ほんのり*和もの好き

歌舞伎や文楽、日本舞踊、着物のことなど、肩肘張らない「和もの」の楽しみを、初心者の視点で語ります。

お稽古

【日本舞踊】この3つを押さえれば上手く見えるのでは説


日本舞踊がとにかく好きで、お稽古場に居座っていることが多いのですが、年次やら曲やら様々なお稽古を見ているうちに、

もしかしてこれさえ押さえればある程度上手く見えるのではないか?

というポイントを見つけました!

いや、気付くの遅いのですが。
そしてあくまで私個人の見解なのですが。

でも、この3点に気を付けると、それまでよりちょっとばかり整って見えるのは間違いないはず…!
初心者の小さな発見を、思い切って記事にしてみたいと思います!!


【1】親指


まず一つ目は指先です。

これはサークル時代にも先輩にアドバイスいただいたのですが、指先がスッと揃っていると、それだけでだいぶ踊りが締まって見えます

これは実践してみて、あるいは同期の踊りを見ていて、私自身とても納得したポイントでした。

で、さらに。

親指が手にくっついているか離れているかで、また全然違うのです。

日本舞踊は、手先で表現することがあまり多くありません。
平たく伸ばすことが多い印象です。

それだけに、手先の美しさがものを言う気がします。

親指は第一関節を曲げて、平たくなるように手にくっつける。
これだけで、かなりきっちりした感じが出るかと思います。

ただ、役によっても手の使い方は違うので、上に述べたのはあくまで基本的な形の話です。

たとえば男の踊りで勢いや力を出すときなんかは、手を広げていたりもするので、ちょっと変わってくるかと思います。
あとは動物の踊りも全然違いますね。笑 


【2】内股


これも女の踊りに限った話ではありますが…手前に見えている足がきちんと内股になっているかどうかは、ものすごく大きい!

あえて「前の足」と書かずに「見えている足」という書き方をしたのは、たとえば後ろを向いているときの後ろ足(=お客さんから見えている方)にも言えると思うからです。
自分の踊っている映像を見ると、後ろ足がうっかり外に向いていたりして、後向きで止まったときに非常に形が悪くてとても目に付くのです。

踊りの一瞬一瞬で、すぐに足を正しく内股に持っていけるかどうか
きまったときに、きちんと前の足が内側を向いているか

特に前者は、些細なようでいてめちゃくちゃ大きいのではないかと最近感じております。

「一瞬」というところが重要な気がする。
どうしても向きを変えるときに外向きになってしまう瞬間はあると思うのですが、その時間を極力短くしようというのは意識してみています。

【3】体の角度


これも最近やっと身をもって気付いたこと。ですが、すでに読んでいた坂東三津五郎さんの本にちゃんと書いてありました↓

「踊りはじめて十年もやっているのに、正面で決まることができないお弟子さんが意外に多いのです。/足を引いてもおへそが舞台の縁と平行に、まっすぐ向いている。それは日本舞踊の所作にはない形なのです。」(『坂東三津五郎 踊りの愉しみ』(岩波現代文庫、2015年) p. 13)

坂東三津五郎踊りの愉しみ (岩波現代文庫) [ 坂東三津五郎(10世) ]

価格:1,276円
(2019/12/21 09:53時点)



関連記事 ▶︎ 坂東三津五郎さんが踊りを語る本『坂東三津五郎 踊りの愉しみ』

文で読むのと、実際に見たり動いたりするのとでは、やっぱり違いますね。百聞は一見にしかずというのはこのことか。。

たとえ同じ形でも、正しい角度で止まっているか否かで、見え方が全然違います
きまるときに真正面を向くことはほとんどなくて、どうやら斜め45度くらいの方向できまるのが良さそうです。


***

以上、これさえ押さえればちょっとばかり整って見えるのではポイントでした。

引き続き一生懸命お稽古を見て、お稽古していただいて、より素敵に踊れるように精進いたします!



シミだらけでも着たい着物

しばらく前のこの記事で書いた、
曽祖母の大量の着物の中に、
こんなものがあります。

IMG_20181021_211030

紬で、とても軽く、色味もシンプルでかわいらしい。

裄丈も十分で、
身幅も何とか私の大きなお尻をカバーしてくれたのですが、

問題はこれ。

IMG_20181021_212602

ちょうど “おはしょり” にあたる部分に
広範囲の茶ジミがあるのです。。

もとのお着物が淡い色合いなだけに、
実際に羽織ってみると
このシミがかなり目立ちます。

お出かけに着ていくには
かなーり抵抗があるレベル。

とはいえ、サイズもいいし
もの自体は全く悪くない!

そこで、

この着物は踊りのお稽古着にまわすことにしました

週に3回は激しく踊り、
かなり体を動かすし汗もかくので、
お稽古着はあまりいい着物だともったいない。

とはいえさすがにシミが多いので、
一応先生にご相談してみたのですが、

お稽古として着倒してしまってもいいのならば、
せっかくあるなら着てあげないともったいない!


ということで快諾してくださいました

***

ひいおばあちゃんの着物。
やっぱり着てあげたいと思うのです。

思い入れを持って作られた着物だろうに、
ずっとタンスの中で何十年も日の目を見ずにいた。

いませっかく見つけ出したのだから、
何とかして活かしてあげたいのです。

お出かけは厳しいシミ具合だけれど、
お稽古ならお出かけよりももっと着る機会が多く、
愛着もわくというもの。 

大切に着倒したいと思います

IMG_20181021_211217


とは言いつつ、
真冬のお稽古でも
結局浴衣で汗だくになるんですよね。。

 

日本舞踊*新しい曲のお稽古が始まりました

小さな本番が終わり、
新曲のお稽古が始まっています。

気持ちも新たに、
本番を経験してちょっとだけ成長した自分を楽しみに……

していると、とんでもないですね。

ちょっとずつ積み上げた自信が
粉々に打ち砕かれております。

*** 

新しい曲に入るのが、私はとても好きなのです。

今まで踊れなかったものを踊れることは、純粋に嬉しい。
 
振り返ってみて

「こんなのが踊れるなんて、想像つかなかったなぁ」

と、自分の成長が感じられるのも喜びです。

新しい曲には今まで知らなかった世界が必ずあるし、
何より踊れる曲がまた一つ増えるのは楽しい! 


その一方で、

新しい曲を踊り始めることには
まだまだ底知れぬ不安があります。

今まで教えていただいてきたことを
全て忘れてしまったんじゃないか。
 
とんでもなく分不相応な踊りを
教えていただいてしまっているのではないか。。

特に新曲のお稽古が始まったばかりのときは、
毎回必ずと言っていいほど

「自分は何も踊れないのではないか」

という恐ろしさがあります。


よく考えれば、これはとても失礼なことなんですよね。

先生は、私にとって何が必要かを考えて、
その時点で最もふさわしい曲を教えてくださっているのだから。

所詮、自分の力ではどうにもできないこと。
安心して先生にお任せすれば良いのです。

初心者に、自信は不要。
謙虚に楽しむのみ!!

***
 
今新たに教えていただいているのも、
現時点で見える一番高いところにあるような曲。

憧れていたけれど、
自分が踊るのは到底先のことだと思っていた。

それを踊らせていただけるのだから、
こんなに喜ばしいことはありません。

早くもへこみがちだし焦り気味だし
一向に覚えられる気配もなければ
体も全くついていけていないのですが(笑)

高い壁を、何とかかんとか這い上がる所存です。


あー、早くも次のお稽古が楽しみ!

 

足首が固い私の、踊り方の工夫。

足首がとにかく固いんです
足首に限らず、肩も。

バレエを習っていた幼き頃から、ずーーっと不便してます。

どのくらい固いかというと、

まずしゃがめない
 
踵を上げないと、下まで沈めません。
踵をつけたまましゃがもうとすると、バランスがとれず、後ろにこてん、とこけます。

肩に関して言えば、
 
まっすぐバンザイができません
 
両手を上げると、必ず30度くらい両手の間に角度がついてしまいます。
平行にはなりません。

高校時代、整体の先生に「身体硬いねーw」と言われたレベル。 

当時は横も縦も180度開脚できたのに、本質的には硬かったんですね。。
うわべだけの柔らかさなんて。 

*** 

今のところ、肩に関しては日舞で困ったことはないのですが、
(※バレエではめちゃくちゃ困ってた。あと学校で出欠とるときに「ハイッ!」って手を挙げると必ず肩がパキッていうので恥ずかしかった。)

足首はとにかく困ります。

日舞は重心を下げることが多い。

ですが 無理に姿勢を低くしようとするとお尻が出るし、バランスもとれない

だからと言って腰を落とさないと、それはそれで形が美しくない

どうしたもんか、とあれこれ工夫してみて、とりあえずこれは大事っぽい!と思ったのが、

腹筋を使うこと でした。

重心を下げるときに、お腹を引っ込める
丹田に力を入れる
 
これによって、お尻が出たり、どちらかに傾いたりするのが少ぉぉしマシになってきたんじゃないかと思います。

お腹を引っ込めると、お尻も引っ込むから不思議ですね。 


ちなみに私はこれを、会社で低いところのものを取るときとかに練習してます。笑

日本舞踊を習ってみて驚いたこと

突然ですが、「日本舞踊のお稽古」って
どんなイメージでしょうか。

お嬢様ばかりが習うもの?お師匠さんはこわい?
ゆっくりした踊りばかり?

実は、踊りを始める前の私自身の印象がこれなんです。

でも実際は全然違いました…!!

本日は、私が踊りを習ってみて初めて知ったこと、驚いたことを
まとめてみたいと思います。




・お稽古の雰囲気が楽しい!


これは正直、お稽古場にもよると思うのですが…

大学時代のサークルも、今のお稽古場も、
ものすごく和気あいあいとしています。

ちょっとだけ空手をかじった身として、
 
「日本の稽古たるもの、私語厳禁で厳しいのは当たり前

と思い込んでいました。 

いや、もちろん私語は慎んだほうがいいのですが、

先生方のお稽古中の一言で
稽古場が笑いに包まれることもよくありますし、

お稽古が終われば、廊下や着替え部屋で
お菓子を食べたり雑談したり、
雑談に先生が加わったり、

結構自由で楽しい雰囲気なんです。

本番前になると、ぴりぴりしだして
泣きそうになったりもしますけどね(゚∀゚)


・運動量がハンパじゃない!


これ。びっくりでした。
もっとおしとやかなやつだと思ってた。

テンポが速くてたくさん動く曲もあれば、
ゆっくりでも立ち座りが多くてしんどい曲もあり。

今の季節とんでもなく汗をかきます
(毎回真夏のお風呂上がり状態)

翌日筋肉痛のこともしばしばあります。

日本舞踊って、すごく腰を落とすんですよね。

だから太ももの筋肉はたくましくなりますし、
腰を落とした上でお尻が出ないようにするには
腹筋も結構必要になります。

そんな私は、現在太もも筋肉痛です。


・女性も男役を踊る?!


踊りの面白いところは、
踊れる役がたくさんあるところです。

女性が女性を踊るのはもちろんのこと、
男性の役だって踊ります。 

女性だけ見ても、
小学生ぐらいの女の子から年頃のお姉さん、 
町娘に芸者さん、おばあさん


男性にしても丁稚奉公の男の子から、
貴族、大道芸人、流れ星(!)
などなど…

「男が女性を真似している」のを女性が踊ることもありますし。

これだけあるので、いつまでたっても飽きないし、
いつまでたっても体の使い方が分かるようにならない(´;ω;`)


・ノリのいい曲もある! 


失礼ながら、そして恥ずかしながら
邦楽は眠くなるようなゆっくりの曲しかないんだと思っていました…

全然そんなことありません。

三味線の音がどんどん速くなって
盛り上がる曲もいっぱいあるし、

太鼓やちゃんちき、笛が加わってくると、
祭囃子みたいでテンションがぐんぐん上がります。
血が騒ぎます
(お祭りの人混みが嫌いなだけで、祭囃子は好きなんです。) 

何よりびっくりしたのは、
エイトビートみたいなリズムが邦楽にもあることでした。
(どんちゃどどんちゃ、どんちゃどどんちゃ、というリズム)

ちなみにちゃんちき、って言わないんですか…? 
友達はみんなあれを「当り鉦(あたりがね)」と呼ぶそうです。
ちゃんちき、という言葉の響き、
楽しげで大好きなんですけどね。



***

いかがでしょうか。

20年間バレエだのピアノだの
「洋」の世界しか知らなかった私が
すっかりのめり込んでしまった日本舞踊、

少しでも親しみを持っていただけたら嬉しいです。 
プロフィール

わこ

◆首都圏在住╱平成生まれOL。
◆大学で日本舞踊に出会う
→社会に出てから歌舞伎と文楽にはまる
→観劇5年目。このご時世でなかなか劇場に通えず悶々とする日々。
◆着物好きの友人と踊りの師匠のおかげで、気軽に着物を着られるようになってきた今日この頃。

読者登録
LINE読者登録QRコード