ほんのり*和もの好き

歌舞伎や文楽、日本舞踊、着物のことなど、肩肘張らない「和もの」の楽しみを、初心者の視点で語ります。

日本舞踊

郡上おどりに行ってみた!2019年夏~予備知識編


石畳を下駄で鳴らしながら、徹夜で踊り続ける郡上の盆踊り。
400年以上の歴史を持つ、日本三大盆踊りの一つです。 

慣れぬ土地への旅の計画を立てるのは苦手なのですが、能うことならぶっ倒れるまで踊り続けてみたいという欲望を持つ者として、郡上おどりは是非とも行ってみたいものでした。

その憧れの地に、ついに!
ついに2019年!足を踏み入れることができたのですっ!!!

来年の自分への覚え書きとするためにも、ここに記録を残しておこうと思います!
(すでに来年も行く気満々) 

まずは予備知識編をば。
感想編はこちらです↓
 





*宿は取れるのか?


腰の重い私が動き始めたのは、今年4月の終わりごろ。
郡上八幡近くのホテルを、このサイトを参考に探し始めました。


ところが、すでにこの時点でホテルは全滅
空いていたとしてもものすごく高くて、幕見席にしか行けないような人間には到底手が出ず

そんなわけで、今年の敢行を諦めかけていた5月某日。

こんなサイトを見つけたのです。

ダメ元でいいから、片っ端からお電話してみよう。
一緒に行く友人と、思い切って電話作戦に出てみたところ、何とかかんとか無事に宿が確保できたのでした!ありがたい~。

聞いたところによると、郡上おどりのクライマックスである「徹夜おどり」(2019年は8月13日から16日)の日は、1年前から宿が埋まり始めるのだそうです。
(詳細は分かりませんが、開催年の春先から予約を開始するところもあるようです)

みなさん長期計画なんですねぇ。

確実に行きたければ、地道にいろいろなところにお電話してみるしかないかと思います。


*東京から郡上八幡へのアクセス


私たちはこんな感じで乗り継ぎました↓

【行き】

東京
 
↓(JR東海道新幹線)

名古屋

↓(特急ワイドビューひだ)

美濃太田

↓(長良川鉄道)

郡上八幡

【帰り】

郡上八幡

↓(長良川鉄道)

美濃太田

↓(JR高山本線)

岐阜

↓(JR東海道本線)

名古屋

↓(JR東海道新幹線)

東京

時間帯や日にもよりますが、4時間半から5時間ほどかかります。

「特急ワイドビューひだ」は、途中で窓から見えるお城や川の説明のアナウンスが流れます
旅気分が高まるのはもちろん、この説明の日本語が美しいのでぜひ耳を傾けてみてください。

長良川鉄道景色が広々としていて、のんびりと過ごせます
1時間半ほど乗りますが、車窓を楽しみましょう!

ちなみに今回は台風を避けるため、帰りは朝早く長良川鉄道に乗ったのですが、朝日を浴びた森の美しさたるや!
頑張って早起きした甲斐がありました!感動。


*おどり会場近隣の観光スポット


今回は観光に時間を割けず、限られた場所しか回れなかったのですが、感じたのは郡上の水の美しさ、街並みの趣き。

今回訪れたスポットをご紹介します。 

※郡上八幡城は明らかにベストオブ観光名所なのですが、今回まさかのパス。来年こそ!! 

・やなか水のこみち
 
市街地を町の中心部方面に向けて歩く途中、右に入るとあります。
写真を撮り忘れましたが、水がとにかくきれい!
足をつけられるので、暑い夏はとても気持ちがいいです!!
裸足で行くのをおすすめします

・いがわこみち
 
水路沿いの細い道。
元は江戸・寛文年間にできた用水だったそうです。
 
こんな素敵な道です!

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木漏れ日がいい感じ。木陰なので比較的涼しかった気がします。
涼しげな浴衣に下駄で佇んだりなんかしたら非常に風情がありますね!!
 
美しく丸々太った錦鯉がたくさんいました。餌も買えます。

・古い町並み
 
城下町プラザ(後述)を挟むように、昔ながらの建物が並びます。

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郡上八幡城の城下町で、「国選定重要伝統的建造物群保存地区」に選定されているようです。

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趣があって素敵! こういう風景に目がないのです。

・城下町プラザ
 
お土産物がたくさん並ぶお店です。
表に野菜が冷やしてあったりして、かき氷もあって、とても魅力的でした!

今回の旅のお土産は全部ここで購入。何だかお土産を買う先が多くてですね…

ちなみにここにはバスの発着所や大きな駐車場もあって、町の中心という感じでした。

※郡上の市街地にはコミュニティーバス「まめバス」(運賃100円)が走っています。 
お盆期間中は時刻表が変更になっていることもあるようなので、バス停の時刻表で確認を!

▶︎まめバスの地図と時刻表はこちら


*踊る服装は?


さて、踊りは夜20時頃から始まります。
いざ!となったときの服装に迷う方も、少なくないのではないでしょうか。

結論として、洋服の方もたくさんいらっしゃいますが、やっぱり浴衣に下駄だと俄然雰囲気が出ます!

なぜならば、郡上おどりには下駄を鳴らす振りがとても多いのです。
大勢の下駄の音がチャッと揃うと、なかなか快感なのです。
その音を自分も鳴らしたくなるに違いない!笑

洋服参加でも、下駄はあると良いと思います。で、下駄を履くと浴衣を着たくなるという。笑 

下駄屋さんは踊り会場付近にもちょこちょこあるようなので、ぜひその場ですげてもらいましょう~!
市販の下駄をそのまま履くのでももちろんいいと思いますが、下駄屋さんにすげていただくと靴擦れしにくいですよ! 

そして!

鞄はショルダーやポシェットを持ち歩くのをおすすめします!!

貴重品と水分、これは持ち運ぶのが賢明です。
ショルダータイプなら踊りを邪魔せずに荷物を持ち運べます。


*荷物はどうするの?


貴重品や水分など、持ち歩きたい荷物は上記のようにショルダーバッグにまとめていたのですが、
加えて私たちは、小さな椅子(アウトドア用のものなど)を会場近くに置き、ショルダーに入らなかった飲み物やら、靴擦れ(下駄の鼻緒で)のときに履き替えるサンダルなどを置いておきました

ただ水分に関しては、絶対に持ち歩く方がいいです!!
盆踊りの輪が大きすぎて、元いた場所に戻ってくるまでに最初は2時間ほどかかったので、なかなか取りに行けない可能性があります。(もちろん輪を抜けて戻ることは可能です!)

 

*踊り疲れたらどうすればいいの?


上記のように持参の椅子で休む手もありますし、この時期は踊り会場近くのお店が結構開いています!

私たちは一度カフェでひと休みしましたが、他にもかき氷やジェラートなど、いろいろ魅力的なお店がありました

少し離れると出店もたくさん出ているので、いろいろ回ってみるのもいいですね!

他にも休憩所が開放されているようなのですが、すみません、ここはノーマークでした。。 


***

さて、長くなってしまうので肝心の感想編は記事を分けます!
大興奮の郡上おどり、満喫いたしましたよ!

▶︎感想編はこちら


【日本舞踊】習った曲を振り返ってみる③紅葉の橋


日本舞踊を始めてから今までに習った曲を、習った順に振り返ってみる企画の第3回です。

第1回はこちら▶︎ 【日本舞踊】習った曲を振り返ってみる①初稽古〜京の四季

***

3曲目は「紅葉の橋」。

多分、踊ったのは紅葉の季節だったんでしょうね。
季節に合わせた曲のセレクトができるのも、日本舞踊の楽しいところです。

今までの2曲よりも少しテンポが早く、明るい印象の曲です。
先生が私の踊り口を見て、「あなたはこういう曲が合うと思う」と選んでくださった曲でした。 

たった2曲しか踊っていないのに、個性がもう出てくるんですね。
それを活かして曲を選んでくださる先生の、引き出しの多さに今更ながら驚き、尊敬の念を新たにするのです。 

***

この曲、自分の中では「やっとん祭り」でした。笑

やっとん、というのは何かというと、踏むリズムとでも言えば良いのでしょうかね、

やっとん、やっとん、やっとんとん

というリズムが、日本舞踊には非常によく出てくるのです。
「やっ」のところは溜めて、「とん」で踏みます。
溜めて、と書きましたが、ここでお扇子を打ったり、手を打ったり、膝を打ったりしてリズムを取ることが多いです。
 
確か「梅にも春」にも出てきたと思うのですが、「紅葉の橋」には特にたくさん出てきました。

これ、できるようになると何だか楽しいんです!
自分でリズムが取れている、音に乗って踊れている、という気持ちよさ
何せ音が聞き取れないところからのスタートだったので。笑

踏むところ、お扇子を打つところ、とにかく音に合わせて踊る楽しさを実感した一曲です。

***

歌詞はこんな感じ↓

紅葉の橋の たもとから
袖を垣根の 言伝に
ちょっと耳をば かささぎの
霜もいつしか 白々と
積もるほどなほ 深くなる
雪をめぐらす 舞の手や
ヨイヨイヨイヨイ ヨイヤサ


縁語、掛詞が多用されているのがお分かりいただけると思います!

橋の袂と、袖の袂。
「袖を垣根の」は「袖をかき合わせる」からの流れでしょうか。
「耳をばかささぎの」は「耳を貸す」からの「かささぎの」ですね。

そんな歌詞の楽しみ。
そうです。
この頃には歌詞が聞き取れるようになっているんです! 

少しずつではありますが、やっと邦楽に耳が慣れてきた。
音が聞き取れるということは、覚えやすさにも、踊る楽しさにも繋がってくると思います。


かささぎって何で出てくるんだろう、と思って調べてみたら、
七夕にはかささぎが、天の川に橋を渡すという伝説があるようで。

さらに言えば、紅葉の橋も「古今和歌集」(秋上)に有名な歌があったんですね。

天の川 紅葉を橋に わたせばや 七夕つめの 秋をしも待つ (よみ人知らず)

そしてやはりこちらも七夕の歌です。
こういうちょっとした知識が、歌詞を通して増えていくのもまた嬉しい。

七夕の季節感で始まった歌ですが、季節が移ろい、冬で終わります。
これも3分くらいの短い曲ですが、風情があるなぁと思いました。

***

振りは、さっきの「やっとん」に加え、
かささぎの橋のところで波を表現する振りがついていたり、
雪が積もるところで手を重ねていくような振りがついていたり、
いろんな方法で歌詞を表現できるんだな、というのが改めて感じられた曲でした。

あとね、細かい話なのですが、
この曲、初めて「奥から走って出てくる」振りだったんです。

今まではどうかというと、
例えばお辞儀をしたところから始まったり、後ろを向いているところから始まったりと、
すでにその場にいるところから踊り始めるパターンでした(幕が開いたときに舞台にいることを「板付(いたつき)」といいます)

曲が始まってから出ていく、という踊りは初めてだったんです。

たかだかこれだけでも、ちょっと進歩した気分になれるというか(別に関係ないとは思うのですが笑)、
また新鮮な気持ちで踊ることができます。

こういう少しずつの変化や、新しいこととの出会いが、どんどん私を日本舞踊にはまらせていったわけです。笑



おすすめ日舞公演!未来座=彩(SAI)=「檜男(ぴのきお)」「春夏秋冬」観てきました!


毎年行きたいと思っていた未来座さんの公演、やっと行けましたー!

古典の舞踊技法をもとに、新たな日本舞踊作品を発表している未来座の公演。
今回が3回目の公演ですが、日本舞踊協会としては50年以上、こうした活動をしているそうです。

今年の演目は「檜男(ぴのきお)「春夏秋冬」の二本立て。
※「檜男」は、檜の字に☆で濁点がついています。

感想をまとめます!

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パンフかわいい…! 




*「檜☆男」


ほし組・つき組とキャストが分かれたうちの、ほし組公演を観てきました。
つき組はまた全然違う雰囲気なんだろうなぁ。

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お馴染みのあのピノキオのお話を、日本舞踊で。
語りには、歌舞伎役者の坂東巳之助さん

これがとっても良くて、くすっと笑いつつ、最後はぽろぽろ泣いてしまいました
知っている話なのに。泣くと思ってなかった。笑

***

開演前からコオロギの声がしているの、物語に自然に入り込めていいですね!

舞台の大道具は、まるで絵本のよう。わくわくします。

おじいさんが大事に作ったお人形たちは、もちろん日本寄りの人形が多いんですが(笑)、
それぞれ動き方が全然違って、観ているうちにどの人形にも愛着がわいてきます!

女の子らしくかわいらしく動く「かりん」(もうこれが本当にかわいくて愛しい!)
名前から想像できるいかにもな雰囲気が楽しい「おふく」、
途中見事な人形振りを堪能できる「ちゅうべえ」と「うめがわ」(!)、
小ネタ満載で片時も目が離せない「うば」、
派手な衣装で物語を動かしていく「ぎんのじ」と「でび」。
頭に灯篭を乗っけた「竹人形」たちもきれい!

途中にはちゃんと、それぞれの人形の見せ場が用意されているのですが、
この人形が出てくるときに、日本人形が入っているような、背景が金のガラスケースありますよね、あれに入って出てくるのです。
演出が細かい!笑 

お話を語ってくれるのは、最初からずっと鳴いていたあのコオロギです(「こおろぎ安」というお名前。声は巳之助さん)。
こおろぎ安、会場を巻き込みつつお話を展開していってくれます。

そんなキャラクターたちに囲まれて、物語の中で成長して行く「檜男」。
最初はカタカタの頼りない動きだったのに、、と思うとラストが本当に素敵です。

一挙手一投足が愛しい、愛嬌たっぷりの檜男。
かりんとの淡い恋模様もまた微笑ましい!

国立小劇場は、舞台の方々の表情も見やすいサイズ感なのも嬉しいところです。

***

演出も楽しくて、親しみやすかったです。
絵本の世界のような大道具、客席の使い方、多様な音楽…飽きさせません。

何せ!踊りを!!踊りを観て!!!
全く堅苦しくないので!むしろ親しみと愛嬌の塊なので!!!

関係ありませんが梅川と忠兵衛、場面は違えどわざと歌舞伎座と当てたのか…?


*「春夏秋冬」


25分の休憩を挟んで、「春夏秋冬」が始まります。
美しい映像を使いつつ、決してそれが邪魔になることはなく、世界観を作り上げているなぁと思いました。

先ほどの舞踊劇とは違うアプローチで、日本舞踊の魅力や可能性がぎゅっと詰まった演目でした!


【春】
 
これはまずもって、着物がとにかくきれい!
女性舞踊家13人が美しく振袖で踊るのですが、全員違う振袖なんです!!

一列に並んだところなんか、雑誌かファッションショーを眺めているよう
日本舞踊を始めた理由に「着物が着たいから」 は一大勢力なのですが(笑)、こんな素敵なものを観たら、より一層その熱が高まると思います!

加えて踊りはもう、「これぞ日本舞踊」というような華やかさと柔らかさがありました。
「日本舞踊」と言われてイメージする世界はこんな感じなのかな、と。

踊りっていいなぁ。。 

【夏】

打って変わって、男性舞踊家10人の群舞。
袴の衣擦れの音っていいですねぇ。。それだけでそわそわしちゃう。

それでですね、男性舞踊家の群舞、かっこよくないわけないんですよ!!

この部分のテーマは夏祭り。
舞台の熱量がどんどん上がり、そのスピード感と大きさと迫力に、観ている方もどきどきしてきます。 
 
日本舞踊の「かっこいい要素」を集めたらこうなるなぁという感じ。
最後の締め方がまたたまらない!!!

【秋】

そんな勢い溢れる舞台の空気をがらっと変えるのは、井上八千代さん

ただひたすら、その舞の作り出す空気に浸れる喜び…
振りの意味が分からなくても、無駄の全くない美しさに、呼吸すら忘れて見入ってしまいます

背景に浮かんだ大きな月。
広々とした舞台は、音楽とも相まって物寂しさがあります。

その中で、一人舞うお姿が尊くて。

決して力が入っているわけではないのに会場全体がぴんと張りつめるようで、
振りが多いわけではないのに密度が高い。

抽象的な言い方になってしまいますが、八千代さんの京舞の、その空気感がとても好きです。

【冬】

最後は、春と夏に登場した舞踊家たちが一堂に会しての踊り。

独特な響きの音楽に合わせ(なんとこれが鶴澤清治さんの作曲だったんですね!)、冬を生き抜く鳥たちが力強く踊ります。

これだけの人数で、あの大きさの舞台で踊るのは本当に壮観です。

最後は静かに、作品が閉じられます。


*まとめ


近くにある芸能、たとえば歌舞伎とか、あるいはダンスとかバレエとか、そういうものに比べて、
日本舞踊って「この公演を観てみようか」となりにくいジャンルだと思うのです。

でも、ちゃんと日本舞踊でもできるんですよね。
こんなにエンターテインメント性の高いことだって、古典の日本舞踊を使ってできる。 

だから、何だかこの公演は日本舞踊好きとしては嬉しかったし、一人でも多くの方に観ていただきたいな、と思いました。まわし者じゃないですよ!笑

6/22(土)・6/23(日)、残り5公演。当日券もあるようですよ!
お時間ある方はぜひ(^^)

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※23日(日)のみ、第三部がないようです。 


【日本舞踊】習った曲を振り返ってみる②梅にも春


日本舞踊を始めてから習った曲を、習った順に振り返ってみる企画の第2回です。

第1回はこちら▶︎ 【日本舞踊】習った曲を振り返ってみる①初稽古〜京の四季

始めてから確か2ヶ月くらい。
2曲目に教えていただいたのは、「梅にも春」という、こちらも3分ほどの曲です。

「京の四季」もそうだったのですが、この曲も畳1枚の中で踊れます。
基本的には踊り始めた位置で踊り終わる日本舞踊。
今思い返せば、元の位置から大きく動かない踊りから始めることで、その基本を知らず知らずのうちに教えていただいていたのではないかな、と思います。

※ひとつお断りしておくと、流派によって、どころでなく同じ流派でも先生によって、振付は全く異なります。あくまで、私が習った振りでのお話です。
 
***

これもいろんな風物が出てきて、お扇子も大活躍で、ますます日本舞踊がおもしろくなった一曲でした。


たとえば裾をちょっと押さえて、袂を帯に挟んで、井戸の水を汲む振り。

生活の中で着物を汚さないように、あるいは動きやすいようにするにはこうやっていたんだ、というのが分かる振りですよね。
ちょっとしたこの仕草がまた、なんだかしっとりお上品に感じられたりするのです。

井戸だって触ったことがあるのは人生に2回ほど。
実際に井戸が見えるように踊るのは、まだ2曲目では難しかった
でも、そう見せようと工夫するのがまたおもしろい!


それから、煙管に草を詰めて、火をつけて吸ったり、笠をかぶったり、駕籠に揺られたり…
浮世絵で見るような光景は、こんな風に動いていたのかな、と。

今まで知らなかった昔の暮らしの一片が、踊りを通して立ち上がってくるのです。

***

踊りの面で言えば、この曲を始める少し前に初めて舞踊の公演を観に行き、「自分がやっているのはこういうことなのか!」というのがほんの少しだけ見えたのは大きかったと思います。

「首を振る」って、「おすべり」って、「踏む」ってこういうことか、と。

そんなわけで、この曲あたりから首を意識的に動かすようになりました。
まだちゃんと触れるレベルではなく、あとから映像を見直すとただひたすらにぐにゃんぐにゃんです。
いいんです。ここからです。笑

▶︎【日本舞踊】首振り三年?
 
***

「踊りって楽しい!」と思い始めたのは、この曲からだったと思います。
もちろん1曲目も楽しかったに違いないのですが、まだまだ頭の中が未分化で、自分が何をしているのかが掴みきれていなかった。
それを、「踊り」として認識して踊れるようになったのはここからだった気がします。

教えていただいた曲はどれもこれも大好きだし思い入れがありますが、その意味において「梅にも春」は、とても大切で思い出深い曲です。


【日本舞踊】習った曲を振り返ってみる①初稽古〜京の四季


いえ、まだ始めてそんなに経ったわけでもないのでアレなんですが、
日本舞踊を始めてから習った曲を、習った順に振り返ってみる企画です。
(どうしても流派が特定されてしまいそうなものは省きます。笑 ) 

今のお稽古場に来る前の、大学の日舞サークル時代に教えていただいた曲。 
踊りに出会い、どんどん面白くなって、踊りが好きになっていく過程を綴ってみようかなと。

第1回は、初めてのお稽古のことと、最初に習った「京の四季」の思い出です。

※ひとつお断りしておくと、流派によって、どころでなく同じ流派でも先生によって、振付は全く異なります。あくまで、私が習った振りでのお話です。

最初のお稽古


「浴衣を着てみる」というところからのスタートでした。
先輩に教えてもらいながらやっとこさ帯を結び終わるまでに、20分くらいはかかっていたはず。

先生へのご挨拶の仕方を先輩に教えていただき、いざお稽古開始です。

まずは和服で歩いてみるところから。
先生が適当な曲を流しながら、内股、摺り足で歩いてみます。

幼い頃、週2だか3だかでクラシックバレエに通っていた身としては、この「内股で踊る」というのにとっても違和感があるんですよね。

摺り足自体は空手をかじった経験から何となく分かる気でいましたが、それも足袋を履いて浴衣でやると全く違うもので、これだけでも「分からないところに来たぞ!」という感じ。笑

でも何だか楽しくて、聞き取れないなりに曲も華やかで、早く踊ってみたくて仕方なくなったのでした。

残念ながら初回のお稽古はここで時間切れ。
先輩に浴衣のたたみ方を教えていただき、やっとたたんだ浴衣を全部ばさっと広げられて「もう一回やってみて」と愛のムチをいただいて帰りました。笑 


一曲目:京の四季


さて、念願の一曲目の踊りのお稽古です。

私のいたサークルでは、初めての曲は大体これ。
題名通り京都の春夏秋冬の風物を詠み込んだ唄なのですが、春と夏だけ抜粋してやりました。
おそらく、初めてだと全て通すのは負担が大きいのです。 春と夏だけなら、3分弱くらいのはず。

いやぁ、それでももうなかば体操でしたよね。笑

何せ知っている動きが何もないので、何を目指せばいいのか分からないんです。曲も聞き取れないしこの記事。 

でも、とても興味深かった

山や桜を眺める振り、酔っぱらう振りなんかは、演劇的な要素がとても大きくて、ただ音楽に合わせて身体を動かすだけではない楽しみがありました。

それからお扇子でのあおぎ方、今まで手持ちの扇子であおいでたのは男のあおぎ方だったんだ!とか。
(普段、親指を外側に持ってあおいでいる方が多いと思うのですが、女の踊りであおぐときは親指は身体側、残りの指が正面にそろって見えるようにお扇子を持ってあおぎます)
 
武士のことを「二本差し」というのも、この曲で初めて知りました。
「二本差し」という歌詞のところで、お扇子を刀に見立てて腰の横で左手で持ち、右手はもう一本の刀を握っているように見せます。
お扇子が刀になるのも、単純かもしれませんがちょっと予想外で面白く、また「二本差し」という言葉に出会ったのも興味深かった。

とにかく、知らないことだらけで発見の喜びが止まらなかったのです。

純粋に踊ることがもともと好きだったのもありますが、ただ踊るだけではない要素が多くて、これは楽しいぞ、と思いました。 


で、

私この曲、覚えきれないまま終わった気がするんですよね。笑

初めの曲だからなのか何なのか、最後まで先生が横か前で一緒に踊ってくださっていたので、何となくそれを盗み見しつつ雰囲気で乗り切っていたのですが、
なんとか最後まで踊りきった私を見て先生が誤解してしまい、「なかなかいいペースで覚えましたね(^^)」と次の曲へ。

いや、先生、

覚えてないんです!!

***

これが一曲目。2ヶ月くらいかかったのかしら。定かでありませんが。。

何にせよ、「日本舞踊って楽しい!」と思った背景には、江戸の文化や生活の一片を知ることができる、という点だったり、思った以上に演劇的である、というところだったり、
踊りだけではない側面もとても大きかったのではないかしら?と。

新しいことを早く知りたくて、お稽古の日を心待ちにする生活が、こうして始まったのでした。


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日本舞踊・始めたばかりのときはこんな感じでした
日本舞踊・音楽が聞き取れるようになるまで
 
プロフィール

わこ

◆首都圏在住╱平成生まれOL。
◆大学で日本舞踊に出会う
→社会に出てから歌舞伎と文楽にはまる
→観劇2年目、毎月何度か劇場に通う日々。
◆着物好きの友人の影響で、着物でのお出かけが増えてきた今日この頃。

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