喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳。
これは!べらぼうに面白かったです!!
今週末・1月19日(日)までなので、ご興味のある方はぜひ!何とかご都合をつけて!!いらしてみては!!!!
今週末・1月19日(日)までなので、ご興味のある方はぜひ!何とかご都合をつけて!!いらしてみては!!!!
浮世絵初心者はもちろん、文化史の詰め込みにあっぷあっぷな受験生にもぜひ足を運んでみてほしい(無責任)
というか自分が受験生のときに行きたかった…!!
何が面白いって、この5人の特徴を、自らの目で感じることができるところなんです。
以下、つらつらと感想をば。
以下、つらつらと感想をば。
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まず最初にやってくるのは喜多川歌麿ゾーン。
描かれているのは女性のさりげない場面なのですが、どれもこれも「この場面ってそんなに美しかったっけ?!」という感じ。
うつむいたり振り返ったりする首の角度とか、体の傾き、手の表情…ちょっとしたところに見事に色気が出ます。
かの有名な「当時三美人」が見られたのも大きな喜びですが、一番印象に残っているのは「青楼十二時」。
吉原の遊女たちの様子を、一時ずつ時間の移ろいと共に描いたものです。
画面の細かいところに注目すると、いろいろ物語が見えてきて興味深い作品でした。
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そこを抜けると、一気に雰囲気の変わる東洲斎写楽ゾーン。
あの!謎だらけの写楽の作品が!イッキ見できちゃう!!!
写楽と言えば役者絵。
まだ観たことのない演目も多いのですが、知った名前があったり、「こんな雰囲気かな」とイメージできたりするとより面白い!
教科書や資料集で漫然と見ていたあの絵が、どれほど役者のリアルを描いたかというのが分かる気がします。
というのも、写楽の役者絵は表情がとても豊かなんです。
解説にどんな場面かちゃんと書いてくれてあるので、想像もつきやすかった。
写楽は役者の特徴を誇張して描いたために嫌がられた、みたいな話を聞いたことがありますが、必ずしも悪い誇張ばかりでもなかったのではないかと。
その役の、ここぞというところの心情が絵に表れていて、当時の人が見たら今よりもっと面白かっただろうなぁと思います。
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楽しい写楽ゾーンを抜けると、目に飛び込んでくるのはベロ藍の鮮やかな青。
やって参りました、葛飾北斎ゾーンです。
北斎は「富嶽三十六景」と、花鳥図数点が中心でした。
(個人的には動物画とか晩年の大作とか欲しかったですがまぁそこは)
(個人的には動物画とか晩年の大作とか欲しかったですがまぁそこは)
細かな描き込みと、構図の妙というのがやっぱり魅力的だし面白いところ。
割と見たことがあるものも多く、さらっとまわってしまったのですが、それほど大きくない絵でも波や滝の迫力を失わないのは凄いと毎度思います。
そして花鳥図の写実!生命力を感じます。特に百合の絵がお気に入りです。
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北斎の「富嶽三十六景」といったら、次にこれを出さないわけには行かないでしょう。
そうです、歌川広重です。
広重ゾーンは「東海道五十三次」をはじめとする風景画が主になっています。
いやぁ繊細ですね~!
遠景の霞み、雪の濃淡…見入ってしまう作品がたくさんありました。
同じ風景画でも、北斎とは全然趣きが違う。
続けて見ることができたからこそ、より違いがはっきりと感じられます。
中でも好きだったのが、「名所江戸百景 亀戸梅屋敷」。ゴッホが模写したのでも知られる、有名な一枚です。
満開ではないからこそ一輪一輪が可愛らしい梅の花、加えてノスタルジックな色合い、遠景の様子、最前面にどーんと存在しながら主張しすぎない梅の枝のバランス…いいですよねぇ。
会場内は混んでいましたが、これは何としても近くで見ておかねばならないと(私にしては珍しく)粘りました。
そういう惹き寄せ方をしてくる作品でした。
会場内は混んでいましたが、これは何としても近くで見ておかねばならないと(私にしては珍しく)粘りました。
そういう惹き寄せ方をしてくる作品でした。
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心落ち着く広茂の風景画の世界を抜けると、一気に眼前に広がる色鮮やかでマンガチックな世界。
はい、みんな大好き歌川国芳ゾーンです。
国芳作品はどれも文句なしに楽しいですね!
色鮮やかに、画面いっぱいに広がる迫力ある武者絵があるかと思えば、金魚やら猫やら雀やらが人間のように生活していて…
アイディアと遊び心とが溢れていました。
国芳と言えば猫と擬人化、と思っていたのですが、私は国芳のくの字も知らなかったと言っていいでしょう。
「水滸伝」や金太郎、大きな骸骨、相撲…
「目に飛び込んでくる」という表現がぴたりとはまる強烈なインパクト、その躍動感!
わくわくしてしまう絵の何と多いことか!!
これは現代人にも莫大な人気を誇る理由がよく分かります。
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こうやって並べてみると、絵師それぞれの魅力が分かりやすくて嬉しいですね!
言葉では一口に「浮世絵」とまとめられてしまうけれど、その中身はこんなにもバラエティ豊かで、いろんな切り口があったんですね。
言葉では一口に「浮世絵」とまとめられてしまうけれど、その中身はこんなにもバラエティ豊かで、いろんな切り口があったんですね。
「写楽は大首絵と言われる役者絵を…」とか「歌麿の美人画が…」とか、そういう知識の丸暗記では決して得られない体験。
浮世絵の美味しいところをぎゅぎゅっと詰め込んだような展覧会でした。楽しかった!!!
「大浮世絵展」は両国の江戸東京博物館・1階 特別展示室にて、1/19(日)までです。
休日に行ったところ、1階のチケット売り場はかなり混雑していました。3階にもチケット売り場がありましたので、そちらの方が空いているかもしれません。
また、会場内もとても混雑しています。順路にこだわらず、比較的空いているところから見た方が楽しめるかと思います。
休日に行ったところ、1階のチケット売り場はかなり混雑していました。3階にもチケット売り場がありましたので、そちらの方が空いているかもしれません。
また、会場内もとても混雑しています。順路にこだわらず、比較的空いているところから見た方が楽しめるかと思います。