この企画は、日本舞踊歴7年弱の初心者の目線で
「踊りをやっていなくても踊りの会を楽しめるであろう初心者的・日本舞踊公演の楽しみ方」を提案する企画です。
【第一弾】初めて日舞★日本舞踊の公演を楽しむ方法①音の楽しみ
【第二弾】初めて日舞★日本舞踊の公演を楽しむ方法②知らなくても楽しめる演目は?
さて、第二弾までやってみて、初歩的なことを忘れていることに気が付きました。
初めて出かける日本舞踊の公演。
雰囲気ってどんな感じなの?というのを書いておりませんでした!
今日は「日舞の公演の雰囲気」についてまとめてみます。
※ここでまとめるのは、いわゆる「五大流派」中心の古典の公演についてです。
流派によっては全然違う雰囲気のものもあるかもしれませんが、あしからずご了承ください。
1.時間はどのくらい?
*一曲あたりの時間
一曲あたり、大体15〜30分と見積もれば良いかと思います。
中にはもっと長い曲もありますが、概ねこのくらいの幅です。
にしても一曲が長いですよね…始めたばかりの頃は驚きました。
*公演全体の時間
これは公演によりまちまちです。
たとえば毎年国立劇場で行われる「日本舞踊協会公演」は昼夜二部制なので、一公演がせいぜい3〜4時間程度。
しかし、ほぼ丸一日かけて行われる公演もたくさんあります。(むしろ舞踊協会の二部制の方が珍しいと思います)
先日行った舞踊公演は、11時開演・19時半ごろ終演。
途中で出たり入ったりしましたが、やはり腰にきますね…!
2.途中入退場はできるの?
*演目の途中での入退場
もちろん望ましくはないのですが、舞踊の公演では意外とみなさん演目の途中で出入りなさいます。
もちろん望ましくはないのですが、黙認されていることが多いです。
もちろん望ましくはないのですが、私も割とやってしまうことが多かったりします。
なぜならば、短い休み時間でお手洗いからの戻りが間に合わなかったり、観たい演目の途中で会場に到着したり、いろいろあるからです。
もちろん望ましくはないのですがね。
*公演の途中入退場・再入場
再入場に関してはまちまちかと思いますが、私が行った限りでは、チケットの半券があれば途中抜けOKの公演が多かったと思います。
公演自体の途中入退場は、全く問題ありません。
むしろ先述したように、公演自体が8時間近くあることもざらなので、
あらかじめ観たい演目をしぼって適当な時間に行ったり、適当なところで帰ったりすべきだと思います。笑
一曲あたりが15〜30分ほどなので、歌舞伎の幕見などよりも細かく時間を刻んで行動できます。
3.どんな服で行けばいいの?
洋服で全く問題ありません。
繰り返しで恐縮ですが、とにかく公演が長いので、体に負担がない方が良いかと思います。
デニムやスウェットはさすがに見ませんが、オフィスカジュアルのような感じであればちょうど良いのではないでしょうか。
和服の場合は、紬ならばざっくりとしているものをお召しの方はあまり見かけません。
詳しくないので分からないのですが、つるつるつやつやしている紬の方はいらっしゃいます。
もっとも多いのは小紋の方でしょうか。
やわらかいもの、ポリでも上品な柄のものをお召しの方が多い印象です。
紋付の色無地を着ている方も多くいらっしゃいますが、大体は出演者の関係者です。
とはいえ、気軽な公演(地元の子供達が出る、出演者から「あまり格式張っていない」と聞いている、など)ではかわいらしいウールの着物を着ている方もいたので、これも公演によるのかもしれません。
ただし半幅帯はさすがに見ないので、お太鼓か二重太鼓がいいかと思います。
踊りの公演にどんな着物を着ていくのがベストかは、私自身まだまだ探り途中です…。
4.その他の注意ポイント!
*アナウンスがない!
公演によっては、次の演目がどれなのか、プログラムを読み上げてくれない場合があります。
「次ってこれだよね…?」というのが非常に心もとない。。
対策法としては、時間表を見ることが挙げられます。
舞踊公演では、(私が行った公演は今のところ)必ず演目ごとの時間が書かれた表が、会場に貼られています。
この表がかなり綿密で、一曲ごとの開始・終了時刻と所要時間が1分単位で記載されているのです。
今上演しているのがどの演目か分からないときは、まず時計を見つつこの表を確認して、「時間的にはこの曲っぽいな」という目安をつけます。
あとはプログラムを見て、踊っている人数や内容から類推します。笑
アナウンスがある公演もあるのですが、ないことが多かった気がします。初めての公演で、今何をやっているか分からない心細さたるや。。
*長めの休み時間はない!
歌舞伎や文楽の公演ならば、途中に30分くらいの長めの休憩が入り、その間にご飯を食べたり歩き回って腰をほぐしたりできるようになっています。
しかし、長時間の舞踊の公演だと、そのような休み時間がない場合も少なくありません。
そのかわり、演目と演目の間に5〜10分ほどのインターバルがあります。
各演目ごとに大道具を入れ替えるため、このくらいの舞台転換の時間が必要なのです。
この間にお手洗いに行ったり、飲み物を飲んだりしています。
ご飯を食べたいときは、いくつかの演目を犠牲にして会場を抜け、ロビーなり外なりで食べます。
5.まとめ〜日舞は意外と気軽に観られますよ!
「日本舞踊」と聞くと「高尚」「敷居が高い」「難しそう」「想像がつかない」とどんどんハードルが上がってしまうのですが、
行ってみると全然そんなことはありません!
上述の通り意外と出入りもゆるく、長時間抜けても何も気まずいことはなく、ふらりと行ってふらりと帰れる雰囲気です。
「歌舞伎を観に行こう」「コンサートに行こう」と同じような感覚で、ぜひ踊りも観てみてください。
ときどきとんでもない感動に出会えたりしますから。
※ちなみに、おすすめはこちらです→日本舞踊協会公演
(2019年は2/16(土)・17(日)、昼夜二部制で4回全く別の公演です。)
NHK Eテレで放送中の「にっぽんの芸能」でも、舞踊の回はよくこの公演の映像を使っています。
三等席ならば2,000円で観られます

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