ほんのり*和もの好き

歌舞伎や文楽、日本舞踊、着物のことなど、肩肘張らない「和もの」の楽しみを、初心者の視点で語ります。

シネマ歌舞伎

シネマ歌舞伎『野田版 鼠小僧』観てきました!あらすじと感想

新年の歌舞伎一発目は、まさかの「野田版 鼠小僧」

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去年のうちに観ておこうと思っていたのですが、年末の慌ただしさに負けて延び延びになってしまいました…
でも新年のシーンもあったので(メインはクリスマスですが)良かった!

【シネマ歌舞伎についてはこちらをご参照ください】
シネマ歌舞伎公式サイト
初めての歌舞伎に「シネマ歌舞伎」をおすすめしたい理由3つ 

★初心者でも下調べなしで、お近くの映画館で歌舞伎を楽しめます!
 
 

■あらすじ


以下、公式サイトより引用します。
シネマ歌舞伎「野田版 鼠小僧」公式サイト

正月、江戸の町では鼠小僧の芝居が大人気。見物客の中で、棺桶屋の三太(さんた)がずる賢く金稼ぎに励んでいます。金にしか興味のない三太は、実の兄が死んでも棺桶屋の出番と喜ぶ始末。その上遺産があると聞いて大はしゃぎ。ところが遺産は善人と評判の與吉(よきち)が相続することに。他人には渡すものかと一計を案じた三太は、兄の死体の替わりに棺桶の中へ忍び込みますが・・・江戸町奉行から幽霊まで、個性溢れる登場人物達を、豪華な顔触れが賑やかに楽しく演じます。

このあらすじは、芝居の序の口のところ。
三太中村勘三郎さん與吉中村芝翫さん(当時は橋之助さん)が演じていらっしゃいます。

この三太と與吉に、義賊である「鼠小僧」の存在が絡んできて、物語がうねり始めるのです。

「野田版 研辰の討たれ」でもそうでしたが、とにかくものすごいスピードと台詞量で展開していくので、最初は耳がついていくのが大変です。笑


■印象に残ったこと


全体の方向性としては、同じく作・演出を野田秀樹さんが担当された「野田版 研辰の討たれ」と近いような気がします。

集団が作り出す考え方の都合の良さ、それに巻き込まれた人間の腑に落ちなさ
現代的で、刺さるものがありました。

以下、印象に残ったことをぽつぽつと。

勘三郎さん三太、ものすごい汗で舞台上を生きます。
気が小さい、心が狭い、どけちな三太。
でもちょっとしたきっかけで子供に不憫さを覚えてしまい、柄にもなく優しくしてしまう。
最初は悪者として描かれるけれど、最後の最後に一番筋が通っているのは三太だと思います。

この三太の姪にあたるおしな中村七之助さん)、三太の血を引いたような性格でなかなかパンチが効いているのですが(笑)、序盤の動きのキレがとんでもなくて目を見張りました! 

あんまりネタバレはしたくないのですが、
名奉行と名高い大岡忠相坂東三津五郎さん)、貞淑で知られる若菜屋後家お高中村福助さん)、周囲から「いい人」と慕われている與吉中村芝翫さん)の「一見」善人トリオ
それぞれ美しいが故により一層憎いですよ~!笑

この三人と鼠小僧が一堂に会す場面、抱腹絶倒です。
乱入する大岡の妻・りよ片岡孝太郎さん)もまた濃い!!笑
 
大岡様、なかなかこういう描かれ方はされない人物だと思います。去年の国立劇場で観たのと同じ人物とは思えませんね。。
そして最後去り際の與吉の表情、本当に腹立たしくて忘れられません(ものすごく褒めてます)

そして特筆すべきは三太と同じ名前を持つ子供・さん太中村鶴松さん、当時8歳でしょうか。まだ本名でのご出演です)。
ある事情で三太と関わりを持つことになるのですが、
無邪気で健気でかわいくて、それゆえにラストの哀しさが刺さる…。
泣かされましたね。。


■野田秀樹さんの言葉〜勘三郎さんと三津五郎さん〜


『天才と名人 中村勘三郎と坂東三津五郎』(長谷部浩、文春新書、2016年)という本の中に、
野田さんご自身がこのお芝居について語っていたところがありました。

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実際の舞台を観ることが叶わなかった私としてはどうしようもない文章だったので、
ちょっと長くはありますが引用させていただきます。

「『野田版 鼠小僧』は、勘三郎の鼠小僧が主役に見えるけど、実はちっちゃな悪人です。もっとひどい悪人に大岡越前守がいて、この役を三津五郎がやった。人前ではよい顔をして、残酷に鼠小僧を裁く大団円なんですが、そのときの三津五郎なんていうのは、僕は大好きでしたね。ああいうものを今、じゃあ誰とやるかって言った時に、あのふたり、あの肉体を超える肉体を探すのは、非常に難しいような気がする。…」(p.142)

このお二人の役柄の構図も、「研辰の討たれ」と似ていたと思います(この「研辰」の方の役を三津五郎さんが「スキップじじい」と呼んでいたという話がすごく好き(笑))

裏では人気に執着しながらも、表では懐が深くて余裕のある「大岡様」を演じる大岡忠相と、
その前に屈するか否か迷いに迷う、悪いやつに見えて実はこの場面では一番正しい鼠小僧。

このお芝居で一番考えさせられる場面であり、一番思うところの多い場面です。


■まとめ


大いに笑って、ラストはほろりとさせられて、今回もいい時間でした。
正月休みで体がなまりになまり、正直動くのが大変に億劫ではあったのですが(笑)、観にいけて良かった。

シネマ歌舞伎「野田版 鼠小僧」は明日1/4(金)まで(東劇では1/11(金)までやっているようです)。 
もちろん何の予習もなしで楽しめます!

***

「野田版 鼠小僧」はDVD/Blu-rayも出ていますので、ご都合のつかない方はこちらもぜひ。

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シネマ歌舞伎『ふるあめりかに袖はぬらさじ』観てきました!あらすじと感想(少々ネタバレ)

本日11/10(土)より上映スタートの
シネマ歌舞伎「ふるあめりかに袖はぬらさじ」
早速 観にいってまいりました! 

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【シネマ歌舞伎についてはこちらをご参照ください】
シネマ歌舞伎公式サイト
初めての歌舞伎に「シネマ歌舞伎」をおすすめしたい理由3つ 

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■あらすじ


以下、公式サイトより引用します。
シネマ歌舞伎「ふるあめりかに袖はぬらさじ」公式サイト

時は幕末、開港まもない横浜の遊郭「岩亀楼(がんきろう)」で、ひとりの遊女が自ら命を絶ちます。おりから吹き荒れる尊王攘夷の嵐の中、「攘夷女郎」の伝説にいやおうなしに一役買っていくお園 ...。

この命を絶つ遊女・亀遊(きゆう)中村七之助さん

その第一発見者であり、彼女の良き理解者であり、
にもかかわらず彼女の伝説化の流れに
誰よりも積極的にならざるを得なかった
芸者・お園坂東玉三郎さんが演じていらっしゃいます。

七之助さんの亀遊、
消えてしまいそうなほど儚い美しさでした…!


***

亀遊は何のために絶命したのか。

まことしやかな遺書が見つかったことで
「攘夷のために自らの意志を貫いた女郎」という見方が
世間の大きな流れになってしまい、

遊郭のためにもその流れに乗ることが必要だった。

そのうちにだんだんと引っ込みがつかなくなってしまい、
もともとが芸達者のお園、嘘を真と語るのが
どんどんエスカレートしていってしまうのです。
(このお園の語りの名調子たるや。笑)

けれど、そこにあったのは
早くからこの世界で働かざるを得なかった亀遊の
一人の女性としての切ない想い。

亀遊と付き合いの長いお園だけが、
それを分かっているのです。


■感想


*坂東玉三郎さんのお園のこと


この芝居のうちのほとんどは
お園のセリフなのではないか
、というくらい
お園さん、よぉくしゃべるのです。笑

のっけから強烈なキャラクター。
怒涛のセリフの勢いに、何度も笑いました。

そして、芸者としてのお園はかっこいい

ちょっと三味線を調弦(というのでしょうか?)して
何気なく歌いながら弾き始める感じや、
後半、亀遊の死に際を語る一連の動きの淀みなさ。
あぁ、お園は芸に生きてきたんだ、というのが
よくわかるほどの自然さに、ぞくぞくしました。

歌舞伎歴が浅い自分としては、
玉三郎さんは豪華絢爛な傾城や姫君、
愛らしい娘の役をなさっているイメージが強く、
お園のようなコミカルな役をやっていらっしゃるのを
あまり観たことがなかったのです。

お園にすっかり心を鷲掴みにされた164分でした。


*情報のしょうもなさと罪深さ


このお話、後半の亀遊亡きあとがメインだと思うのですが、
その後半のきっかけになるのが亀遊の遺書です。

この遺書、出所が分からない
内容も、第一発見者であるお園が見たものとは違うし、
遺書に表れる人間像もお園の知っている亀遊ではない。

にもかかわらず、
この遺書のおかげで亀遊はすっかり
「攘夷女郎」に祭り上げられてしまう


愛し合っていたはずの男さえ、
亀遊を亡くした罪悪感からなのか何なのか、
この遺書の内容を心の支えにしてしまうのです。

あとはもう、情報の流れる勢いほど
止めようのないものはない。
語り継がれるうちに尾ひれがついて、
「嘘」はどんどん「真」になっていく。

そうなったら、本当の亀遊を
誰が分かってくれるんだろう


お園が偽りの亀遊の最後を
どんどん立派に語るようになるのを観ているうちに、
私は大笑いしながらも、それが哀しくなってきてしまったのです。

自分の手に負えないところで、
誤った自分の情報が流れてしまうって、
何て哀しいことなんだろう、と。

あの遺書で亀遊は確かに
語り継がれる偉大な遊女になったかもしれないけれど、
彼女の一人の女性としての人生は
なかったことのようになってしまった
のです。

でも ここにはちゃんと救いがあって、
お園はやっぱり、亀遊の気持ちが分かっていました。
長くともに時間を過ごした彼女の生き様を、忘れていませんでした。

これがどれだけ救いか。

そんなことを考えながらの
最後のお園の一人芝居、
じんわりと泣けてしまいました。


*どうでもいいけど気になったこと


この遊郭、唐人口といって
外国人向けの遊女が別にいて、
彼女たちの化粧と服装が毒々しいほどなのです笑
動きにも品がなくてはちゃめちゃなのですが、
(それがまた楽しい笑)

攘夷の流れが強くなって
彼女たちも普通の遊女の格好をするようになり、
見慣れた日本の遊女の拵えになった途端に
美しく出てきて美しく座る。

何のことはない一場面なのですが、
和風に戻った遊女たちの一連の動きに
「さすが歌舞伎役者だなぁ」と思ったのでした。笑


■まとめ


「ふるあめりかに袖はぬらさじ」、大好きな一本となりました。

謎も残ったままで終わるのですが、
そこもまた世間の流れのすべなさだよな、と感じます。

というか、
伝説とか武勇伝とか逸話とかって
みんなこういう風にできていくのだろうな
、と。笑

有吉佐和子さんによる戯曲が、文庫版で手に入るようです。
こちらだとそれぞれの心情を丁寧に追えそう。

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シネマ歌舞伎「ふるあめりかに袖はぬらさじ」は
11/10(土)から11/16(金)までの予定です。
 

シネマ歌舞伎『大江戸りびんぐでっど』観てきました!


以前このブログで激賞したシネマ歌舞伎(⇒この記事)。
本日、再び行ってまいりました!

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『大江戸りびんぐでっど』!!

あの宮藤官九郎さんによる脚本の、
どたばたハチャメチャ喜劇(もといゾンビ映画)です。

忘れないうちに感想をば。


■あらすじ


ちょっとまとめにくいので、笑
公式を引用させていただきます。
シネマ歌舞伎「大江戸りびんぐでっど」公式サイト
 
時は江戸時代、処は大江戸。
くさや汁を浴びた死人が"存鼻(ぞんび)"として生き返った。
人に噛みつき増え続ける"ぞんび"に江戸の町は大騒ぎ。
くさやの名産地新島出身の半助は、
くさや汁を体に塗ることで彼らを従わせることに成功する。
想いを寄せるお葉と共に、何と人間の代わりに
"ぞんび"を働かせる人材派遣会社「はけんや半助」を起業する。
"ぞんび"は文句も言わずに人間の嫌がる仕事を安く請け負い、
商売は大繁盛となった。
しかしやがて派遣に仕事を奪われた人間たちが現れ、
切っても死なない派遣"ぞんび"VS失業者の争いが始まろうとしていた。


あらすじには書かれていませんが、
お葉ちゃんには、死に別れた夫「新吉」がいます。

クドカンさんの軽快な台詞回しと、
役者陣の強烈な個性が爆発する舞台です。


■感想


*歌舞伎役者の身体


一番に思ったのは、「歌舞伎役者の体」について。
 
ヒップホップを踊る役者さんたちを観ながら、

日本舞踊を土台にしながら西洋の踊りをどう踊っているのか

というのがなんとなく見えてきて、そこが面白かったです。


*特に印象に残った役者さん


福助さんが…福助さんが可愛らしい……

女郎・喜瀬川の役だったのですが、 
あの軽やかさは何なんでしょう、、 
何とはなしにちょっと走る、みたいなときの雰囲気がもうでした。
待ち遠しい9月はもうすぐ!!


そして、お葉役の七之助さん
ラストのあのバランスの悪い板の上で、
あれだけきれいな形をどうやったら作れるんだろう。
平地でもバランスとれないのに(泣)
 
歌舞伎役者なら当たり前なのかもしれませんが、
ちょっと立っていたり座っていたり、お辞儀をしたり、よたついたり、
そういう一つ一つの美しさに目を奪われました。
その雰囲気で「げ、まじで?」とか言うのでたまらない笑


大工の辰役の勘九郎さんは、みんなが踊り終わってはける中で
一人でキレッキレにファンキーに踊り、
「Pow!!!」ときめる場面が最高に輝いていらっしゃいました。笑
酒に溺れてからの目の据わり方もこわい。


そして、一瞬の登場にして一番強烈な印象だったのが
町娘役の小山三さん!!
当時、すでに御歳89歳のはず。
かわいらしい振袖を着て出ていらっしゃり、会場大盛り上がりでした。
たぶん誰よりも、町娘役を盛り上げられる方だったのではないでしょうか。。

90年近く舞台に立ち続けたとのこと、
本当に素晴らしいと思います。


*勘三郎さん、三津五郎さんのこと


シネマ歌舞伎やら動画サイトやらで
お二方の舞台を観るたびに、

なぜもう少し早く歌舞伎を知ろうとしなかったか…

と、悔やみに悔やんでいます。

勘三郎さんのお芝居の、あの説得力

今回の芝居も、新吉(勘三郎さん)が
半助(幸四郎さん、当時は染五郎さん)と対峙する場面が
一番のハイライトだったと思います。

そして三津五郎さんの今回の役は、
なぜかいつも癖のある角度でキメてくる四十郎。

そんな役回りながら、動きの美しさが格別だったんです。

前半の軽妙な雰囲気から、後半は出世もして、
ラストシーンの頼もしさ。
あれは(ゾンビじゃなかったら)惚れる


…映画でこれなんだから、
舞台でお二方を拝見していたら
もっとガーンとくるんだろうな。


■まとめ


さて、りびんぐでっどの話に戻り。

ストーリーにはあえて触れずにおきますが、
思った以上に夏の夜におあつらえ向きな映画でたまげました。笑

正直、考えるよりも感じるよりも、
まず「受け止める」という感じの舞台。

それくらいとがってました

当時、賛否両論あったに違いない。

私としては、役者さんたちの本気の悪ふざけや
ちょっとした小ネタを結構笑って楽しめました◎◎


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初めての歌舞伎に「シネマ歌舞伎」をおすすめしたい理由3つ

先日観に行った「刺青奇偶」、
余韻を一週間引きずりました わこです。 

仕事中に思い出してはぼんやりしてしまった。

東劇では7/20まで上映延長するみたいですよ!
もう一回行こうかなぁ…


さて、そのシネマ歌舞伎、
「入り口がこれだったら
もうちょっと早く歌舞伎にはまっていたかもしれないのに!」
というくらい 初心者でもとっても行きやすかったので、紹介させてください〜



1.そもそも「シネマ歌舞伎」って?
 

シネマ歌舞伎は、歌舞伎の舞台公演をHD高性能カメラで撮影しスクリーンで上映するという、松竹が開発した、映画とは全く異なる新しい映像作品です。」 (松竹のサイトより)
⇒詳細はこちら

…要は!名作歌舞伎を映像化して、映画館で気軽に観られるようにしてくれたものです! 


2.シネマ歌舞伎のいいところ◎
*1*お手頃価格で歌舞伎が観られる!
 

作品にもよるようですが、基本的には「一般2,100円(学生・小人1,500円)」。

歌舞伎座のいい席をとった日には
軽々と諭吉が飛んでゆくのに比べて
なんと庶民にやさしいことでしょうか。

それで映画館の、あの大画面で心ゆくまで熱演を観られるなんて、
なんと贅沢なことでしょうか。

*2*演目に迷わない!
 

「歌舞伎に興味はあるものの、どの演目を観たらいいかわからない…」
という方、多いのではないでしょうか?

現に私がそうだったのです。そもそも題名が読めない。
青砥稿花紅彩画』で「あおとぞうし はなのにしきえ」なんて学校で習わなかった

「シネマ歌舞伎」なら、既に劇場で好評を博している演目を
月に1つか2つ厳選して上映
してくれます。
えいやっ!と飛び込んでも絶対にハズレはないはず!!


*3*いつもの服装で観に行ける!
 

「歌舞伎って何を着て観に行けばいいの?」

歌舞伎に行く服装、初めてのときは迷いました。

ちょっといい服?どのくらいのレベルでいい服?
そもそもいい服って何?

「シネマ歌舞伎」は歌舞伎とはいえ映画館で観るものなので、
いつも出かけるときの服装で全然OK
最初の一歩で悩まないというのは結構ハードルを下げてくれますよ!

※ちなみに、劇場に歌舞伎を観に行くのも
そんなに気張った服装じゃなくて大丈夫なんだな、と
最近やっと分かってきました。


【まとめ】「シネマ歌舞伎」は初めての歌舞伎にうってつけ
 

興味はあるけど何だかんだ行けていない、
そんな「歌舞伎に行けない理由」を解決してくれるのが
「シネマ歌舞伎」だと思っています。

やっぱり一歩踏み出すには歌舞伎って高いし、
思い切ってチケットを取る、というところまでいかないんです。

私の「初めての歌舞伎」も映画館だったら、
もうちょっとスムーズに「和もの好き」になっていただろうなぁと
ちょっぴり悔しさもあったりしつつ。

思い立ったが吉日、ぜひ気軽に行ってみてください 

シネマ歌舞伎「刺青奇偶」観てきました!あらすじと感想

情報の鮮度が高いうちに!!

シネマ歌舞伎を観に行ってきました。

***

シネマ歌舞伎とは?
https://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/about/

お近くの映画館で、いつもの映画と変わらない料金設定で、名優の名演が気軽に観られてしまうという素敵な企画です!
歌舞伎が初めてでもハードルがとっても低い◎

***

さて、今月のシネマ歌舞伎はこちら↓

「刺青奇偶(いれずみちょうはん)」
https://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/08/
故・十八代目中村勘三郎さんと、坂東玉三郎さんの主演です。



【あらすじ】

不幸な目に遭い続けて、人生に見切りをつけようとしていたお仲(玉三郎さん)は、見返りを何も求めずにただ自分を助けてくれた、博打打ちの半太郎(勘三郎さん)に惹かれてゆく。やがて共になる二人。しかしお仲はすでに不治の病に蝕まれ、残された時間は少ないのだった。お仲は力をふりしぼり、半太郎の腕にサイコロの刺青を彫る。もう博打はやめるように、と。
半太郎はそれが痛いほど分かりながらも、お仲のために、これが最後と命懸けの博打に繰り出す――。


【感想】

出だしはやさぐれていたお仲の、半太郎と一緒になってからの幸せそうな表情。
死期を悟りながらも、「私、治るね」と繰り返す切なさ…
半太郎は博打の面だけ見れば本当にしょうもない男なんだけど、
大事な心構えをちゃんと持っている人。
二人のシーンの優しさと哀しさに、何度も涙が溢れました。

配役もめちゃくちゃ豪華。
最後の博打に登場する鮫の政五郎親分(片岡仁左衛門さん)の、
“親分”特有の懐の深さとか落ち着きとか、たまらなく格好いいです。

…というのが、江戸の知識とか何とか特になくても感じられるところも、またありがたいです。

***

「刺青奇偶」、2018年の上映期間は7/7~7/13です。短すぎるよ…
ご興味がある方は、ぜひお近くの映画館へ!


いまだ余韻に浸っております。。


プロフィール

わこ

◆首都圏在住╱平成生まれOL。
◆大学で日本舞踊に出会う
→社会に出てから歌舞伎と文楽にはまる
→観劇5年目。このご時世でなかなか劇場に通えず悶々とする日々。
◆着物好きの友人と踊りの師匠のおかげで、気軽に着物を着られるようになってきた今日この頃。

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