ほんのり*和もの好き

歌舞伎や文楽、日本舞踊、着物のことなど、肩肘張らない「和もの」の楽しみを、初心者の視点で語ります。

着物

草履を誂えました!@丸屋履物店さん


大変お久しゅうございます。わこでございます。
落ち着きのない世の中ですが、お元気でお過ごしでしょうか?

さて、わたくしちょっと嬉しいことがございまして。あのですね、

草履を誂えたんですー!!!やったー!!!

フォーマルな草履がほしい!と思うタイミングが、ここ数年増えていました。

たとえば、ちょっとかしこまった場に出席するとき。
歌舞伎座の一等席に行くとき (=三等席が取れなかったとき。笑)。
そして、友人の結婚式。

今持っている草履も大好きな二足ですが、台の高さや花緒の柄など、ちょっとカジュアルで、着物にも場にも合わなかったんです。

そんな時に頼るのは、、
そう! 丸屋履物店さん!!!

以前下駄の花緒をすげかえていただいたり、郡上踊りで履いた下駄を誂えていただいたりしたところです。



今回はどんな草履に出会えるのか、わくわくしながらお店へ。

台を選んで、花緒を選んで、という順番になるのですが、予想通り台の時点で迷いに迷い。笑
フォーマルだと白やクリーム、薄ピンクなどが定番かと思うのですが、出していただいた藤色の台が美しくて魅力的で、、でもフォーマル草履一足目にしては少し冒険かしら、という気持ちもあり、、


花緒を合わせてみて考えようということになりました。
いろいろ出していただいて、台の上に置いてみて、、

DSC_0065~2

激迷。
 
右に見えているのがクリーム・白系の台です。間違いはないんだろうけど、
左の藤色にやっぱり惹かれる……!

ちなみに、フォーマルの定番はエナメルの花緒のイメージですが、それだと結構足が痛くなってしまうのです。
丸屋さんには、フォーマルでも使えるような綿入りの花緒がたくさん揃っていて、そこも本当にありがたいポイントです><

さんざっぱら迷った結果、置いた瞬間に思わず「あーかわいい!!」と声が出たこちら↓

DSC_0066~2

この組み合わせにすることに!

五代目・六代目さんがその場で早速すげてくださいます。

ありがたいことにお写真OKいただいたので、職人さんの手仕事を……!

DSC_0067~2

DSC_0069

あぁ、いつまでも見ていられる、、
徐々に出来上がっていくのが嬉しいです。わくわくが募ります。

一度サイズを確認。

DSC_0070~2

 
はいかわいいーー!!!(サイズそっちのけ)

やっぱり実際にすがるとぐっと雰囲気が変わりますね!

ここから仕上げていただくのですが、その間に若女将さんとお話しさせていただきました。
というのも、私はこのお店と若女将さんのTwitterがとても好きで!
お店のアカウントでは、毎日誰かのこだわりの詰まった下駄が紹介され、若女将さんは毎週着物と履物を合わせたコーデを何種類か上げていらっしゃるのですが、
大好きなものを身に着ける幸せが感じられて、ものすごくうきうきするのです。
…という気持ちが溢れてお伝えせずにはいられず。笑

さて、そうこうしているうちに出来上がりましたよ!
完成品がこちら!!!

DSC_0137~2

DSC_0138~2



わーーーーい!!!!かわいいでしょ!かわいいでしょ!!!

できあがったときに、五代目さんが力強く
「これはいい草履だよ!」
と言ってくださったのが、なんだかすごくすごく嬉しかったです。 

先日、早速友人の結婚式で履かせていただきましたが、足当たりがとてもよく、品よく足元に寄り添ってくれました。

きっと長いお付き合いになる大切な一足。
大事に選べて本当に良かったです。

丸屋さんありがとうございました!!!


 

着物初心者の防寒スタイル。


10月11月あたりって、一番着物にちょうどいい季節な気がします。
暑すぎず、寒すぎず。美術展やらパーティーやら、着物で出かけられそうなイベントもそこそこ多く。

先日ハロウィンパーティーがあり、思い立ってこんなものを作ってみてしまいました。

IMG_20191015_005929
IMG_20191015_005749

ジャックオランタンの帯留め。絶妙な下手さが自慢です。笑
着物もさりげなくハロウィンカラー🎃

ちなみに帯留めパーツは「貴和製作所」で購入。
あとは100均のフェルトを黙々と切っては縫い付け、接着剤で止めて作りました。
こういう遊び心を取り入れられるのは、着物の楽しみの一つです。

***

さて、現時点では大変に着物が着やすい気候でありますが、そろそろ防寒のことを考え出す時期かなぁというわけで。
去年の冬にちょこちょこ着物で出掛けてみて、過ごしやすい防寒スタイルが自分の中で少しずつ固まってきたので、まとめます。

あくまで首都圏暮らしの2018年冬の情報ですので、気候によっては必ずしも適さないと思いますが、ご参考になれば幸いです(^^)


【足元】

*ブーツ


お友達と遊びに行くとき、趣味でぶらりと出かけるときなど、カジュアルな着方でもいいときは断トツでブーツがおすすめです。
 
着物にブーツ、ありですよ!特に鮮やかな小紋だと、大正ロマン風で素敵です。
以前着物にブーツでカフェに入り、マスターに褒められたのは割と自信につながっています。笑

無難な黒や茶のショートブーツが合わせやすいかなぁと思いますが、私はおしゃれが苦手なので、あとは個々人のファッションセンスに委ねる感じで…。笑
あと、編み上げのブーツもかわいいです。持っていないので、他人の着姿を見ては癒されています。 

*重ね履き


ブーツが履けない、草履でなければならないようなちょっとかしこまった場は、いつもよりワンサイズ大きい足袋を用意して、中に仕込んでいます。

薄手の五本指ソックスなり、足袋ソックスなり。
草履が履けるような形のものを、足袋の下に履きます。
 
足袋同士の重ね履きもやっていましたが、作りがしっかりしているせいか、私は親指と人差し指の間が痛くなることが多かったのでやめました。

カジュアルな場であれば、草履に足袋ソックスを合わせるのもよくやります。
足袋ソックスは柔らかいので、足袋よりも快適に重ね履きできます

*レギンス


私はステテコと裾よけをどちらも履いていることが多いので、レギンスなしでも割と何とかなるのですが、そうでない場合は裾よけの下にレギンスを履いておくと、太ももからふくらはぎあたりの冷えが少し和らぐかと思います。

タイツでもいいのですが、私は締め付け感と静電気のまとわりつきが気になってやめました。
あと、階段なんかでタイツの黒が裾からちらっと見えてしまうのも哀しい。。
それを逆手にとって、あえて攻めた色のタイツを履いて見せるのもおしゃれの仕様なのかな、とも思いますが、それは上級者向けな気がしております。笑
 
レギンスは、丈を調整すれば、階段などでも裾からはみ出ません。


【体】

*機能性インナー+補整



IMG_20190224_133948

発熱してくれるインナー、今は各社出していますね!
五分袖から七分袖くらいなら袖口から見えず、かつ温かいので良いと思います。

衣紋を抜くので、襟ぐり深めだと尚良し

私はこの上に、直接補整用のタオルを巻いています。(⇒この記事
この補整、夏は暑くて天敵ですが、冬場はいい感じに腹巻き代わりになってくれます!ほこほこ暖かいです。


【防寒具】


IMG_20190224_133742

*スヌード


ずっと大判のマフラーやショールを肩から掛けていたのですが、巻き方が下手なのか、腕の動きが制限されるし落ちてきてしまう…ので、スヌード派になりました。

ピンなどで止めたら、ショールやマフラーも上手いこと収まるんですかね…?

とりあえずスヌードは楽です。
頭からかぶるので、実際の首回りより大きめに作られているスヌード。
洋服の時は首もとが空いてしまって寒いのですが、着物は衣紋を抜くので丁度良いです。

*手袋・アームウォーマー


なるべく丈が長めのものがおすすめです!!

というのも、着物は袖口から風が入ります。
手元から冷えてくるのです。

ここをガードするかしないかで、大きく体感温度が変わると思います!!

*コート


ポンチョ型のものがあると、着物でも洋服でも着られて便利です。

着物用の袖のついたコートも売られているのですが、そんなに着る頻度が高くない、手軽に着たいという場合はわざわざ買うのも…と思うので、洋服にも合わせられると気楽ですよね。

と言いつつ、羽織があれば意外としのげたりもします
少なくとも2018年の東京はしのげました。今年はどうでしょう。笑

***

以上、何となく固まってきた私の防寒対策でした。
試していないので書いていませんが、冬用のもこもこの草履も見かけたことがあります。あたたかそうでいいなぁと思ったり。。

いろいろと防寒グッズがあると思うので、少しずつ試しながら自分に合う方法を見つけていけたらいいですね!
暑さ寒さは、特に着慣れないうちはどうしても着物のハードルを上げてしまうのですが、身近にあるもので工夫しながら、着物への距離を縮めていきたいと思います。


弥生・竹久夢二美術館「アンティーク着物万華鏡」展に行ってきました!


「アンティーク着物万華鏡 大正~昭和の乙女に学ぶ着こなしー」という展示に行ってまいりました!
 
▶︎弥生美術館公式サイトはこちら
▶︎Fashion Pressの記事も分かりやすいです!

これが着物を着たい欲の高まる、着物好き垂涎の展示だったので、ご紹介します!!




*開催概要


【場所】
弥生美術館・竹久夢二美術館

※隣接する2つの美術館で同時開催しています。
建物の1・2階が廊下で繋がっているので、一度入ればどちらも見ることができます。

※根津駅、東大前駅からそれぞれ徒歩7分。春日駅や上野からも、少々時間がかかりますが歩けます。


【会期・開催時間】
2019年7月5日(金)~9月29日(日)
10時から17時まで(入館は16時30分まで)

【入館料】
大人900円

*所要時間


こぢんまりとした展示室が、全部で5部屋。
私は一人でさくさく見てしまったので、1時間ほどで回りきりました。

撮影できるところや本の展示もあるので、着物好きや文学好きのお友達同士で行ったら、もうちょっとかかるかと思います。

ミュージアムショップや、併設のカフェ「港や」も素敵な雰囲気でしたが、私は時間がなくて立ち寄れませんでした。。お時間に余裕があればぜひ。


*感想・見どころ


着物って自由だな、着物って楽しいな!という喜びに満ちた展示でした!

戦前の雑誌の表紙や、文学作品の挿絵などに描かれた着物姿は、思った以上に大胆な柄や色遣い
実際に再現されたものがトルソーに展示してあるのですが、そのかわいさ華やかさたるや!

いろんな柄や色の布を半襟にしてみたり、帯で遊んでみたり…着物はわくわく楽しめるポイントが多いんですよね!
というのがとてもよく伝わってきました。

***

着物もさることながら、印象に残っているのは羽織と洋服のコーディネート。

吉屋信子の小説『家庭日記』の、嶺田弘による挿絵を再現したものなのですが、
真っ赤なタートルネックのセーターに、チェックのスカートを履き、その上にカーディガンのように大ぶりの花柄の羽織を合わせているのです。

これが抜群にかわいい!!
タートルの赤がはっきりしているからか、羽織が全く浮かずに馴染んでいました。
服装もシンプルだったので、羽織の花柄がかわいらしく見えます。

以前 東京メトロの広告で石原さとみさんが洋服×羽織ミックスをなさっていたのもかわいらしかった。
洋服に羽織を合わせるの、ありですよね!!

***

夢二の美人画は、解説にも書いてあったのですが、帯締めの結び方がかっこいい。
結び目が真ん中に来るでもなく、一思いにきりっと結んでいる感じ。
手慣れた雰囲気が出ていて素敵です。

夢二にまつわる写真を見ていると、女性たちは補整なしで着物を着ているようで、その具合がかっこいいんです。

ぴしっと締まった着方も素敵だけど、いかにも着慣れて自分の心地よいところに全てが収まっているような、そんな着方ができるようになったらいいな。

雨のときに、着物を何枚か重ねて、一番上には古着を雨コートのように着る、というのも印象に残っています。
古着の使い方、そういう手もあったのか。
何でも使うんですよね。この展示ではありませんが、腰紐もハギレを合わせて作ったりもしますし。

腰紐といえば、夢二の弟子であり恋人でもあった女性(お名前を失念)の描いた美人画に、帯の下から腰紐をのぞかせているのがあったんです。

そうか、腰紐もおしゃれの対象なのか、と。
見えないおしゃれというのでしょうか。
見えてしまったとしても、自信を持てるような、そんな気概で腰紐も締めていたのかもしれませんね。


幸田文さんの文章に、こんな箇所があります。

「すすぼけた黒っぽい着物というのを、女の子は好かない。(中略)
そんなのを着せられると、反動的に、どこかへ強い色をつけたくなる。赤とか青とかいう若い色がほしくなる。それがたすきとか腰紐とかいう形の、いともささやかなおしゃれになった。
緋とブルー、紫と黄など、小ぎれをはぎ合わせた紐が、色あせた地味な着物へ、やっと少しばかりの若さを添えるのだが、ひとには哀れにしみったれて見えようと、当人の私には、ひどく新鮮でうれしかったものである。」(「沈丁花に匂うこころ」p.80〜81、『幸田文 きもの帖』2009年、平凡社)

こんな文章を読むと、腰紐を見せている絵の中の女性の気持ちも少し見えてくる気がします。

***

さて、見えないおしゃれと言えば長襦袢です。

今回、美術館3階で「長襦袢の魅力 ~着物の下の遊び心、女心~」という展示を同時開催しています。
これがまた素敵なんですよ!そして何が嬉しいって、ここは撮影可能なんです。

IMG_20190818_180510

IMG_20190818_180323

こんな色鮮やかな襦袢、もはや見せなきゃもったいないですよね!
この階に展示してある絵も、わざと襦袢を見せているものがたくさんあります。

IMG_20190818_180420

オリンピックシーズンに最適な、世界の名物襦袢。

IMG_20190818_180235

花火でしょうか。こんなのがちらりと見えたら、何て鮮やかなんでしょう。

極め付きはこれ↓

IMG_20190817_165922

お分かりでしょうか。
半襟・袖・胴・裾、全て違う柄です。

つまり、襟に見えるものと、袖や振りからのぞくもの、膝をついたときや走ったときに裾から見えるもの、肌ぬぎしたときに出てくるものが、全て違う色柄というわけなんです。
めちゃめちゃおしゃれ。すごい。

こんなのはもう、見せないことにはやってられないですよ!!笑

私は踊りのときに着ることが多いので、上下セパレートになっているタイプの襦袢で、下は踊り用の、タックのついた裾除けを着ていることが多いのですが、
遊びにいくときに自分の好きな襦袢を着る、なんていう日がいつか来たら楽しいなぁと思いました。

***

全体として、とにかくコーディネートがどれも斬新でかわいい。
「斬新」と書きましたが、これらが描かれたのは戦前であって、決して新しくはないはずなのです。

ルールに縛られずに、自由に着ていいんだな、と。

好きなものを、好きなように着る楽しみ。
意外な柄や色を合わせて生まれるおしゃれ。

着物の喜びはそこにあるなぁと。


着物好きはもちろんのこと、着物を着てみたいけれど、どんな着方がおしゃれなのか不安、という方にこそ、全力でおすすめしたい展示です!!!
 

下駄の鼻緒をすげ替えました!


初めて!
初めて下駄の鼻緒をすげ替えました!!

「すげ替える」っていう言葉、何だか素敵な響きじゃないですか?素敵ですよね?!(嬉しくてテンションが異常) 

*** 

浴衣の季節です。

浴衣と言えば下駄。

私が唯一持っている下駄は、友人にもらった大事な一足なのですが、残念なことに靴擦れがとてもひどいのです。
「靴擦れしない方法で歩く」とかそういう問題ではなく。履いた瞬間から靴擦れの予感がするレベル。
 
そんなこんなでお出かけがちょっと憂鬱だったので、これはもう鼻緒を何とかした方が良いだろうということで、思い切って下駄屋さんに行ってみました。

(※ちなみになるべく足の先の方で鼻緒を挟んで、足裏全体を下駄につけるようにして歩くと靴擦れしにくいようですよ。)

***

伺ったのは、品川の丸屋履物店さん。
 
最寄りは京急の新馬場駅とのことですが、私は品川駅から歩きました。
高輪口から、迷わず行ければ15分ほど。
京急線を見失わずに歩くのがポイントでした。

途中で通る橋がレトロで気になる。

IMG_20190623_143052

IMG_20190614_215823
※どちらも帰り道での撮影なので、行きは違う景色です。あしからず。

北品川駅前の商店街も、昔ながらな感じで良かったです。

***

さて、まずは鼻緒を選ぶところから。

これがまた大変にときめく時間!
一人だったので興奮を必死にこらえていたのですが、
下駄屋さんに並ぶ色柄豊富な鼻緒たちにもう釘付け。心がとろけそう。
 
どれもこれもほしくなってしまいます。

すべての鼻緒が私に訴えかけてくるようです。

たくさんのものから、ベストのものを、自分のために選ぶ時間は幸せ!


結局、こんな鼻緒にしました。

IMG_20190623_132722

薄紫の、とんぼ柄。
渋めの色合いがとても好きです。その渋さの中に、前坪(まえつぼ)の濃い赤が効いているなぁと。

ちなみにとんぼは前にしか進まないことから、縁起物とされています。 

IMG_20190623_132702

ちゃんとサイズに合わせてもらった下駄は、足裏に吸い付くようにフィットしてくれて気持ちがいい。
一日履いて歩いてみましたが、靴擦れもなく、快適でした!

今回は鼻緒が2,500円、すげ代が1,000円の合計3,500円。
思った以上に手ごろに、好みの雰囲気の歩きやすい下駄を手に入れられるんですね!

***

今回は鼻緒のすげ替えだけで、下駄そのものは新調しませんでしたが、すげていただいている途中でお店の前を、カラコロと下駄を鳴らして通る音がしたんですよね。

あれはたぶん、駒下駄じゃないかしら。
二枚歯の、いわゆる「下駄」と聞いて真っ先に思い浮かぶ形のものです。

私の下駄は、裏にゴムの貼ってある「右近」というタイプのもので、あの軽快な音は出ません。

いいなぁ。
下駄の音、気分が良くて大好きです。

最後まで迷った鼻緒がいくつかあるので、その鼻緒でいつか駒下駄を誂えたいな。


何はともあれ、これで心置きなくお出掛けできますね✨
盆踊りもいいな。この下駄ならば踊れそう!

これからいろんな浴衣や着物に合わせるのが楽しみです。
 

初夏の着物に悩む。


今日は暑かったー!
今年初めて半袖で外に出ました。

その年の「半袖初め」、好きなんです。
そういえばこんな感じで袖から風が通るんだったなぁ、とか、半袖ってこういう軽さだったよなぁ、とか。

同じ感じではだし初めとか、サンダル初めとかも好きです。
これから来る季節にわくわくします。

要は単純なんですよね。笑

***

さて、この時期何が困るって、どの着物を着ればいいのか分からないということなんです。

本来であれば、5月は袷の時期。

しかし全面に裏地のついている袷は、正直言って重いし暑いのです。
20度を超えたらもう、着物の中が蒸されるようで。

気軽なお出かけであれば、何を着たっていいかなぁとも思うんですよ。
現に先日は5月でも気温が高かったので、かなり透け感のあるサマーウールで出かけましたし、早くも夏物をお召しの方もいらっしゃいました。
去年なんかは4月末の時点でかなり暑かったので、夏物を着ていた友人もいましたし。 

ちなみにこの「サマーウール」というのも曲者で、透ける生地のくせにウールなので決して涼しくはなく、いつが最適なのか迷う着物の筆頭です。笑

ですが、たとえば踊りのちょっとかしこまった舞台を観に行くとき(日本舞踊の公演の全てがかしこまっているわけではないので悪しからず!)

行った先には、普段から着物を着ている、いわば着物のプロたちがいらっしゃるわけです。
そして友達との気楽なお出かけではなく、「かしこまった場」です。

そういうところで「いやぁだって袷じゃ暑いじゃないですか~」が通じるのかどうか…
実際、皆さん袷にきっちりお太鼓を締めていらっしゃいましたし。。

どうやって耐えているのでしょうか、
中の襦袢をこっそり夏物にして、半襟だけ袷のものにして、何とかしてたりするのでしょうか。
私は単衣の着物でも襦袢は夏物じゃないともうすでに暑い。 


ともかく!
暑さに弱くてとても汗っかきな私としては、この時期に袷は困難!!
自ら熱中症への道を選んで、一歩一歩踏みしめながら歩いていくようなものです。 

結局改まった場には、洋服を着ていくことになるんですよね。
着物を着たいのに…

洋服だったら、特に気兼ねせずに好きなタイミングで半袖を着始めるのにな。
着物は「季節感」と密接に関わっていて、そこがおもしろいところでもあるのですが、それゆえにどうしても思い切ったことがしにくい気がします。

私がおろおろしているだけで、着ちゃえば意外とすんなり受け入れてもらえるものなんだろうか。

さすがにもろ「夏!」という生地のものは着ないまでも、単衣の透けないもので、かつ柄が夏っぽくないもので、そこそこ改まった場でも何とか切り抜けられないものか。。

ちゃんと分かった上で、自分の考えのもとに「ルール」を崩すのと、よく分からないままにおっかなびっくりやってみるのでは、着たときの安心感が違います。
自分はまだ後者なので、この時期の「ちゃんとした場」での着物は足踏みしてしまうんです。


いろんな場面で着物の人を観察しつつ、着物で無理なく一年を過ごせる方法を探っていければと思います。
 
プロフィール

わこ

◆首都圏在住╱平成生まれOL。
◆大学で日本舞踊に出会う
→社会に出てから歌舞伎と文楽にはまる
→観劇5年目。このご時世でなかなか劇場に通えず悶々とする日々。
◆着物好きの友人と踊りの師匠のおかげで、気軽に着物を着られるようになってきた今日この頃。

読者登録
LINE読者登録QRコード