今月最初の観劇は、夜の部の舞踊「雷船頭」

18:45から19:03の、約20分。幕見は600円。
会社帰りにふらりと立ち寄れる喜び!

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今月のポスター!…まぁ、「雷船頭」の写真は使われてないんですけどね。雰囲気です雰囲気。




■初心者でも楽しめるのか?


楽しめますよ!
 
見て分かりやすいのが踊りのいいところの一つ。もちろんそうでないものもありますが(笑)
この踊りは、衣装やお化粧も「船頭」と「雷」でとても分かりやすいので、よりぱっと見で理解しやすいと思います。

近くで観ていた海外の方が、声を出して笑っていらっしゃったくらい!
 
雷のユーモラスな表情と、船頭の粋でいなせな雰囲気に、頬を緩めて観劇いたしました。笑


■私はこう見た!ここが好き!


まず曲がいい

一番最初に聞こえるのは太鼓の音。
私はこの時点でテンションが上がってしまうのです。笑
そこからも終始、明るくて楽しい雰囲気。音に合わせて思わず体が動いてしまいます。

特に船頭の、お酒が入ってからの一人踊り(団扇を持って踊るあたり)が大好きでした! 

常磐津の踊りです。
まだまだ音楽を聞き分けられないのですが、何となく芝居っぽいものが多いのかなぁ、という印象。
台詞が入るものもよくある気がします。

***

舞台が明るくなって、パッと目に入るのは、裾をからげて猪牙舟を漕ぐ船頭松本幸四郎さん)の姿。
白地に波模様の浴衣が粋ですね~!目に爽やかです。

そこに中村鷹之資さん)が落ちてきます。

この雷、おそらく落ちようと思って落ちたのではなく、うっかり落ちちゃったんでしょうね。
雲の上での「おっとっと」みたいな仕草や、落ちてからの「あれれ?」みたいな表情、
そして乗ってきた雲を取り返そうとしてぴょんぴょん跳ぶところ…

見た目は鬼ですが、何だか憎めない。かわいい!笑

思わぬ鉢合わせに驚いた船頭が焚いた煙に、思わずくしゃみしてしまうところなんかも、全然「怖い雷さま」という感じではなく、むしろゆるい。

もうとにかくとにかく、雷が愛嬌抜群なんです!

予期せぬ出会いの船頭と雷ですが、曲中の二人のやり取りは、動きだけでもとっても分かりやすいです。
台詞なしでも全然問題なく伝わります。 

途中に挟まれる、船頭が雷を口説くところ。
忘れ物のおかめのお面をつけ、男でありながら女の振りで踊ります。 
雷と船頭とで、つれないのを怒ったり怒られたり。おもしろかったです。

最後は二人で舟に乗り込んで、何と一緒に吉原を目指すという!笑
雷、なかなか充実した地上体験ですね!落ちてみるもんです。笑

幸四郎さんの船頭は、分かりやすく江戸のいい男、という風情。
商売繁盛しそうですね!

鷹之資さんの雷はさすがのおもしろさ。足が軽快で素敵だなぁ、と思います。
かわいらしくて愛嬌があって、この雷なら仲良くなれそう、という感じ。笑

20分間、ずっと楽しい時間が続きました! 


■まとめ


今月は、偶数日と奇数日で配役が変わります。
今回観劇したのは偶数日。
奇数日は市川猿之助さん女船頭に、市川弘太郎さんで、踊りの内容も少し変わります。

迷わずどちらも通えてしまう時間と値段設定が憎いですね。笑

【関連記事】「雷船頭」(奇数日)観てきました!〜三月大歌舞伎(歌舞伎座)夜の部 初心者の感想

日本舞踊を始めたばかりの頃に、一度公演で観ている演目なのですが、こんなに楽しいならもっと内容を覚えていてもいいものを全然覚えておらず、逆に新鮮でしたよ。。
でも雷が面白かったのは覚えているので、 それで十分なのかもしれませんね。

「踊りっていいな」と思える、気持ちの良い一幕でした!