間違いない」と言い渡すのです。

差し迫った危機はひとまず脱した源蔵夫婦でしたが、
ここでまた新たな試練が訪れます。

小太郎の母、千代が帰ってきてしまったのです。

「息子を迎えに来ました、やんちゃしてご迷惑をかけてるんじゃないかしら」
と、どこにでもあるような母親のひと言。

全てが終わってしまったあとに聞くと、何と切ないんでしょうね。

事が露見しては大変と、千代をも切りつけようとする源蔵。
しかし、ここからまた事態は急展開を見せます。

実はこの千代、はじめから息子を菅秀才の身代わりにさせるために寺入りさせたのです。

再びこの家にやってきた松王丸も、実は千代の夫であり、小太郎の父。
時平に仕えてはいますが、菅丞相に受けた恩に報いたい一心で、我が子を身代わりに立てたのです。

ここから先、もう床本を読んだだけでも泣いてしまう…

先ほどの寺入りの場面についての千代の、

「いつにない後追うたを、叱つた時の、叱つた時の、その悲しさ」

という台詞、 

我が子・小太郎が身代わりとして最期を迎えたとき、笑って潔く首を差し出した、という様子を源蔵から聞いた松王丸の、

「アノにつこりと笑ひましたか、(中略)出かしおりました。利口な奴、立派な奴、健気な八つや九つで、親に代はつて恩送り」

という台詞。 

松王丸は、「息子が笑顔で身代わりとなった」と聞いて、一人、しばらく笑うんです。
笑うしかないんです。じゃないと絶対、大きな声で泣いてしまうに違いない。
しばらく笑ったあと、涙を拭うのです。 

このあたりがもう、もう……。

最後の最後、息子である小太郎の野辺送りのときの詞章は「いろは送り」といって、いろは歌になぞらえて亡き子への思いが語られます
寺子屋の場面に合わせたものですが、寺子屋に一日といることができなかった小太郎を思うと、悲しいですね。

***

【松王丸のこと】


私はこの公演、桐竹勘十郎さんの松王丸が観たくてチケットを取ったようなものでして。
歌舞伎にしても文楽にしても、極力フラットに観ようとは心がけているのですが、勘十郎さんはちょっと避けられません。笑 

やっぱり観てよかった。

松王丸の登場の場面、病みついているという設定もあって、首くらいしか動かさないのですが、
もうそれだけで周りの登場人物たちを圧倒するんです。

手と、首と、胸の動きの確かさというか説得力というか…
安易に言葉にしたくないくらいですよね。

どの場面だったか、小太郎が自分の息子であるのを明かしたあと、その場にいない我が子をいとおしむ表情とか、
「アノにつこりと、、」のあたりでの笑い泣きとか、
どうしようもなかったです。

初めて観た文楽で勘十郎さんの人形に受けた衝撃は、やっぱり間違っていなかったな、と毎回思います。 
この記事で「知盛」を遣っていらっしゃった方です。)


4.まとめ


「鑑賞教室」は初心者向けですが、最初の文楽にこんな豪華なものを観ることができたら最高です。

楽しい舞踊と気さくで分かりやすい解説、重厚で濃密な名作。
一度でこんなに楽しめる公演はなかなかないと思います。

文楽に興味があるけれどまだ行ったことがない、という方は特にぜひ!ぜひ行ってみていただきたい公演でした!!

物知らずが行く文楽〜12月文楽公演(国立劇場)〜


★2018.12.09追記★
ごめんなさい、間違えておりました!
「鎌倉三代記」と「伊達娘恋緋鹿子」は、昼の部・夜の部ではなく一回の公演でどちらも観られます!誤った部分の文章を訂正いたしました。
大変申し訳ございませんでした。以後、情報の吟味を一層徹底してまいります。 


歌舞伎では3回ほど「物知らずシリーズ」を更新してみているのですが、
このほど文楽版も作ってみました。

国立劇場の公式サイトには
すでに12月文楽公演のあらすじ(PDF)も出ているので、
このブログではとにかく
文楽歴約1年の初心者が
どの程度の知識で文楽を観にいっているのか

というところに焦点を当てて書いていくつもりです。

「文楽に興味があるけどなかなか踏み出せない」という方の背中を、
無知を以って一押しするお手伝いができれば、
と僭越ながら存じております。

***

さて、歌舞伎と文楽のどれを選ぶか
迷いに迷っていた12月ですが、
私、決めました。

12月は文楽に行きます。

歌舞伎は、歌舞伎座の幕見を厳選して一幕か二幕だけ。

この決定に至らしめた心の内と、
いつも通り薄っぺらな知識を、
ここにさらけ出したいと思います。





■国立劇場 12月文楽公演の演目は?


12月の文楽公演。
演目は以下の通りです。

鎌倉三代記(かまくらさんだいき)
 局使者の段
 米洗いの段
 三浦之助母別れの段
 高綱物語の段

伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)
 八百屋内の段
 火の見櫓の段


いずれも無理なく読める題名ではありますが、
「恋緋鹿子」を「こいひがのこ」と読むのに
ちょっとした努力がいりますよね。。 


■各演目について、現時点での知識


どちらの演目も
「題名は聞いたことがある、ような気がする」
という感じです。

が、

あらすじを見てみると、
どちらにも何となく知っているワードが出てきました! 
 

◇鎌倉三代記


「時姫」という登場人物は知っています。

歌舞伎で「三姫」といって、
お姫様役の難役三つのうちの一つが
この「時姫」
なのです。

歌舞伎公式総合サイト「歌舞伎美人」(かぶきびと)にも
「赤姫」という項目で「三姫」の説明が載っています。

「鎌倉三代記」は観たことがないのですが、
登場人物の名前を一人でも知っていると
安心感はあります
よね。


◇伊達娘恋緋鹿子


「お七」「八百屋」「火の見櫓」というワードから
もしかしてあの話…?!
というのが頭に浮かんでおります。

恋する男のために娘が放火する話。

どういう経緯でそうなったのかは忘れましたが、
この話は大学時代に授業で聞いて(井原西鶴の『好色五人女』)、
あまりのとんでもなさに衝撃を受けました。

あとは「櫓のお七」という日本舞踊の演目
踊りを始めたばかりの頃に見た記憶があります。

もちろん人間が踊るのですが、
「人形振り」といって、あえて人形のように踊るのです。
後ろにはちゃんと、人形遣いの役の方がついていました。

最後にお七が、ずり落ちながらも必死に火の見櫓に上り、
太鼓を叩くシーン
がとても印象に残っています。


ただ、あらすじを読む限り 放火の話は出てこないので、
文楽だと設定が変わっているんですかね…?


■観てみたい演目は?


これはですね…
どちらも譲れない理由があるのですよ…

まず「鎌倉三代記」

時姫を見たいんです。

日舞のお稽古場にて、他の方が赤姫の役をお稽古していて、
それがとても難しそうだったんです。
性格は強い部分がある役だと思うのですが、
あくまで姫なので動き過ぎてもいけない

「赤姫って結局どういうものなの?」
というのが分かりませんでした。

人形は、それをとてもよく表してくれるのではないかと思うのです。

女の人形は特に、時々ぞっとするほどきれいな形をするんです。
それは人形だからこそできる、理想の形なのだと思います。

そういうことができる人形浄瑠璃で、
ぜひとも時姫に触れたいのです。

そして「伊達娘恋緋鹿子」

そもそもがドラマチックな話なのは分かっているので、
文楽で見たら良いに違いない。

文楽の観劇経験3回で語るのはお恥ずかしいのですが、
緊迫した場面の文楽のスリルは、
もう凄いとしか言いようがない
んです。
手に汗握ります。自然と身を乗り出します。(※三発三中)

舞踊の「櫓のお七」を見たのはすでに結構遠い記憶なのですが、
それでも覚えている櫓に上るシーン、
あれを文楽で見たい。。 
 
*+α 幕開き三番叟*

昼の部の開演15分ほど前に、人形が「三番叟」を舞うという話を小耳に挟みました。
昼の部に行ったことがなく、あまり情報が多く集められていないのですが、今でも、そして国立劇場でもやるのでしょうか…?
もしもやっているならばぜひ見てみたい。
そのあたりも確かめてこようと思います!


■チケットは買う?買わない?


12月の文楽公演、観に行きますとも。

言い訳をするとですね、
文楽って東京では、年4回しか見られないんです。

国立劇場で文楽公演があるのは、
2・5・9・12月のみ。
(それぞれ昼夜あるので、8回と言えば8回ですが…)
毎月見られる歌舞伎と違って、機会が限られています。

だから見られるときに見ておきたい
特に興味が少しでも持てる演目ならば、尚のことです。

いいんです、このために働いているんです…


■まとめ


というわけで、「物知らずシリーズ」文楽編第一回でした。

おそらく、自分の初めての文楽のときは
時姫もお七も知らなかったのではないかと思います。

ちょこちょこ歌舞伎や日舞や文楽に触れることで、
少しずつ知っている名前や言葉が増えていくのが
ちょっとした喜びです。

ちなみにこの文楽公演の、国立劇場のチラシなのですが、
それぞれの演目のコピーが妙にかっこいいんです。

「起死回生の計略は姫にゆだねられた」(鎌倉三代記)
「雪も溶かす命懸けの娘の情念」(伊達娘恋緋鹿子)
 
女性陣強し!


【本日の関連記事】
はじめて文楽★思い出しルポ~『義経千本桜』を観に行く
12月の文楽・歌舞伎公演@東京

12月の文楽・歌舞伎公演@東京


金夜は、一週間頑張ったごほうびに
Eテレで「にっぽんの芸能」を観るのが
一番の楽しみです。


さて、早くも12月の話ですが。

もうどうしたらいいのやら という感じです。

何せ観たいものが多すぎる!!

以下、12月に待っている文楽・歌舞伎公演(上映)をまとめます。

---

【国立劇場】

◆文楽公演

・12月文楽公演
 鎌倉三代記(かまくらさんだいき)
 伊達娘恋緋鹿子 (だてむすめ こいのひがのこ)

・12月文楽鑑賞教室
 団子売(だんごうり)
 菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
  寺入りの段、寺子屋の段

◆歌舞伎公演

通し狂言 増補双級巴(ぞうほふたつどもえ)―石川五右衛門―


【歌舞伎座】

◆昼の部

 幸助餅(こうすけもち)
 於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)
  お染の七役 

◆夜の部

 壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)
  阿古屋 
 あんまと泥棒
 二人藤娘(ににんふじむすめ)/傾城雪吉原(けいせいゆきのよしわら) 
※日によって演者・プログラムが異なるようです。


【シネマ歌舞伎】

野田版 鼠小僧 (のだばん ねずみこぞう)

--- 

詳しくはまた物知らずシリーズを更新しますが、

どれも見逃したくないんですよ…! 


文楽はいずれも、私でも耳馴染みがある演目。
なのできっと代表的なお話なのだと思います。

しかも歌舞伎のように毎月公演があるわけではないので
やっているときはできる限り行きたい。


国立劇場の歌舞伎は、石川五右衛門。
あの和風パスタ屋の

11月に「楼門五山桐」を歌舞伎座でやるので、
そのあとに見に行ったらきっと面白い。
五右衛門の配役も同じ
中村吉右衛門さんですね!

宙乗りもあるとのこと。
宙乗りは映像でしか見たことがないので、
仕掛けとして見てみたい気持ちがあります。


歌舞伎座は、知っている演目こそ少ないけれど、
お染の七役の演じ分けは気になるし、

坂東玉三郎さんが以前テレビで語っていらした
「阿古屋」を生で見られるまたとない機会。

そしてシネマ歌舞伎「鼠小僧」
これは今月のシネマ歌舞伎を観に行った際、
予告編の時点で映画館が笑いに包まれていた(!)作品。

絶対に面白いと思うんです。
いい気分で一年を締めくくれそう。

***

そんなわけで、
どれも見逃せない理由があるのです。

悩ましいですね。。

どう選べば自分の体力と財力が持つのか。

予習をしつつ、優先順位をつけて
じっくり考えたいと思います。

***

それにしても…

以前こんなことをつぶやいたのですが、


これ、本当にすごいと思うのです。 

実際に観てみると、「伝統芸能」とはいえ
全く古びずに、現代っ子の目からしても面白い。

現代の芸能と同じ気持ちで楽しみにすることができるのです。

通の方の目からしたら、
「昔の歌舞伎はこうじゃなかった」
「昔の文楽はもっと…」
というのがあるのは重々承知していますが、

大局的に見れば、
文楽・歌舞伎という芸能が現代にも
これだけ「普通に」受け入れられていることが
すでに凄いこと
なんだと私は思います。 

今見られるものは見ておかないと絶対に後悔するので、
体力・財力ともに何とかやりくりしながら見続けたいものですね。


当面の問題として、

ほんとに12月どうしよう。。。
 

文楽「夏祭浪花鑑」を観てきました~観劇の感想~

以前、この記事で触れた「夏祭浪花鑑」

歌舞伎の方を観た直後に、
これを文楽で観てみたいと直感のように思った作品です。

念願叶い、国立劇場・九月文楽公演の楽日に行ってまいりました。

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いやもう、素晴らしかった

全編通して、情と心意気とどうしようもない因果とに
何度も目頭が熱くなりました。

***

圧巻だったのは、やっぱり「長町裏の段」
だんじり囃子が聞こえる中、
団七が、泥にまみれながら舅である義平次を手にかける場面です。 

義平次の執拗な嫌がらせと、子供じみた言いがかり。
それを「舅も親」と懸命に飲み込もうとする団七。
それでも悔しくて悔しくてならないのが、
「こなたは、こなたは、こなたは……!」という詞章で痛いほどわかる。

その後の泥沼義平次殺しの場面は、
語りは何もなく、煽るような三味線とお祭りの賑わいだけ。

大音量で華やかに盛り上がるだんじり囃子と、
「チョーサァ!ヨーサァ!」という大勢の掛け声が、
ただでさえ凄惨な場面に息を詰めているこちらの心拍数をさらに上げていく。

ことが終わって神輿が去り、祭り囃子も遠のき、辺りが静まり、
殺してしまった義父に「南無阿弥陀仏」と手を合わせる団七。

一瞬の静寂ののち、

「八丁目、指して」

の「は」の一音でがばっと我に返る、あの勢い。

心臓わしづかみでした。

***

このお話で好きな登場人物は、何と言っても
徳兵衛とその女房・お辰。 

男伊達とその妻なのですが、
これが非常に肝の座った、よくできた者どうしの夫婦です。

お辰は一場面だけしか登場しないのですが、
一度決めたことを貫くために、自らの美しい顔を犠牲にする強さは
どの登場人物にも負けないインパクトがあります。

吉田簑助さんのお辰、どの瞬間を切り取っても美しく、絶品でした。

徳兵衛は、主人公団七と義兄弟の契りを交わした相手。 
最後の「田島町団七内の段」での侠客っぷりが見事です。

団七の舅殺しの罪を知った上で、
あの手この手で、自分が悪者になってでも団七を逃がそうとする徳兵衛。
なんと義理堅いことでしょう。 

最後の場面、屋根上で団七を捕らえるふりをして
銭を渡し、玉島へ逃げるよう囁く徳兵衛のかっこいいこと。

***

「田島町団七内の段」 では、団七の女房・お梶も泣かせます。

夫に親を殺されるという、あまりに辛い板挟みの立場のお梶。
それでも夫の罪を少しでも軽くするために、
三婦や徳兵衛の芝居にのってみせるのです。

この場面でのお梶の言葉が、どれも胸に刺さる。

この流れで言うのもアレですが、
歌舞伎の立廻りと違って人形だと
倒された者たちが容赦なくぽいぽい飛ばされていくので、ちょっと面白かったです。

***

文楽は、筋書を買うと床本がついてくるのがいいですね。
心に残った場面や、理解が不安だった場面を振り返るときに、とても便利。

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圧倒されっぱなしで、本当にあっという間に終わってしまった4時間半。

しばらくは何にも触れずに、この余韻に浸っていたい。

痺れました。

 

9月の文楽・歌舞伎公演@東京

こんばんは、わこです。

9月の国立劇場の文楽公演、
チケット取っちゃいました!!
わーい!!! 

午後4時からの第二部『夏祭浪花鑑』

実は同じ演目を、今年6月に歌舞伎座でやっていました。
有名な演目ということもあって観に行ったのですが、

観終わったあと、どういうわけか自然と
「これを文楽で観てみたい」と思ったんです。

それで試みに9月の文楽公演を調べてみたところ、

なんと「夏祭」だった!!!

これはもう運命だと思いましたね。

しかも、団七九郎兵衛を遣う
桐竹勘十郎さんは、
私が初めて観た文楽(この記事)でガツンと衝撃を受けた
『義経千本桜』の知盛を遣っていた方。

観に行かない理由がありません。

ちなみに、第一部はまだ余裕がありそうですが、
第二部の「夏祭」は、土日のチケットがほとんど売り切れています!
(2018年8月17日現在)

お早めに!


***

そして歌舞伎座の方も、
9月は観に行きたいものが目白押しなんです。。

まずは昼の部『金閣寺』

療養中でいらっしゃった
中村福助さんが帰っていらっしゃいます!!

本当に良かった。
嬉しい公演、何としても観に行きます。


その後の『紅葉狩』は、私が初めて観た歌舞伎の演目。

当時はイマイチよくわからなかったのが本音で、
大変大変申し訳ないことに早々に入眠してしまったのですが、

今ならきっともっと楽しめるはず!!!

…はい。自分の成長を見てみたいという俗っぽい理由です。
 

さらにさらに、夜の部の『俊寛』鬼界ヶ島の場

これも先日、Eテレ「にっぽんの芸能」で
文楽の同じ場面を観たばっかりなんです。

俊寛の、全てを投げ打って見せた気概と、
一見潔く人生を決めたかと思いきや
やっぱり諦めきれない人間の心理を描く、ラストシーン。

自分が乗るはずだった都行きの船が
目の前から遠ざかっていくのを観るのは、
自ら買って出た結果とはいえ、どれほど苦しいか。

きっと歌舞伎だと、また別の表現になるのでしょう。

ぜひともそれを見てみたかったのです。

***

6月から、文楽と歌舞伎の遠回しコラボが続きますね。

意図してかせずか知りませんが、
比較して観てみたい私としては絶好のチャンスです。


さぁ、9月は破産の予感。

幕見でいいので、なんとか
行きたいもの全てをコンプリートしたいものです。。 
プロフィール

わこ

◆東京都在住╱地味目のOL (平成生まれ)。
◆大学で日本舞踊に出会う
→社会に出てから歌舞伎と文楽にはまる
→観劇2年目、毎月何度か劇場に通う日々。
◆着物好きの友人の影響で、着物でのお出かけが増えてきた今日この頃。

Twitter プロフィール