今月の歌舞伎座、「芸術祭十月大歌舞伎」の
夜の部、千穐楽に行って参りました!
十八代目・中村勘三郎さんの追善公演とあり、
夜の部、千穐楽に行って参りました!
十八代目・中村勘三郎さんの追善公演とあり、
シネマ歌舞伎などの映像を見るにつけ、
生で拝見したかったという思いが日に日に強まっています。
***
さて、夜の部の演目は
上にも述べましたが
そしてこれはもう文句なく、ずっと楽しかった。
まず片岡仁左衛門さん演じる助六の素敵なこと!
きまるところの美しさはもちろんのこと、
意休に喧嘩を売るときのやんちゃそうな喋り方とか、
喧嘩指南のときの啖呵の威勢の良さとか、
しみじみと素敵でした。
通人が助六の股をくぐり終わるときの、
助六の颯爽とした足さばきも好きでした。
ひょいっと足をずらすんですが、
その何気なさがいい。(細かい)
それにしても吉原のど真ん中で
見ず知らずの人の股をくぐらされるなんて
控えめに言って最悪ですよね。
同じく助六の動きの話でいうと、
兄に喧嘩の仕方を教える場面で
「こりゃまた なーんのこったい」という助六のセリフがあるのですが、
このときの動きのキレが好きでした。笑
中村勘九郎さん演じる助六の兄・祐成(すけなり)の登場から先は
笑いどころが特に増えて、楽しい。
兄弟で全然性格が違うのですが、
兄の方がおっとりと弟・助六を真似るので
そのギャップが全てにおいて面白い。
祐成がうまくきまれなかった場面では、
勘九郎さんの体の柔らかさがよく分かって
尊敬の念を新たにしました。
今回は一階席ということもあり、
とても役者さんの距離が近くて
いつも以上に気持ちが盛り上がりました!
歌舞伎を好きになって良かったな、と心から思える
見どころいっぱいの公演。
ますます歌舞伎が好きになりました。
この楽しさがあるから、歌舞伎は中毒性がありますよね…。
さて、夜の部の演目は
「宮島のだんまり」「吉野山」「助六曲輪初花桜」。
初めての一階席で、存分に楽しんできましたよ!
■初心者が楽しめた演目は?
どの演目も華やかで、
特にあらすじを見なくとも楽しめましたが、
特にあらすじを見なくとも楽しめましたが、
一番楽しかったのはやはり助六でしょうか。
ずらりと並んだ傾城5人の美しさ、
そのはるか上をゆく揚巻の衣装の絢爛ぶり、
助六が要所要所でかっこよくきまるところ、といった
舞台の見ための華やかさに加えて、
揚巻の意休に対する悪口雑言と高笑い、
助六の兄への喧嘩指南、
助六たち兄弟が意図せず母に会ってしゅんとする場面など、
笑いどころもたくさんありました!
■私はこう見た!ここが好き!
*宮島のだんまり
これは舞台の華やかさを楽しむ演目と割り切りました!笑
というのも、役柄は筋書きに書いてあるのですが
特に台詞を交わすわけでもないので、
誰が誰だか分からない。
衣装から見当をつけて、
「赤い着物にきらきらの髪飾りだから姫かな?」
と当てはめてみはしましたが、
登場人物が多すぎて途中で断念しました笑
でも、本当に舞台は豪華ですよ!
あんなにたくさんの役者さんたちが、
様々な役の衣装を着て、
舞台に横一列に並んで一斉にきまる。
それだけで楽しいです。見ごたえがあります。
それから、お芝居が始まる前に
幕の前に三味線と唄の方が
お一人ずつ出てきて演奏するのですが、
この三味線の弾き方が非常にかっこいい。
台みたいなものに片足を乗せて、
裃をつけて三味線を鳴らす姿に惚れ惚れします。
それから、お芝居が始まる前に
幕の前に三味線と唄の方が
お一人ずつ出てきて演奏するのですが、
この三味線の弾き方が非常にかっこいい。
台みたいなものに片足を乗せて、
裃をつけて三味線を鳴らす姿に惚れ惚れします。
圧巻は、最後の花道。
照明を落として、ろうそくの光の中で、
すっぽんから中村扇雀さん演じる
盗賊・袈裟太郎が出てきます。
盗賊・袈裟太郎が出てきます。
目当てのものを手に入れて、
不敵な面持ちで勢いよく花道を帰っていく。
動きに迫力があって、テンションが上がります!
「うわぁーきたきたきた!!」という感じ。
歌舞伎はこういうところが楽しい。
ちなみに「だんまり」とは、
「闇の中という設定で、無言で、
登場人物同士が探り合い、宝などを取り合う芝居」
のことを言うようです(筋書より)。
サンリオピューロランドの「KAWAII KABUKI」でも
まさかのだんまりがあってちょっと驚きました。笑
ちなみに「だんまり」とは、
「闇の中という設定で、無言で、
登場人物同士が探り合い、宝などを取り合う芝居」
のことを言うようです(筋書より)。
サンリオピューロランドの「KAWAII KABUKI」でも
まさかのだんまりがあってちょっと驚きました。笑
*吉野山
『義経千本桜』の一場面。
先日Eテレの「にっぽんの芸能」で、
文楽の同じ場面を放送していましたね!
それが予習になったのもあり、楽しめました。
先日Eテレの「にっぽんの芸能」で、
文楽の同じ場面を放送していましたね!
それが予習になったのもあり、楽しめました。
忠信が狐の本性をちらちらと見せる様子が
かわいくもあり、哀しくもあり。
何たってこの忠信、
静御前の持っている鼓に
自分の親狐の皮が使われていて、
その音にひかれて静御前についていっているのです。
どんな気持ちで鼓の音を聞いているんだろう。。
かわいくもあり、哀しくもあり。
何たってこの忠信、
静御前の持っている鼓に
自分の親狐の皮が使われていて、
その音にひかれて静御前についていっているのです。
どんな気持ちで鼓の音を聞いているんだろう。。
坂東玉三郎さんの、静御前の落ち着いた美しさと、
中村勘九郎さんの、狐の愛嬌と忠信としての凛々しさ。
屋島の源平の合戦を語るあたりからは
音楽も雰囲気が変わり、
義太夫三味線の太い音が聞こえてきて
一気に勢いと迫力が出てくるような気がしました。
屋島の源平の合戦を語るあたりからは
音楽も雰囲気が変わり、
義太夫三味線の太い音が聞こえてきて
一気に勢いと迫力が出てくるような気がしました。
そして途中から登場する、
坂東巳之助さん演じる追っ手の早見藤太も、
下の者を大勢引き連れているにもかかわらず
なかなか弱くておもしろかった。
坂東巳之助さん演じる追っ手の早見藤太も、
下の者を大勢引き連れているにもかかわらず
なかなか弱くておもしろかった。
最後、花道にいる忠信が
本舞台の上の早見藤太に笠を投げ、
それを見事に藤太がキャッチしたときには
会場が沸きましたね✨
*助六
上にも述べましたが
今回もっとも楽しめた演目。
楽しめた一因として、
一度、市川団十郎さんの助六の映像を
観たことがあった、というのが挙げられます。
やっぱり筋を知っていると安心して楽しめる、というのはあります。
そしてこれはもう文句なく、ずっと楽しかった。
まず片岡仁左衛門さん演じる助六の素敵なこと!
きまるところの美しさはもちろんのこと、
意休に喧嘩を売るときのやんちゃそうな喋り方とか、
喧嘩指南のときの啖呵の威勢の良さとか、
しみじみと素敵でした。
通人が助六の股をくぐり終わるときの、
助六の颯爽とした足さばきも好きでした。
ひょいっと足をずらすんですが、
その何気なさがいい。(細かい)
それにしても吉原のど真ん中で
見ず知らずの人の股をくぐらされるなんて
控えめに言って最悪ですよね。
同じく助六の動きの話でいうと、
兄に喧嘩の仕方を教える場面で
「こりゃまた なーんのこったい」という助六のセリフがあるのですが、
このときの動きのキレが好きでした。笑
中村勘九郎さん演じる助六の兄・祐成(すけなり)の登場から先は
笑いどころが特に増えて、楽しい。
兄弟で全然性格が違うのですが、
兄の方がおっとりと弟・助六を真似るので
そのギャップが全てにおいて面白い。
祐成がうまくきまれなかった場面では、
勘九郎さんの体の柔らかさがよく分かって
尊敬の念を新たにしました。
坂東彌十郎さん演じる通人が泣かせましたね。
近くに座っていた方も、何人も涙を拭っていらっしゃいました。
近くに座っていた方も、何人も涙を拭っていらっしゃいました。
■まとめ
今回は一階席ということもあり、
とても役者さんの距離が近くて
いつも以上に気持ちが盛り上がりました!
歌舞伎を好きになって良かったな、と心から思える
見どころいっぱいの公演。
ますます歌舞伎が好きになりました。
この楽しさがあるから、歌舞伎は中毒性がありますよね…。