着物をよく着る人に、
「着物なんて自由だよ!」
と言われることが結構よくあります。
もともとは普段から着ていたものなんだから。
洋服と同じように自由に着れるんだよ、と。
そうか!と安心もするのですが、
やっぱり難しいところもあるのが現実だと思います。
だって、洋服でもTPOってあるじゃないですか。
深夜のコンビニにパーティードレスを着ていったり、
ホテルディナーに部活のスウェットを着ていったりしないですよね。
言い過ぎと思われるかもしれませんが、
このレベルで分からないんです。
着物のどこまでが「スウェット」的な立ち位置で、
どこから「ドレス」的なものになるのかが
いまいち理解しきれていない。
「これは合わせない」
「ここに着ていくのにこれは不自然」
みたいな最低限の暗黙のルールが
まだまだ掴めていません。
(さすがに「ドレスにジャージを合わせる」みたいな
とんちんかんはやっていない、と思うけれど…
気付かないうちにやってるのかな😭)
それを思うとなかなか踏み出せず、
着る機会を逃しがちです。
普段友達と遊びに行くようなときは、
あまり考えなくても、
気軽な着物に半幅帯
という組み合わせで出掛ければいい。
(ちなみに自分の中で「気軽な着物」とは、
ウール、ざっくりした紬、ポリの小紋。
季節によっては浴衣。)
けれど例えば
「舞踊の舞台を見に行く」
「歌舞伎を見に行く」
となったとき、
何を着るのが適切なのかが分かりません。
そうなると無難に洋服になるし、
どうしてもそのような場に着ていなければならないときは、
詳しい方にお着物一式を借りています。笑
でもですね、
いつかはちゃんと、自分の着物でお芝居を観たいんですよ。
なぜかというと、
とある本番のときに大勢のお客さんが着物で来て、
それが「ハレの感じ」がした、というお話があったから。
それが「ハレの感じ」がした、というお話があったから。
着物で行きますとも。
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着物は、完全に自由では絶対にない。
TPOがあるのは洋服も同じですが、
着物のTPOを身につけ、
さらにそれを自分の着物で実践するには
知識と時間の蓄積がいると思う。
けれど、そのちょっとした「不自由」を
惜しまないようにしたいと思います。
まずは、いろんな場所で
着なれた方がどんなものを着ているのか、
よくよく目を凝らすことから。
徐々に自分でもその場に応じて、
適切なものを着られるようにしたいものです。